お題「100円玉」「USBメモリ」「ストロングゼロ」
「あーー……期末テスト近いのにお金がない……」
財布の中のさみしそうな100円玉をみて、俺は絶望していた。
今回のテストも赤点だと、きついお仕置きがまっているというのに、、、これじゃあ
「そんなはした金じゃ1GB程度の記憶容量しか、買えないな。山崎の試験終わったな笑」
いつの間にかそばにいた悪友杉田が、そうからかった
「ほんと、これじゃあ全然足りねえな、、、ああーー古文や社会が教科だった時代だったら無双できるんだけどな、、」
「こないだクラスの田中が100キロ超えたときに、『俺は平安時代に行けばモテる』ってイキってたの思い出した」
「やめてくれ杉田、、、俺今そんな感じに映ってたのか、、、」
杉田はこちらを見てさぞ愉快そうに笑った
「で、どうするんだ山崎?頭部USB接続なしで、いっそ自頭で試験受けるとか?」
「そんな古代人みたいな、、、頑張って記憶に労力割くなんて想像もつかん」
「違いないね。むしろ古代人はそんな無駄な時間を割くだけで、評価されてたんだから、楽な時代だよな、、、」
杉田はそう言ってひとしきり笑った後、本題とばかりに、声色を低くして話しかけてきた。
「でも、そんな古代人にもいい文化はあった。これは古代人の偉大なる発明の一つさ。」
「偉大なる発明?」
杉田はカバンからスチール缶を取り出した
----ストロングゼロ----
そう書いてあるスチール缶を手に杉田は得意げに語りだした
「こいつは、苦痛を和らげるために飲んでいたものらしいぜ。手軽に外部脳波から摂取できるドーパミンと違って、こいつはなかなか効果が高いらしい」
「なるほど、それで試験後の”お仕置きタイム”さえ乗り切れば」
「そうだ。こいつさえあれば、そもそも試験で点数悪くても問題ないだろ?ちゃんとおまえの分もある」
「天才か杉田!!」
「もっと言ってくれははは!!俺の有り金全部はたいて買った買いがあるってもんよ」
「杉田、、、お前も有り金ないのかよ、、、」
だが、どうせ勝ち目のない戦だ。俺は捨て身の杉田の作戦に乗ることにした
名前的に効能はストロングなのかゼロなのか、いまいちはっきりしないが、
テスト1時間前、みんながUSBメモリの記憶容量を必死に追加・整理している中、
俺と杉田はストロングゼロをあおった。
------記憶はそこで途切れている------
「ストロングな方だったな、しかもかなり。」
「ああ、でもこのセミオートで時間過ぎてる感はまさしくゼロだったよ」
テスト中見事に爆睡した俺と杉田は、お仕置きルームに連れていかれた。
これから、外部脳波の入力で、きついお仕置きタイムに入るのだが、、、、
「というかこの薬、ノックバックがあるとか聞いてないんだが」
「ああ、、この気持ち悪さって、、、お仕置きタイムのあの外部脳波入力で感じるものと一緒だな」
「これを参考にお仕置き脳波がデザインされてたなんて、、古代と現代の歴史の闇を感じるな」
というか、こんなものを飲まなきゃいけないほど、古代人って精神病んでたのか、、、
苦しみにもがく中、そっと古代人に思いをはせた。