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平凡な守り神  作者: yuki
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男の友情と私

私はソイと別れてからしばらく寝ていた。

地球でいう10時くらいに起きだした。後から知ったんだけどこっちの時間の感覚は地球と似ている。こっちには国ごとに神力の大時計があり、これを模した時計を各場所に神官たちが設置している。大時計は神殿の最上階にあってそこに行けるのは守り神と神官長のみ。今は私とカインだけって事になる。ソナウイの力なのか大時計が止まる事は無い。



私が起きだすとメイドさんがやってきた。この子は私付きのメイドでマリー。少しおとなしいけど仕事の出来る17歳。私が起きると安心したように顔を緩めていた。

寝すぎて心配かけさせたのかな・・・。



「アオイ様、おはようございます。お着替えはこちらにあります。申し訳ございませんが私たちメイドは守り神様のお着替えをお手伝いする事は禁止されておりまして、お1人でお願いいたします。

昼食の時間がありますので果実を用意いたしました。食堂にございますが、いかがなさいますか?」


昨日、私が食事の世話を断ったので今日はどうするか聞いてくれる所も気が聞いている。ちゃんと私の事を考えてくれているって分かる。


「おはよう、マリー。そうね・・・軽く食べるわ。用意も自分でするからマリーも自由にしておいて。これを着ればいいのね。(服を広げてみる)・・・神官の服ね。ちょっと中華風の服ね。太極拳をする服みたい・・・」


「チュウカ・・・、タイキョクケンですか・・・?アオイ様は博識でいらっしゃるのですね。私には分からない言葉ばかりです。こちらではこの服はダルンといいまして神に仕える方のみに許された服です。守り神のダルンは金の糸で模様が、神官は銀の糸で模様が描かれております。」

「ふーん。そうなんだ。ありがと、マリー下がっていいよ」


マリーは一礼すると静かに部屋を出て行った。私は取り合えずダルンを着てみた。案外似合ってる。ゆったりズボンは楽だし、ほとんど装飾が無い。これがひらひらレースのドレスだったり、宝石ゴテゴテの装飾なら私は泣いていただろう。日本人の顔に絶対に合わないもの。


私はモモに似た果物(味はりんごぽい)を食べ、神殿に向かった。


昨日知った(当たり前だけど、一昨日までは地球にいた)けど、私が神殿に行くには神官長の部屋を通らなくてはいけない。反対もしかり。カインによれば1000年前の守り神殺しが原因らしい。詳しくは分からないけど神官が守り神を裏切る事は絶対に無いらしい。

神官長室のドアをノックすると凄い勢いでドアが開いた。


「神よー、救世主よー、アオイ様よー、カインを止めて下さい。(アオイの後ろに隠れる)

あれっ世界ってこんなに明るかったっけ?風はこんなに心地よかったっけ?」


コレトさんは私の後ろで感動していた。一体何があったのか理解できない。カインは昨日と変わらず表情は少なめの顔をこちらに向けている。でも部屋の雰囲気はドヨーンとしている。昨日の腹黒カイン様が降臨したのだろう・・・。原因は知らないけど。


「カイン?コレトさんはどうしたの?」


一応、聞いてみた。たぶん本人は気付いていないと思うけど。


「分からない。コレトの行動は予測できない」


やっぱり・・・。コレトさんは涙目で「・・・ひどい。俺が悪いのか・・・?」って言ってるし。コレトさんは美形だけど厳つい系、しかも超長身。160㎝の私に隠れて泣く姿ははっきり言って気持ち悪い。確かにコレトさんは気の毒だけど私を巻きこまないでほしい。とりあえず、この事は無視をする。


「二人とも、おはようございます。こんな時間まで寝ていてごめんなさい。私は今日は何をしたらいいの?」


「アオイ様、今の状況まるで無視!?なにこれ、イジメ?

そんな扱いを受けても優しい俺って天使カモ☆さー仕事でもしてきますかね、神官長様☆お・れ・の・へ・や・で☆では、ごっゆっくり~☆

あ、アオイ様おはようございます。ご予定はカインに聞いてくださいね」


そう言ってコレトさんは別のドアから出て行った。朝から元気な人だ。カインはあっけにとられている。そして苦笑していた。


「全くあいつは・・・。」

カインもまたコレトさんを信頼しているのだろう。昨日といい今日といい彼に対しては素の表情をしている。そう言ったらお互いに否定するだろうけど。


カインは私の方に向きなおして言った。

「おはよう、アオイ。今日の予定は精霊たちと会う事だ。精霊たちは森の奥にいる。今から会いに行くか?それとも昼に行くか?」


「精霊か・・・。今から行きたいな」

ソナウイの話だと精霊たちは魔法を使えるらしい。THE 異世界 といった感じがする。早く見てみたいし、精霊という存在にも会ってみたい。今はまだ守り神として仕事も何もしていなし、正直異世界にいるという実感はあまり無い。まだ外国に旅行に来ている感じ。少しでもこちらの世界に慣れたかった。カインはすぐに頷いてくれた。


「分かった。では今から行こうか。・・・アオイ、よくダルンが似合っているな」


くそっ天然のたらしめ・・・。


カインはコレトのお節介に気が付きました。

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