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宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
4章 遊戯者編
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No.089 覗いてミテ



「失敗か」


 流石に人を変える事は出来ないようだな。


「興が冷めた」


 カッコつけて指をパチンと鳴らして解除する。

 ついでに壊れた壁とかも修復しておく。


次は手加減しないから(・・・・・・・・・・)


 僕はそう言って古代遺産置場へと足を進める。



 そこは古代遺産置場というより、リサイクルショップが近いと思う。

 電子レンジとか、冷蔵庫とか、テレビとか色々な電化製品が置いてある。

 こ、これはDSと呼ばれるやつか!

 こっちはガラケー!

 えっ、パチンコ?


「うん。ガラクタだな。一応、錬金術」


 鍵には変わらない。

 やっぱりと言うべきか、無理だった。

 て、言うかここ以外にも軍の古代遺産があるはず。

 銃火器とか、ヘリコプターとか、下手したら車とか。

 でも、それじゃあ鍵にはならないだろうから、どうしよう。

 これじゃあ一生ここって可能性もあるな。

 まぁ、10年くらいはこっちに居ても地球では1分くらいだから問題ないか。


「とりあえず宿にでも帰る……帰れないから町の散策か」


 軍の施設を後にして町をブラつく。

 色々な屋台が出ていて本当にお祭りだ。

 日本にいた時はこういうお祭りってあまり来てないな。

 てか、近くでお祭りをやんないからか。


「懐かしい。よし、すみません」

「へい、らっしゃい」


 とりあえず、空いている屋台で話を聞く。


「屋台を開くのって自由ですか?」

「チッ、客じゃねえのかよ。そうだよ、自由だ。ただ、軍に申請するのは必要だからな」


 なるほど。

 自由だけど、軍としては把握したいから申請しろ、って事ね。


「ありがとう。1つ買ってくよ」

「おう、ありがと!」


 買ったそれは「お好み焼き」に似ていて違う物だった。

 辛いような、甘いような、苦いような、渋いような、しょっぱいような、酸っぱいような、とりあえず不味かった。


「申請して」


 名前と商品名を書く。

 それと何日営業する予定(・・)か。

 予定なのは人気のあまり売り切れが起こりうるからだ。


「僕がする屋台は、チョコバナナ!」


 軽く見たところチョコ事態全然無く、てか全く無くデザート系が少なく感じたからだ。

 砂糖はあるにはあるが、あまり甘くないというのが原因だ。


「いらっしゃーい。チョコバナナだよーー!」


 とりあえず客寄せしようとするが、得体の知れない物だからか、人は来ない。

 さっきのおじさんと同じだ。


「ヤード、こっちから甘い匂いする」

「ムウ、待ってください」

「ここ……か」

「ここで……すか」


 うん。

 これは、ある意味「運命」ってやつですかね?


「……毒は入ってないから。ムウにはタダであげるよ」

「何が目的?」

「ムウなら美味しそうに食べてくれるだろうなーって。そして、それを見た人が買いに来させるって作戦。名付けて“敵桜(てきさくら)”。ってそんな事いいから食べてよ。ね? 先っちょだけでいいから」


