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平凡な守り神  作者: yuki
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精霊と私

私はカインと一緒に森を歩いている。この国の気候は日本の秋くらい。1年を通して殆ど気温は変わらない。ほかの3国ももう少し暑いか、寒いかの違いらしい。守り神の有無で気温の変動はほとんどないが天災が増えるらしい。カインが言うには守り神の有無というよりもこれから会いに行く精霊たちが問題らしい。守り神は精霊たちを無条件に引き付ける者であり、精霊たちは守り神がいない国に対して興味を持たない。そのため土地は痩せ、もろくなる。脆い土地に雨が降るとすぐに流れてしまい、土砂になる。さらに土地が弱り植物は育たない、育ってもすぐに虫にやられてしまう、と悪循環が続くそうだ。



「要するに、精霊たちは守り神が大好き。守り神がいるからその国を栄えさせるけど守り神がいないなら知らないという事ね・・・。自由人ね、精霊は」


この世界の精霊たちがどのような存在なのか分からないが、少なくとも人間には友好的ではないのね。守り神の有無でここまで扱いが違うのかと呆れてしまった。

神官は神に仕える者であり、精霊の声を聞くものらしい。神の声を聞いたものはほとんどいない。守り神の誕生を知られる事以外に神の声を聞いたものはいないそうだ。

神官たちでさえ精霊の声を聞けるものは力のあるものだけ。ソナウイは精霊の力はそんなに強くないと言っていたけど、その辺どうなんだろ・・・。


「精霊って強いの?ソナウイはあんまり強くないって言っていたけど・・・」


カインに聞いてみた。が、カインは固まってしまった。目は開きまくり。

う~ん、美形は驚いても美形なのか・・・。しかも絵になる。タイトルは“美形の驚き”って所か、そのままだけど。


「アオイは創造主とどんな話をしたのだ・・・。精霊とはこの世のすべて。強い・弱いの存在ではない。そうだな・・・例えば水とアオイは戦えるか?」


「戦えない。どう戦うか分からない」


「それと同じだ。水と戦う事は出来ない、なぜなら形が無いからだ。しかし水は存在している。そして水が無ければ生物は滅びる。強い・弱いで判断は出来ないが絶対に必要なものだ。

精霊とは肉体が無いもの、しかしそこに存在している。そして、精霊に刃を向けるという事は自身の破滅を現している。

精霊とは1であり、100であり、無限に存在するもの。精霊とはこの世界を握る者、創造主とはこの世界を作りし者。両者は全く同じであって全く異なる存在」


「・・・ならなぜソナウイはあんな風に言ったのだろう。」


「・・・創造主の考えは私には分からないが・・・。アオイは神の使いであって精霊とは存在が違うものであって、アオイや創造主に比べると・・・という話ではないのか?」


カインの慰めにとりあえず納得してみる。私が想像している精霊は人型だし、守護してくれそうな感じのものばかり。この世界での精霊とは違うみたい。

「ありがと、カイン。

精霊たち(とりあえず複数形)にはまだ会えないの?あと、精霊の使う魔法ってどんなものなの?」


「もうすぐだ。あの大樹の下が守り神の場所だ。魔法か・・・直接見た方が理解しやすいであろう。もうしばし待ってくれ」


あの木の下ね・・・。カインに了解と頷いて見せた。関係無いけどカインって案外体力あるわね・・・。見た目は大きいけどイメージは病室の儚い美青年なのに・・・。


カインの言った木は本当に大きかった。屋久島の縄文杉みたいに太く大きかった。見ているだけで圧倒されそうだった。カインに促され、大木に近寄った。


守りわたしだけが木の下にいる事が許されるらしい。一歩、木の下に入った。

すると一気に光に包まれた。





「ようこそ守り神」、「はじめまして守り神」、「疲れていない?」、「一緒に遊ぼうよ」、「待っていたのよ」、「お名前は?」

一気に多くの声がした。どの声も全く違っていたけど、同じにも聞こえる。普段聞いている人の声と全く違う。直接、脳に聞こえているような・・・。

これが精霊、精霊たち・・・。全員が火の精霊であり、水の精霊であり、風の精霊・・・もっと多くの精霊なのだろう。



私は、アオイ。アオイと言うの

なんとなく口に出さなかった。本当に理由などなかった。精霊たちにとってそれが当たり前なように私にもそれが当然のように感じた。



カインは神官なので木の下には入れません。

横でずっと(アオイを)見てます。

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