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平凡な守り神  作者: yuki
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カインと私1

学校が休みのためハイスピードで更新してます。

ソナウイはもうシパーロゼン(神の国)に戻ってしまった。う~ん。どうしよう・・・。めっちゃ土下座。おそらく100人以上いるのに全員土下座。この人たちは土下座人数でギネスでも狙っているのか。いや、もしかしたらこっちの方向にメッカでもあるのか。それなら仕方がない。宗教は学校で習っている。宗教関連はデリケートだ。仏教徒であり、無教徒の私は口出しできない。・・・この国にもイスラム教ってあるんだ・・・。



おいおい、ちょっと長いんじゃない。立ってるのに疲れてきた。

なに、もしかして私が「面をあげーい。近こう寄れ」的な発言をしないといけないの?二十歳すぎてその発言は痛いんじゃない?守り神がこの世界でどうゆう位置にいるのか分からないけど、私個人の感覚では会社員。社長ソナウイに雇われた社員(私)。


「あの~私が守り神のアオイ・イナバです。・・・反応を返してもらえますか」


勇気を出してあいさつしたのに、反応はシーン・・・。顔さえ上げてくれない。イジメなのか?。転校したことないけど初日からこんな反応なら、次の日から登校拒否してしまうだろう。つい言ってしまった。反応してほしいと・・・。

土下座衆、一斉にビクッと肩が動いた。あれ、なんか怯えさせてしまったのか。何も考えずに口から出た言葉。深い意味などある訳ない。

な~んてね☆冗談だよ☆ と言えない雰囲気。

雰囲気を伝えるなら、大会社の社長のズラが偶然落ちた時みたいな。ものすごく気まずい。ホントに気まずい。


「恐れながら申し上げます。守り神のご不興を買ってしまい誠に申し訳ございません。誓って守り神を侮ったわけではございません。さきほどの 創造主ソナウイ のご降臨に感激をいたしておりました。

守り神 アオイ様、貴殿の誕生を全国民が心待ちにしておりました。国民を代表して、第4の国シュヴァ 神官長カインが祝辞を述べさせていただきます。」



薄赤髪の空色の青年が顔をあげて言った。よかった。1人は反応してくれた。

大学の○教授、講義中、学生の反応が無いって怒っていたけど・・・気持ちが初めて分かった。ごめんね先生。今度から(たぶん無いけど)きちんと反応します。




〈カインサイド〉


神の座に光とともにすさまじい神力が広がった。力の無いものは意識を保つに必死だ。王・王妃・王太子は私の結界の中にいるため意識はある。しかし王太子はつらそうだ。

生まれて23年。これほどまでに力の差を感じた事はなかった。先代守り神に感じたものとは比べ物にならない。これが創造主 ソナウイの力。しかも神は力をほとんど使っていない。守り神を連れてきただけなのだ。

1000年前のソナウイの降臨は、国が神に背きあろうことか守り神を殺した事が原因だ。一瞬の降臨で、守り神を殺した者・命令したもの・止めなかったものすべてを文字通り灰にした。幼い王子を残して王族はすべて消え、官吏は良心があるものだけが残った。神にとって一瞬で行動を起こすことは容易なことである。


光の中、碧眼が見えた。優しく守り神をみつめている。守り神は碧眼に対し、頷いている。そして次の瞬間、光は急速に消えていった。


≪忘れるな。我はいつまでもお主の事を見守っている。神が後にいるのじゃ、自信をもて。アオイのやり方でこの国を守っておくれ≫


神の声が聞こえた。王の様子からして、力の有無にかかわらずこの場の者すべてに聞こえたのだろう。守り神に対しての優しい心使い、そして我々に対しての牽制。

少なくとも神官たちは守り神を全力で守るだろう。もちろん私も。



そんな事を考えていると時間がたってしまった。守り神の声にも反応が遅れてしまった。

「あの~私が守り神のアオイ・イナバです。・・・反応を返してもらえますか」


守り神のご不興を買ってしまった。私はあわてて言った。

「恐れながら申し上げます。守り神のご不興を買ってしまい誠に申し訳ございません。誓って守り神を侮ったわけではございません。さきほどの 創造主ソナウイ のご降臨に感激をいたしておりました。

守り神 アオイ様、貴殿の誕生を全国民が心待ちにしておりました。国民を代表して、第4の国シュヴァ 神官長カインが祝辞を述べさせていただきます。」


アオイ様はじっと私を見ると、少し微笑んだ。大輪が咲くような笑顔ではなく、本当に小さく微笑んでいた。


今思うと私はその微笑みにすでに囚われていたのだろう。


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