お祭りと私3
話を書くのは難しいんですね・・・ほんとにアオイの性格とか分からなくなってきました。
今日は快晴。空には雲ひとつない。
一瞬、風が私を包んだ気がしたから精霊にお礼を言った。そしたらもう一度風が吹いた。マリーの言っていた通り精霊たちが頑張ってくれたみたい。
もしこれがあちらの世界で通じたなら確実にマラソンの日は雨だな・・・。マラソン大会は土砂降りに決定してるはず。
「カイン、イナバ、早く行くぞ。」
「了解です、神官長補佐。」
今日の私はただの神官という設定。神官長のカインや補佐のコレトさんはみんな知ってる有名人だから下手に敬語を使われては守り神という事がばれてしまう。でも、カインはいつも通りで問題なかったけどコレトさんがね。要するに駄々をこねまして私を“アオイ”と呼ぶ事を拒否しました。カインは呼び捨てなのにって言ってもNG。
結局、家名だったらということで“イナバ”に落ち着いた。神官にとって家名は重要ではないから納得したみたい。結構コレトさんは締める所は締めるタイプの人みたい。もっと軽い人だと思っていたから見直した。
コレトさんが私と一緒に呼んだカインさんは滅多に城下に降りないから案内も出来ないみたい。むしろ私と同じくらい分かってないらしい。今も私と一緒にきょろきょろとあたりが気になって仕方がない様子。
ちなみにあとちょっとで城下町につきます。初めは馬で行く予定だったけど馬君(♂3歳)がなぜか拒否したので歩きに変更しました。あんまり距離が無かったのと天気がよかったのでどっちでもよかったからいいけど。
お祭りは思ったよりも大規模だった。露天も多く出ていたし、何よりも人が多い。夏休みとかの観光地くらい人がいる。
私のそばにはカインとコレトさんという神官2トップがいたからおのずと人は避けてくれる。でも嫌な感じの避け方では無かったから安心した。いや、むしろ主に女性の方からの熱い視線もあったし。
この2人は(王族とかもだけど)無駄に顔がいいからすごく目立つ。たぶん神官長とか補佐とかの肩書が無くても人は避けたと思うぞ。私だけならむしろ埋もれていただろう。
限りなく真実に近い予想で悔しくなったのと、ほんの少しだけムカついたから隣を歩くカインの髪を引っ張ってやった。
コレトさんにトナデ(揚げパンみたいなもの。蜜がかかってる)を買ってもらって休憩していたら近くで悲鳴が聞こえた。
「キャー、狼が出たぞー」
・・・ソイさん、派手な登場の仕方ですね。
真っすぐこっちに向かってきて・・・すんごく目立ってるじゃないの。もうすこし日本人みたいに謙虚にさぁ、こう慎ましくみたいな? 気が付いたらそこにいました☆的なのが良かった。いかにもですぅ!みたいな登場の仕方はハリウッド好みだぞ。
カインとコレトさんが視界の端っこで身構えたのが分かったから、一応視線で止めた。二人は私が動物と話せる事を知っているから少し任せてくれるみたい。
視線を前に戻すとソイはもう目の前まで来ていた。周りの人は真っ青な顔でこっちを見ていた。何もこんな風にしなくても・・・。ソイのドSぷりに呆れてしまった。
「ソイ、もう少し地味に来てほしかったわ」
ソイが笑ったような雰囲気がした。しかもニヤッって笑った感じで、私の顔をべロッとなめた。一瞬後ろでカインが固まった気がしたけど、私はソイの可愛さにノックアウトしていた。
≪朝の馬との会話≫
馬「「いやー、姫さん(アオイの事)の頼みでもそれは聞けねぇな。俺は昨日笑いすぎて腹筋いたいんだ。」」
私「じゃあ別の子に頼もうか?」
馬「「ほかの馬も腹筋痛がってたぜ。そんなに距離無いんだし歩けばいいんじゃないですかい。それに姫さんちょっと運動不足な気がするぜ。」」
私「それを言われると・・・。まあ確かに近いみたいだし、歩いて行くわ。んじゃあ、馬たちはお大事にね」
馬「「すまねぇな。お気をつけて。」」
(アオイ達が行ってから)
馬「「創造主は何をしようとしてんだろう・・・。姫さんに怪我が無ければいいが」」