お祭りと私2
第2章の内容が進み始めました。
明日は城下のお祭りに行く。この世界に来ては初めての外出。
遠足に行く前の小学生のように興奮してしまった。何を持っていったいいのかマリーに確認してしまった。
「アオイ様が準備するものはございませんわ。すべてカイン様とコレト様が用意されていましたよ。明日はよい天気になるといいですね。おそらく精霊たちが気を利かしてくれるでしょうけどね。
あ、申し訳ございません。言うのが遅くなってしまったのですが明日は神官が着る銀の刺繍の入ったダルンを着て頂くようになります。城下の民は守り神の存在は知っておりますが、アオイ様の存在は知りませんので。金のダルンではすぐに分かってしまって、おそらく大きな騒ぎになってしまいます。」
「了解~。お忍びなのね。明日はカイン達にいろいろ買ってもらおう」
「それでは今日は早くお休みになった方がよろしいですわね。
アオイ様。お休みなさいませ、良い夢を。」
「お休み~」
マリーが部屋から出て行った後すぐに眠気に襲われた。興奮していても眠れないって事は私にはあり得ない。たぶん○び太君とは友達になれるだろう。
「アオイ、起きるのじゃ、アオイ・・・・・ハバ「ハイ!起きた――――」」
物騒な言葉が聞こえた。この声はソナウイ。今日の事もあるし無視しようと思ったのに。
この起こし方はヤメロと言ったはずなのに。ドSの神様は何を考えているんだ。
「ソ~ナ~ウ~イ!その起こし方はやめて!!あと今日、窓から私がいじめられてるの見てたでしょ!食物連鎖を無視した動物と一緒に」
「フォフォフォフォ、気づいておったのか。余りにも面白そうだったから来てしまったのじゃ。まあそれだけではないがのう・・・」
ソナウイはソイの姿になっていた。ちくしょう、可愛すぎて本気で怒れんではないか、確信犯め。ちょっと寛いでる感じのしっぽの揺れとか犯罪並みに可愛い・・・・やばっよだれが出てきた。
うん・・・?そもそもソイは何で私の夢に出てきたんだろう?
「ソイ、何か用があって来たんじゃないの?」
「明日、祭りに行くそうじゃの~。途中からわしもこの姿で参加するからそのお知らせにきたのじゃ☆あの神官たちに追い払われそうにならんようにしておくれよ」
一番偉い神さまにそんな事したら笑い話にもならないな・・・私は面白いと思うけど。しっぽを巻いて逃げる神様・・・プッ。
「アオイ・・・一応上司の我に対してどんな想像をしているのじゃ(呆)」
「ごめん、ごめん。大丈夫、きちんとカイン達を止めるから。
確かに見た目はキレイだけど大きな狼だもんね、知らなかったら驚くもんね」
ソイを撫でながら言った。ソイの毛並みは最高にキレイでうっとりしてしまった。見た目はちょー美人さんだし毛並みは最高だし、見てるだけで癒しになる。今日の荒んだ心には癒しは必要(せっかくおしゃれしたのに痴女扱い。誰も感想を言ってくれなかった。今度はちょっと寒いけど水着で出たろか)。仕方が無いから今日の覗きもハバネロ起こしも許してあげよう。
「(ぼそっと)・・・アオイは学習能力が無いのかのう。そんな事したらあの小僧はお主を監禁するぞ。」
「え?なんか言った?」
「何もないわい。今日はこの辺でおいとまするかのう。
アオイ、明日は何が起こっても我のいう通りにするのじゃぞ」
「何か起こす気なの?何するの?いたずらするの?えげつないの?スカートめくりレベル?落とし穴?さてはドSのソイだもん、もっとレベル高いの?」
どんな面白そうな事をするのか気になって仕方がない。年甲斐もなくワクワクしてしまった。いたずら上等!最高だ。
「そんな事はせんよ・・・。お主はすぐに顔に出そうじゃから内緒じゃ。安全は保障するから安心しておれ。
とにかくお主はもう休め。明日から大変じゃぞ」
ソイは私のおでこにキュートな鼻を押し付けた。キャー☆デコチュー☆
テンションが一瞬上がった後意識が落ちた。
明日のお祭りはひと波乱ありそうだ・・・確信を持って深い眠りについた。