昔話と私2
アオイさんは出番なし。
違う人目線で話は進みます。
一目ぼれをした。
たまたま訪れた市場で野菜を売っていたあの人に。
私の行動は決まっていた。
急いで屋敷に帰って(私の家は貴族では無かったけど豪商で、それなりの生活を送っていた。今日だってたまたま市場を通っただけ。)父親の書斎に飛び込んだ。
「父様!!私、結婚するわ!!」
「ぶはっ!!ネ、ネフロン!?急にどうしたんだ!?取りあえず落ち着いて話をしなさい。それから結婚の前にお前はまだ14歳という事を思い出してくれ」
「今日、市場にいた人に一目ぼれをしたの。たぶんあの人と結婚するわ。愛に年齢は関係ないと思うのよ」
「・・・相手の男はなんと言っているんだ?」
「知らない。まだ話した事、無いもの☆」
「ネフロンや・・・父様ちょっと話が見えないんだが」
『『父は思った。ネフロンは自分の意見ははっきりというし、一度決めた事はほとんど突き通す。ここまで突拍子の無い話をする事は珍しいが無かった訳ではない。この子がこう言っているという事はたぶん実行するんだろうな・・・と確信を持ちながら聞いてみた。』』
「だ・か・ら、その人と結婚するの!!たぶん平民の人っぽかったから私とこの家との縁を絶ってほしいの。兄様がいるし私が跡を継がなくてもいいし・・・ね☆」
私がお嫁に行くことで事業拡大するかもしれないけど・・・あきらめて下さいな。
私はもうあの人と幸せになる未来しか見えないのだから。
「ちょっと待ちなさい!!」
母様が会話に飛び込んできた。
「ネフロン、貴方はまだ14歳なんですよ。子供の貴方がなにを言っているのですか。しかも相手の方の了承を得ていないのに・・・。
まず貴方がしなければならない事は学校を卒業する事です。話はそれからです」
母様に反対されるのは初めから予測済み。
だから私は条件を考えていた。
すごく難しい事だけど私なりのけじめをするつもりだ。
両親が私の事を大切に思ってくれている事は知っているし、だからこそ反対しているって事も知っている。
「母様、私は本気です。
相手の方には気の毒ですが、私はもう決めました。
お二人には私の決意を認めて頂きたいのです。どうせこの家を出て行くのなら笑顔で出て行きたいのです。
・・・私は誓います。創造主ソナウイに。
1.学校は絶対に卒業する事
2.学校に行っている間に事業を手伝って必ず利益を生み出す事
3.相手の方と幸せになる事
これが私の気持ちです。」
創造主ソナウイに誓うという事はこの世界に置いて最も絶対的な事。
これを破るという事はあってはならない。
私はもう言葉に出してしまった。後戻りはできない。
「ネフロン・・・もう後戻りはできないのよ?」
「お前は・・・本当に14歳の女の子なのか?」
両親が呆れてるのは分かったけど・・・それでも私の意思は変わらなかった。
結局、創造主への誓いによって両親を納得(脅迫?)させた。
有言実行!!
まずは誓いの1.2を守るべく私は行動した。周囲が呆れるくらい頑張った。
結局、卒業の日を迎える日には家の財産を3倍にして、事業拡大も完ぺきにこなした。
財産放棄もして、笑顔で家を出た(絶縁状は断られたけど)。両親は泣いて、兄様は呆れていたけど最後には「お前らしい」と笑ってくれた。
私はとうとうあの人の村に行く。
向かうはアルド村!!