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平凡な守り神  作者: yuki
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コレトと私

新キャラ登場です。

祝賀会も終わり、私はカインと一緒に神殿に戻った。ちなみにスタン君はあの後、笑いすぎが原因で呼吸困難を起こして召されかけた。おいおい、どんだけ馬鹿なんだ王太子。

とにかく、無事この世に戻ってきたスタン君は“奇跡の王太子”という名誉な二つ名を与えられた。真相を知っている人たちからしたら爆笑ものだし、スタン君からしたら恥でしかない。基本この国の人はSなのだろう。




くだらない事を考えていると神殿についた。カインは口数があまり多い方ではないみたい。ほとんど会話はなかった。まあ、マシンガントークをされても困るけど。


神殿を歩いていると、前から男の人が歩いてきた。私の身長が160㎝、カインが弟と同じくらいだから・・・180㎝くらいか。そのカインよりも大きい。ここの国の人は無駄に背が高いと思う。王宮でも思ったけどカインはたぶん平均ぐらいだろう。日本では平均くらいの私では見上げなければいけない人も多くいた。その筆頭はソナウイだったけど。


「コレト?なにかあったのか?」

カインは男に話かけた。カインの知り合いか・・・。それにしてもでかいな。首の筋肉が鍛えられるよ。

「いや、何もない。噂の守り神をお迎えしようとね。

はじめまして 守り神 アオイ様 私は神官長補佐をしておりますコレトといいます。そこにいるカインとはかれこれ10年の付き合いになります。知りたい事があれば何でもおっしゃってくださいね」

「カインのお友達なんですね。始めまして守り神のアオイ・イナバです。敬語は苦手なので出来ればもう少しくだけてほしいのですが・・・」

「う~ん。カインが睨んでいるのでそれは・・・。まあ軽めの敬語にしますね」


なぜカインが睨むのか分からないけど、今日の彼をこれ以上刺激して、腹黒カインを降臨させたくない。とりあえず納得した。


「そういえばカインもコレトも名前だけなのね?ほかの人みたいにいろいろ付かないの?」

初めは身分とかあるのかなぁと思っていたけどカインは王太子と並ぶ身分。それは無いだろう。


「神殿では家柄など関係ないからな。完全なる実力社会だ・・・何をしているコレト」

コレトさんは泣きながら神殿の廊下で悶えていた。まるで王太子のように。


「おいおい、カインがしゃべった。しゃべったぞー」

まるで○イジが立ちあがったクラ○をみて叫んでいるようだった。大きな違いはコレトさんは爆笑している事。


カインは無言でコレトさんを踏むと私を守りの館に連れていこうとした。そう、手をつないだのだ。私自身何も気にせずに守りの館に行こうとした。そしたら


「あはははー、あ、明日は紅茶が降るー、あはははは、腹いてー、カインのご乱心だー、カインの成長、カインの一歩、カインと私のランデブー、ブハっ、死ぬ「では死ね」カインと会話するー」


コレトさんはネジが何本か抜けてるのだろう。さっきから意味の分からない事を言っている。とりあえずあの人はカインが大好きなのだろう。会ってから5分も立っていないのにカインって言葉を8回も言っている。



ようやく守りの館についた。お風呂とかトイレの説明はお昼のうちに受けたし、たぶん大丈夫。メイドさんたちにはお世話はいらないって言ってあるし。


「カイン、コレトさんはいいの?」

「ほうっておいて問題無い。アオイ今日は疲れただろう。ゆっくり休め。何かあったらすぐに呼ぶのだぞ」

「うん。了解しました。カインもお疲れさま。お休み~」



ベッドに転がりながら、今日1日を思い返してみた。平凡な大学生の稲葉碧から始まって、ソナウイと出会って、守り神アオイになって、シュヴァに来て、カインとか王さまと会って・・・。こんなに濃い1日を過ごした事があっただろうか。異世界だからといって不安になることは無い。元々1人暮らしだったし、あっちの世界には好きな時に帰れる(らしい。まだしたことないけど)。場所が変わっただけで状況は何も変わっていない。

明日も明後日も今日みたいに新しい事ばかりなんだろうな・・・。不安だけどなんとかなるだろう。


そういえばソナウイの言ってた贈り物って何だろう・・・。眠りにつきながら考えた。






その頃のコレトさん


カインのお仕置き中。カインの仕事をすべてやってます。カインの仕事は減って明日アオイと一緒にいれるしコレトに仕返しも出来る、とカインはご機嫌に自室へ戻っていった。


「いやーあの報告書以上に面白かったぜ、あそこの使用人は最高だな。臨時ボーナス決定だな。あー腹いてー。これからも報告書をっと。(カインの代わりに判子を押す。職務乱用)

アオイ様かー、あの欲なしカインがどこまで変わるか期待してますぜ。」


コレトもカインを心配している1人である。カインの生い立ちも知っている。元々の性格もあるだろうが、あの無表情ぶりは気になっていた。喜怒哀楽が極端に少なく、特に喜ぶ事は滅多に無い。3年前に神官長に決まった時でさえ表情は変わらなかった。10年以上の付き合いなのにカインが笑った所は見たことが無いのだ。それが、今日会ったというあの少女が引き出した。期待するなというほうが無理だろう。カインの仕事をしながらコレトは守りの館を見た。


シャローさんが何かする前にアホ王太子は天に召されかけました。

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