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創作詩8: 肌に刻まれた傷

作者: 香月融

本投稿では、創作詩 ”肌に刻まれた傷” を発表します。娘は学校での担任教師とのトラブルが原因で学校に行けなくなりました。自分の部屋に引きこもり、さらには息子との壮絶な兄妹喧嘩、母親との確執と共依存、私に対する嫌悪と負のスパイラルが止まりませんでした。


そして、恐れていたことが起こりました。その後も、強度行動障害は繰り返されました。あれから5年が経って、漸く平穏を取り戻しつつありますが、まだまだ先行き多難な娘です。

子が不登校になって、半年が過ぎた。


事あるごとに、声をかけてみた、が・・・

部屋から、子が出てくることはなかった。


そして、事件は起きた・・・

その後も、儀式は定期的に赤く繰り返された。


せめて、文字なら受けてもらえるかと・・・

四つ葉模様の紙に、メッセージを書こうとした。


ひたすら書いては消し、消しては書いた。

何度、繰り返したことかと・・・


子の誕生日、プレゼントに手紙を添えた。

もろとも、突き返された・・・


一年〜二年〜三年と、青く凝れる夜が続いた。

かくして、私の言葉はついに届かなかった、が・・・


ようやっと微かな木漏れ日、この黄色い詩篇に刻まれた。


終わり


【編集後記】

この詩は前半と後半の文末レイアウトが綺麗なシンメトリー(脚韻を含む)になっています。時の流れの上り下りを演出するために、視覚的な様式美にもこだわりました。


ところで、私は現代アーティストの奈良美智さんの絵が大好きです。彼の絵に描かれた「顔の大きな少女」が私の娘の気持ちを代弁してくれるかのように感じられ、心が癒されます。奈良さんのおかげで、私は自暴自棄になることなく、今日までなんとか頑張ることができました。


以上

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