昔話と私4
お久しぶりです。更新遅くなりました。
今回もおかしな文章満載ですがお願いします。
残酷描写あります。お気をつけください。
優しい夫に可愛い子供たち。
ホントに幸せだった。
いつまでもこの幸せが続いていくと信じていた。
だんだんときな臭くなっていく領主。
いつのまにか消えている少女たち。
増えていく税。
そして・・・攫われた私。
たまたま領主が昔の私を知っていた。両親と一緒に参加したパーティにいたらしい。全く気付かなかったけど。たったそれだけの理由で私は今、領主の前にいる。
抵抗した際に顔は殴られ、右腕の骨は折られた。
目の前でニヤニヤ嗤っている領主。心底気持ちが悪い。
地位や財産を捨ててまで、メズサ・・・いや平民の所にいった私が理解できないらしい。
お前に理解なんてされたくねーし!!
「お主は本当に変わっている。何を好んで平民なんぞになる。それほどの美貌があればもっと良い生活ができるであろうに・・・。
よし、私の玩具にしてやろう。薄汚い平民が貴族である私の視界に入る事ができるのだぞ、光栄に思え」
「御断りします。私には家族が待っておりますゆえ、領主さまの夜伽のお世話は出来ません。」
私は速攻で断った。腐って澱んだ領主の眼を睨みながら。
メズサ以外の男に抱かれるなんて耐えられない。
たとえそれが死に繋がっていたとしても構わない。これだけは譲れない。
攫われた時点で生きて家に戻れなくなる事ぐらい理解していた。だって誰も帰ってこなかったもの。お隣の娘さんも、他の子たちも。時々、ボロボロになった“もの”が見つかるけど誰かなんてわからない。
だから必死に・・・それこそ死に物狂いで抵抗した。殴られたし、骨も折られた。
でも女の私が兵士3人には勝てなかった。
もちろん死にたかったわけじゃない。夫が、可愛い子供たちが居る家に帰りたい。
領主は汚い顔を真っ赤にさせて叫んだ。
「ゴミ同然の平民に意見は求めておらん!!
おい、お前たち!!その女を押さえておけ。玩具は玩具らしくしておけばよいものを。」
兵士二人に両側から押さえられた。それだけでは足りず、首輪と足枷を付けられた。
領主に首輪の鎖を引っ張られ、強制的に顔を上げさせられる。
目の前には狂った領主。手には大きな剣をもっている。
ここからは地獄だった。
初めに剣先でえぐるように右目を潰された。私は声にならない悲鳴しか出なかった。
領主はニヤニヤ笑いながら水と縄を用意するよう部下に命令する。
水の中に頭を無理やり入れられ、上から足で押さえられた。
必死で抵抗したら腹を思い切り蹴られた。でも首輪を領主が持っているから身体は後ろに逃げられない。
足の腱を切られて、その上から足枷についていた重りを落とす。骨がつぶれた音を聞いて領主は大笑いをしていた。
指を一本一本関節ごとに違う方向に折られた。
何度も痛みで気を失ったけど、そのあと新たな痛みで眼が覚めた。
最後に覚えている自分の姿はひどいもの。
片目はつぶれ、長かった髪は血まみれで半分以上抜かれていた。
右手の指はバラバラの方向を向いており、左手は肘から先が無かった。
両足首の骨はつぶれ、1人では立ってられなかった。
最後に気を失った時、とうとう私が死んだんだと周囲の人は考えた。
私自身、死んだと思った。
次に気が付いた時、森の中にいた。
周りには腐った死体か朽ち果てた死体しかない。
私が一番新しい死体になるのかしら・・・もう自分が助かるなんて思えない。
『女、お前はあきらめるのか』
目の前に大きなものがいた。私の目はもう見えない。誰か聞こうにも喉は潰されてヒュー、ヒューとしか音が出ない。でも不思議とこの声は頭の中に響き渡る。
諦めるのも何も、私は如何しようも出来ない。死が来るのを待つだけだもの。
『我はソナウイ。お前は我に誓うてまであの男に家族を与えたかったのだろう?いいのか?あの男はまた家族を失うのだぞ?』
いいえ、違うの。
私は私が幸せになりたかっただけ。あの人の思いを利用しただけ。
メズサが家族を求めている以上に私はあの人を求めていた。あの人と一緒にいることで・・・子供たちに囲まれて私は本当に幸せだった。
あの人を守るためなら私はなんでもする。領主の城であの人の助けを待つ御姫様には絶対になれない。私が生きている事で彼が危険な目に会うならば私は私を殺すわ。
創造主・・・もう私に時間は残っていないわ。
弱い私には出来ないから・・・あなたならできるでしょ?
私の代わりに守ってあげて。
あの人からこれ以上家族を奪わないで。
貴方に会うために私はこの時まで死ななかったのだから
お願い。
メズサを・・・アンギオをテンシンをあの男から守って。
暮らしを今以上に楽にされる必要はないし、お金も要らない。
私のようにはさせないで。
≪アオイサイド≫
映画は終わった。
薄暗い映画館の中、私はひとり泣いていた。
≪カインサイド≫
「・・・その女の夫たちはどうなったのですか。貴方の加護があったのなら慎ましく暮らしているのではないのですか?」
なぜこんな話を私にするのだろう。
確かにこの女は気の毒ではあるがこのような話よくある話だ。
『夫はこの時すでに死んでおったのじゃよ。じゃから我は“諦めるのか”と聞いたじゃ。女は少女の頃に我に誓いを立て、そしてそれを守った。少しは気にかけておったじゃが・・・残念な結果になったの~』
「それならばその女や夫の命を蘇えなさればよろしいのでは?創造主であれば造作もない事でしょう?」
『我は気にはかけておったがそれほど寵愛していた訳ではない。神は平等であって平等ではない。ただ、この国を創りし者として少しちょっかいを出したくての。
ちなみにその娘の子供がアオイを攫ったのじゃからの~。運命とは不思議なものじゃ』
・・・裏で手を引いていたのはやっぱり創造主か。
創造主が守り神以外に冷淡である事は知っていたが。
私は神官長という立場だが神がこんな調子でいいのだろうか・・・。この国の方向を示して下さっているのは分かっているのだが。
「それでは私はアオイの元に向かえばいいのですね。アオイの守り神としての試練を邪魔しない程度に見守っています」
『迎えでいいんじゃがな~。手出し無用でならいいがの。
よいか、カイン。お主がアオイを好いとう事には何も言わん。ただお主が神官長であってアオイが守り神である事は努々忘れるな。神官長は守り神を甘やかす存在ではないのじゃから』
過去編終わりました。
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