守り神アオイと私3
う~ん。
なかなか進まない
「五月蠅い。今まで貴方達が民にしてきた事をしただけでしょう?何をそんなに騒ぐの?」
領城に着く前にその辺にいた兵士を3匹ほど捕まえた。
その場で始末する事もできたけど・・・左右の上腕を折ってから領城に案内させる。
ギャーギャー騒いでいたから見せしめに一匹の兵士の舌を焼いた。
本当に耳障りだわ・・・
「お、俺たちだって好きで殺してたんじゃねぇ!!上からの命令には逆らえない。
代わりに俺の家族が殺される!!」
「お願いだ・・・殺さないでくれ!!金ならやる・・・やめてくれ・・・」
兵士たちは泣きながら懇願した。
領城に案内したら自分たちが主人に殺されるって怯えてる。
本当に愚かな・・・ここで死ぬか後で死ぬ。大差ないじゃない。
『私』はどんなに命乞いをしても気にしない。
同情を買おうとしているみたいだけど、貴方達に興味がないのだからそんな事思えないし何よりも可哀想っていう感情は無いもの。
それに・・・精霊たちがいろいろと教えてくれるの。
貴方達の行いをすべて。
どんなふうに民を陥れ、傷つけ、穢して、殺したのか。
上からの命令?幼子を母親の眼の前で殺して、夫の前で妻を穢して・・・そして殺す。
ただただ、自分たちがしたかっただけでしょ?鬱憤を弱いもので晴らしたかっただけでしょ?
自分1人の感情さえ操作できない、犯した罪に気づけない愚かな人間。
「残念ね。道案内が出来ない貴方達に価値はない。」
ニッコリと笑って言った。
後は精霊たちに任せておけば大丈夫。
この服は碧のもの。髪も身体もすべて碧のもの。
それをあんな生物の血で汚してはいけない。
精霊たちは領城には案内してくれるけど、入るためには兵士が居る。
入ろうと思えば簡単に入れるけど・・・
それだったら大勢を相手しないといけない。碧の髪の毛一本分の価値もない屑どものせいで碧が埃で汚れてしまうかもしれないわ。
振り返ってさっきまで人間だったモノを見る。やっぱり何にも感じない。
『私』にとって碧がすべて。
碧のためだけに存在する『私』
碧のために生まれた『私』
・・・早く碧に還りたい
碧の中じゃないと寂しい。哀しい。苦しい。
こんな思いを味あわせる人間たちが憎い。
領主が死ねば、碧に戻れるかしら。
どれだけ殺したら戻れるの?
ねぇ、ルグ?
「ちょっと・・・腹の上から離れてよ~!!は、腹がつぶれる・・・。背中とお腹がくっつく・・・」
「それは腹が減ってる時。まあ、どいてやるよ、なんたってお前は俺の可愛い娘だからな」
・・・あれ?私はお父さん(57歳サラリーマン)の娘のはず・・・。まさかあの十人前のお母さん(55歳主婦)が浮気していたなんて・・・
いや、ちょっと待って。このお兄さん、どう見ても20代後半なのに・・・お母様!!どんだけ幼い子相手にしたの?やめてよー。おかしいでしょ・・・倫理的に問題ありすぎでしょ。そもそも前から若い子好きって事は知っていたけど・・・限度ってものがあるんじゃないの?引くわ~。心底引くわ~。
お父さん(この場合はお義父さん?)は知ってるの?いやよー。こんな昼ドラ的展開。
「いや、ありえんだろ。その考え方。俺どんだけスーパーベイビーなんだよ。
ちなみにお前の両親も友達も親戚も芸能人も政治家も女王も皇太子も難民のすべて俺の子供たちだ。可愛くて愚かで・・・愛しい子供たち。お前は嫁に行ってしまったが、俺の子供には間違いない。」
やっと私の腹からどいてくれたイケメン兄さんは不思議系だった。
「貴方だれよ?人類みな兄弟っていう宗教ですか?あと、私は結婚してないし予定もない!」
「違う。違うんだなこれが。
まず、俺はルグ。お前の元いた世界では太陽神って感じの意味だな。
ソナウイと取引したこっちの世界の神っていうのは・・・この俺☆」
ご意見・ご感想をお待ちしています。