 バナナを口元に持っていき「ほらほら」とちらつかせる。

 観念してくれたのか、ムウはパクッと一口食べてくれた。


「う、あ、甘くて美味しいーー!」


 それを見た人はチラチラと様子を伺っている。

 よし、もう一押しだな。


「はい、あげる」

「うん。貰う」


 素直に貰ってくれて、これが普通の服だったら可愛く思えただろうな。

 マジシャンのような胡散臭い服だから可愛さが半減どころか1/4される。


 その後はムウのおかげで来た客から広がっていき、チョコバナナは大繁盛という結果になった。

 僕よりも背が低い子にはジャンケンで勝てば2本というあるあるをした。

 ちなみに、1日目だけど500以上売れてバナナが無くなって、その内の10本はムウが買った。

 5回並んで、その全てでジャンケンを買っていったムウを僕は許さない。



 ※



 剣舞祭2日目の今日。

 今日から本番の剣舞祭。

 僕は10時に受付の前であり、闘技場の前に行く。

 ユリエーエの闘技場よりも数倍は大きい。

 それに造りが頑丈そうだな。


「あっ」

「ん?」


 僕に対してだと思い振り向くとそこにはヤードがいた。

 その可能性もあったか。


「昨日から剣を持っていないようだけどあなたも出るの?」

「もちろん。当たったら本気でいくから」

「そうじゃないとつまらないわ」


 あーー、楽しそうだ。

 このヤードって人は人間じゃなくて結構強くて、剣だけの勝負だと負ける可能性もあるのがワクワクするな。


「それでは、トーナメントを貼りますので、確認次第中にどうぞ」


 大きな大きなトーナメントが貼られる。

 僕は……1番なんだ。

 それじゃあ相手の名前は……ヤード、ね。


「これぞ御都合主義! はぁ」


 僕は闘技場の中に入って、席には行かず入る。

 多くの観客が来ていて、大きな大会だと実感する。


「まさか、初戦から当たれるなんて、昨日の借りは返させてもらうわよ」

「やーだね。僕は借りを受け取らないよ?」


『さーーて、始まりました。剣舞(けーーーんぶーーー)(さーーーーい)!』


 嫌な予感しかしない。


『初戦! 昨日のお祭りで屋台を出して大繁盛だったホーーーズキ・カーズーラー!』


 あーーーー、やっぱりだーーー!

 司会の人は僕になんの恨みがあるって言うんだよ、マジで。

 僕は申請で「ホオズキ」と出したのに。



『その対戦相手は優勝候補、ワンダーランドの串刺し(こう)でお馴染(なじ)みヤード!』


 おいおいおい、なぜヤードは普通の普通なんだよ。

 これっておかしくないか?

 酷すぎやしないか?


『司会はみんなのアイドル、チェリーでーす』


 お前かぁぁぁぁ!

 何が「みんなのアイドル」だよ。

 てか、これって暴走の時に似てるな。

 名前を盛大に間違えられて、敵と戦うって。


『それではーーー、始め!』


 空砲と共に始めの合図が言われ、戦いの火蓋が切って落とされた。


「黒鬼」

「6重連」


 レイピアによる猛攻を黒鬼で全て受け流す。

 一撃一撃がいい感じの場所に、嫌らしい場所にきて受けるのを苦労するが、6連を受けきった。


「まだ」


 その言葉と共にまだ猛攻は続く。

 首に、足に、腕に狙う場所はバラバラで脳がいっぱいあるのかと疑ってしまう。

 嫌らしいのは、左足の次は首、首の次は右足、からの左腕と、距離が遠くて早くて気持ち悪い。

 が、先にガタが来たのは僕でもヤードでもなく、6本のレイピアだった。


 ――――バギンッ


『おーーっと、ヤードのレイピアがぶっ壊れたーー。けど、ヤードはまだレイピアを帯刀している』


 問題はそこだ。

 武器がまだ後2回分はあるという事。

 だから、ここで仕留める。


「陽法 灰の太刀 朧月・柄打ち」


『し、勝者、ホーズキカーズーラー!』


 ヤードは気を失っている。

 まぁ、正直危なかった。

 怪我をしても大丈夫だけど、レイピアが刺さった状況だと回復出来なくなるからな。


「はっ! く、クソ。負けた、のか」


 いや、気を失ったんだよね?

 起きるの早いよ。


「さーて、シャルはいるかな?」


 見渡しても流石に遠くてわからない。

 わかるのは、会場までの位置が遠い関係上、多くは望遠鏡とか双眼鏡で見ている。

 なんか、とってもシュールだな。

 双眼鏡で大会を見るって。


「強かった。私の負け」

「ん? まぁ、ね。でもヤードも強いよね。特にレイピアの猛攻が厭らしかったよ」

「誉め言葉として受け取っておく。私に勝ったの。負けたら許さないから」

「了解」


 僕はそのまま観客席に移動する。



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