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平凡な守り神  作者: yuki
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ソイとカインの内緒話

話自体は続いていますが、ちょっと違う話が入ります。



最近、暗い話が多いのでブラックカインを降臨させてみました。

アオイが誘拐されてから1日が経過した。おそらく創造主がついているのだから危険は無いだろう。だからといって納得はしていない。頭では、今一番すべきことは事実を隠しアオイが戻ってきた時に混乱がないようにしなければいけないと分かってはいる。

でも許されるのであれば今すぐ探しに行きたい。この時ほど神官長という立場が邪魔になった事はない。取りあえず、あの男・・・たとえ神の意思であったとしても何らかの処分が必要だな(←アンギオ君ピンチです)。



王宮には守り神は神殿にお籠りになったと伝えた。あとは、守り神に媚を売るために神殿に訪れる蠅どもの対処をしなくては。

蠅どもは少しでも寵愛を受けようと貢物や整った顔の身内を連れてくる。いくら姿が整っていようとあわよくばアオイを使ってこの国の政治を操ろうとする愚か者ばかりだ。おそらく脳も蠅以上にお粗末なのだろう。

いくら追い払ってもすぐに湧いて出てくる蠅の駆除をしなくていけない。蠅の不快な顔など見たくもないが、身分が上である神官長が拒否しなければまたすぐにやってくる。





「これはこれはパテラ殿(※有力貴族だが落ちぶれ気味)、今回は何用で神殿に?私の記憶が正しければ10年程こちらで貴殿を見かけていませんが(にっこり)?」


「カイン神官長、コレト神官長補佐、本日は守り神様に御目通りをと思いまして・・・神殿で御一人ではお心細いと思いまして歳の近い息子も一緒に参りました。」

「はじめて御目にかかります。クローヌス・パテラと申します。」



コレトには眼で黙っておくように合図を送る。コレトが苦笑しながら頷いた。

「(息子無視)・・・そうですか。パテラ殿は昨日・今日と王宮に行かれていないのですか?」

「・・・?いえ、参りましたが・・・」


「そうでしたか。王宮には守り神様がお籠りになられたと昨日のうちに伝えたのですが・・・貴殿まで伝わっていなかったのですね。あなたは・・・いや失礼。伝令は王に近いものから伝わっていくのですから時間が掛ってしまっているのですね。それでは仕方がない。御気になさらず。」

「っつ!!伝わっておりましたが?」

蠅は顔を真っ赤にして言った。薄汚い顔がさらに醜くなった。

ほんとうに時間の無駄だ。


「これは可笑しな話ですね。貴殿は守り神様がお籠りになったと知っておられるのに今日神殿に来られた。何をしに?御目通りなどできるはずが無いのに・・・しかもご子息をつれて」

「(絶句)・・・こ、こちらで守り神様を待たせて頂いても?」


「あなたは守り神様のお身体の状態も分からないのに?お籠りになられたという事は創造主と会われているという事。それがどれだけ神力を使うと?

貴殿の都合に守り神様が合わせるのですか?王でさえ守り神様のご都合に合わせてこちらに参られますのに。いつから貴方は王よりも、いや守り神よりも偉くなったのですか?」


「も、もし御身体の調子がよろしければお会いした「だから(強調)なぜ貴方の都合に合わせなければならないかと申しているのです。どうしてここまで説明しなくてはいけないのですか?私も暇ではないのですよ。貴方達親子はこんな日の高いうちから出歩けるほど時間が御有りのようですが(失笑)・・・」」


「失礼ではないか!!神官長といえども我らパテラ家の者にそのような言い草を!!この事は王にご報告させて頂きます」


急に息子が言った。私を睨みながら。

まだいたのか・・・気が付かなかった。それにしても父親も考えなしの大バカ者だったが、息子はもっと馬鹿という事か。

いや、父親も息子を止めないという事は・・・私の想像以上にこの二人は馬鹿なのか。


「ご自由に。私は仕事に戻ります。これ以上貴方がたと無駄な時間は過ごしたくない。

・・・そうそう王にご報告されるのでしたら王宮に置いていらっしゃる荷物をまとめてからにしておいた方がよろしいかと。

ご自分たちが愚かで失礼な行動を守り神様にしようとしていたのか、考えが全く足らないどころか思い浮かばない事を自ら王に伝えるのですから。(蔑みながら)そんな輩にこの国の政治を任せてはおけないでしょう?違いますか?」


「「っ!!し、失礼する!!」」

蠅どもはやっと私の視界から消えた。



「カイン~、ほんとにキツイな。確かにあの二人は馬鹿だと思うがあそこまで言わなくてもよかったんじゃないか?」

「話を聞いてやっただけでもいいと思え」

「・・・おまえホントにこえーよ」

「私は事実を言ったまで。使えん奴はいらん」



視界の端で白いものが動いた。

はっとそちらを見ると美しい白狼がいた。眼が一瞬合ったがすぐに逸らされた。

ソイは森を一度見た後、もう一度私を見た。


「・・・先に部屋に戻れ。私は用事がある。」

「了解~。(見守り隊のレポート書くか)」



ソイの元に急ぐ。

十中八九アオイの事だろう。



森に入るとすぐにソイを見つけた。美しい毛並みと碧眼の狼。

「貴方は・・・創造主ソナウイですね」


『いかにも。流石は神官長といったところかの。

それにしても先ほどの話、聞かせてもらったがお主もはっきり物を申すの~。

さて、アオイの事なんじゃが・・・ちょっと迎えにいってもらいたいのじゃ』

創造主の声は頭に直接響いた。


「それはどういう事ですか?アオイは大丈夫なのですか?」


『今は無事じゃ。しかしアオイには守り神としての試練が待っておる。我が助けてはいかんのじゃ。』


「守り神としての試練・・・。分かりました。私はどこに向かえばいいのですか?」

アオイが無事な事がはっきりと分かって安心した。早く迎えに行きたい。

仕事はコレトたちがすれば問題ないだろう。



『そう急ぐでない。年寄りの話は長いのじゃよ。

そうじゃな・・・少し話をしよう。数年前に我が出会った1人の女の話じゃ。』


ソイはカインが結構気に入ってます。




感想まってます。

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