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第一話 追放された。よし、寝よう!

カクヨムに掲載していた作品です。要望受けたため、こちらにも掲載します。


 粗末な馬車には似合わない金の刺繍入りの服を着た美青年が寝転がり、御者席にはメイド服には似合わない双剣を携えた女性が手綱を持っている。


「アルト様、そろそろ魔の森に到着しますよ、起きて下さい。」


 と、メイドがアルト(美青年)へ声をかける。


「すまぬ、今は眠くてな………zzz」


 そのメイドはため息をつく、そして思うのだった。『どうしてこうなった』と………



 こうなった理由については半月前のこの美青年、アルトの様子を見て貰いたい。




ーーー半月前


「王子アルト=ベータロッドに告ぐ、今、現時刻をもってベータロッド王国から国外追放とし、王族の系譜からも除外することとする!」


 『あの無能にはいいことだ』

 『ざまぁねぇな』

 『まだ追放してなかったのかよ』………


 などと俺、アルトを批難し嘲笑する声が聞こえてくる。追放か…追放………









ヨッシャーーー!!!!!最高!!ヒャホーーー!!!



 そう、俺が求めていたのは〈追放〉!!俺の心は幸福によって満ち溢れていた。思わず笑みが溢れてしまう。だって国外追放だぞ!!


 喜ばないが奴いるか?


(正常な人間は喜びません)


 これでようやく面倒極まりない〈王子〉から抜け出すことができたんだ。これを喜ばずしてどうする?



(正常な人間は喜びません)



『あの無能、笑ってやがる…』

『追放の意味分かって無いんじゃねぇか?

『ついほうってなんでちゅかー』ってなハッハッ。』

『アッハッハッ!似て過ぎててやばいぞお前、そんな似てたらお前まで無能になるぞハッハッハッ!』

『それだけは勘弁してくれよ!あんなのになりたくねぇ』



 青年貴族たちのそんな声が聞こえてくる。




 はぁ?……お前らの方が〈追放〉の意味分かっていないんじゃねぇか?〈追放〉されて嬉しいのは当たり前だろう。



(正常な人間は嬉しくありません)



 「早く立ち去れ!!アルト=ベータロット」


 言っていた太った中年の男の口元が歪む。


 「すまない、言い間違えた。追放を言い渡す。《《ただのアルト》》」





ーーー

 どうしてこうなったのか?それは申し訳ないが、さらにこの一日前を見て貰いたい。



ーーーさらに一日前


 神が人に与える恩恵であり、運命である〈スキル〉。それは15歳になった青年に神殿にて与えられ、それは、この世界で最も重要と言っても過言では無い。

 大陸東部随一の国力を誇る《ベータロッド王国》の王子アルトは、15歳の誕生日であるこの日、


「アルト様、神殿へ向かう馬車の準備が出来ました。神殿へ向かいましょう。」


とメイドのミリアが言う。


「さっきから、神殿に行け行けと…五月蠅いぞ。俺は今、眠いのだ…」


 肝心の王子であるアルトはというと、気怠げな声で愚痴をこぼしていたのだった。


「神殿へ向かいましょう!」


 笑顔ながらも黒く染まってでもいるのかという様子の言葉をアルトへミリアが発する。並の人間ならば、ここで起床するだろうが、流石はアルト、この様子である。


「俺は今、ベッドにいる。ベッドとは寝るところ、つまり、俺は寝るのだ!………zzz」


 しかしミリア、何度も、幾人もの人が諦めたであろう『アルトを起こす(最難題)』をこなした経験、訳せば実力があるのだ。


「ねぇ♡アルト様ぁ…ベッドは寝るだけのところじゃないんですよぉ♡…もしかしてぇイイこと、したくて誘ってるんですかぁ♡…」



 砂糖よりも甘い声でアルトに呼びかける。


「ふっ…その程度で起きるとでも…」


 しかし、流石はアルト要塞、不動の要塞(寝台)なだけある。


「ふーん♡…本当にそうなんですかぁ♡…」


 そう言いながらアルトへ寄っていき、うつ伏せにして、下半身を隠すように寝ているアルトの後頭部に豊満な胸を乗せようとする。


「フッ、アンズルナ、オキタゾ…」


 アルトは華麗に|避けながら掛け布団を投げ《スライディング寝返り》上半身を起こす(陥落)


 そんな朝があったが、アルトは、神殿へ向かう馬車に乗っている。今すぐにでも寝ようと機会をうかがっているが、メイド、ミリアはそれを防ぐため、話題を振る。


「アルト様は、どんなスキルを賜りたいのですか?」



 〈スキル〉と一概にいえども、色々な種類がある。スキルは、神殿で神から加護を受けた者が


 『ステータス』


 と、言葉を発することによりそのスキルのランクと、レベル、内容が分かるようになり、〈スキル〉の内容は、協会によれば、その人の〈スキル〉を取得するまでの行動が関係し、血筋も多少は関係があるらしい。


 スキルのランクには☆~☆☆☆☆☆があり、商業のスキルで例を言うならば


【☆市民】lv1

交渉能力1%上昇・無属性魔法


【☆☆商人】lv1

交渉能力10%上昇・無属性魔法


【☆☆☆名商人】lv1

交渉能力25%上昇・無属性魔法


【☆☆☆☆大商人】lv1

交渉能力50%上昇・無属性魔法


【☆☆☆☆☆至高商人】lv1

交渉能力100%上昇・無属性魔法


 となっている。【☆☆☆行商人】という交渉能力20%上昇・体力7%上昇…など派生形のようなモノもあるが…レベルは魔物などを倒したり、商人であれば経験を積むと上昇して、スキルの効果が増加したり、スキルの効果が増えたりする。


 ちなみに、このメイド、マリアは16歳でスキルがあり、実は


マリア【☆☆☆☆天剣姫】

lv3 魔力203/203

剣攻撃力53%上昇 無属性・水属性魔法

奥義〈天剣の剣(エンジェルソード)〉ー水

剣攻撃力212%上昇&剣に水属性付与

(クールダウン1h・魔力100使用)


であり、魔法も奥義も使えたりする。このスキルであるならば普通は、女騎士として大成するために、騎士団に入るのが普通なのだが、なぜかアルトのメイドをしている変わり者だった。本人に理由を尋ねても


『アルトがなんか凄そう』


としか答えなく、『アルトがなんか凄そう』なんて馬鹿を言うな、などと言われていた。


良ければ評価等宜しくお願いします!!

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