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平凡な守り神  作者: yuki
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覚悟と私2

難産でした。

私はソナウイによって守り神になった。

日本で生活せずにシュヴァで暮らしている。王さまよりも身分は高いらしく、簡単に言えばこの国で一番影響力がある。



守り神アオイ・イナバ 

これが私の新しい名前。新しい私。





でも私は稲葉碧であって、別人になった訳ではないだって。

私が居て、アオイがいるの。

二人で稲葉碧であってアオイ・イナバなの。

当たり前の事なんだけど忘れてた。私が私を無かった事にしていた。




「ねぇルグ、私はどうしたらいい?アオイを迎えに行きたいけど・・・」

簡単にだけど今のアオイの様子をルグから聞いていた。


直接手を下した訳ではないけど、精霊たちの力を使ってたくさんの兵士や役人を殺した。精霊達に人間に対して慈悲なんてもっていない。周囲は血の海となってしまっている。


想像するだけで恐い。私は人を殺した事はもちろん無いし、人が亡くなる場面にあったこともない。

アオイを迎えに行きたい、これは本当の気持ち。

でも同じくらいその場に行くのは恐い。そんな場面は映画とか物語のものであって、現実におこるなんて思ってもいなかった。



「お前の好きにしたらいいじゃないか。言っただろう?お前のやり方でやって、上手くいかなかったらまた考えたらいいんだよ」



ルグは厳しい。進む方向を示してはくれるが道は教えてはくれない。

たぶんお姉ちゃんとかお父さんが聞いたら「当たり前だ!!それが社会人だ」って言いそうだけど、わからないんだもん。

いや、分からないというよりも恐いんだ。そんな場面に直面する事が嫌だし恐い。たとえアオイ・・・自分の一部が直面している事だったとしても。

私は私が一番大切で、私を守りたい。卑しい考えだって分かっているけど、そんな風に考えてしまう自分に嫌気がさす。

どうしたら一番いいのか分からない。




「碧。さっきも言ったが正解なんてないぜ?どんなにたくさんの選択枝があったとしても実際に行える方法はひとつだ。アオイがお前に戻りたがっているのは知っているな?お前もアオイを迎えに行きたいって感じている。

まずは自分の事を片付けな。それが出来ない奴が他の事なんて出来るか!」




尤もな意見ですな・・・ルグさん。「自分のケツも拭けんくせに何を言ってんだ」ってよく高校の担任にも言われてた。


まずは私がきちんと“碧”に戻ろう。

そんで次を考えよう。

自分の役割について、責任について。

それからアルド村について。それが終わったら国について。






「行って来い、愚かで可愛い俺の娘。辛くなったら帰ってこい。」

だんだんとルグの姿が薄れていく。いや、違う。私がだんだん消えていってるんだ。

アオイを迎えにいくために。

まだ恐いけど一生懸命努めてきます。


「いってきます!!ありがとう!!」




「あ、次に来たときに彼氏連れてきたらお父さんマジでキレるからね☆

あと出来婚は3年以上付き合った場合のみ認める主義だから!!付き合って○ヶ月、妊娠○ヶ月とか認めんからな~」



最後の言葉がそれって・・・。


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