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宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
4章 遊戯者編
89/155

No.088 膿をとりノゾイテ

ブクマが更に増えた!

更新!



「あ、あなたは、あなたのなんで未来が見れないの!」


 そんな泣きそうな声が広場に響き、人の足を一瞬止める。


「どういう事?」

「なんで、昨日からあなたの未来が見れないの!」


 未来を見るって、言葉通りの意味だろうか?

 だとしたら、とんでも能力だ。


「なんでって言われても……」


 心当たりがありすぎる。

 まず、吸血鬼だから。

 宝玉で理から外れた存在だから。

 この子よりも強いから。

 うん、大丈夫。

 そういうこともある。


「もしかして、希望の神子?」

「シャルは知ってるの?」

「未来を見る力がある希望の光って言われてて、凄い人ってくらいしか知らないけど」


 未来を見る力、か。

 とりあえず、この子は安全な所に連れていくべきだな。

 見た感じ、首とか腕に痣が出来ているから、早く治してあげたい。


「とりあえず宿に移動しよう。ここは、雲よ」


 宝玉の力で雲を呼ぶ。

 もう、アレは言わないから。


 雲に乗って宿に帰る。

 この雲の良いところは、心が汚れていても乗れる事だな。


「さて、僕は鬼灯葛。君は?」

「わ、私はアイリス」

「アイリスはなんで軍に追われてるの?」

「私が破滅の神子だから」


 シャルとチルに「破滅の神子」がなにかをアイコンタクトで聞くと、チルは知らないと首を横に振り、シャルにはなぜか微笑まれたから通じてない。


「なんで破滅の神子なんて名前が?」

「この国はこのままだと破滅する」

「な、なんでまた」

「ユリエーエの二の舞になるから」

「……」


 ユリエーエの二の舞。

 僕の考えが正しければ、ユリエーエのように僕が暴走するって事だよね?

 今、考えれる僕が暴走するトリガーはシャルを殺された時、かな?


「そうだ。ちなみに、今の未来は?」

「曖昧。どうなるかわからない状態」

「そっか」


 これからの僕にかかってるって訳ね。

 責任重大だな、おい。


「そういえば、シャルたちの宿は?」

「どこもいっぱいでとれなかったの」


 少し嬉しそうに言っているのは、僕の気のせいだろうか。


「まぁ、部屋が2人用だから使っていいよ。チルも。ついでにアイリスもいていいからね。僕は、とりあえず外でも大丈夫だし」


 女の子を3人いる部屋とか、精神的にも性神的にも僕が持たない。

 それに、衛生上もよろしくないしね。


「カズラ、一緒でもいいんだよ?」

「えっと。何を言ってるのかな、シャルさんは」

「本気だよ?」

「……まぁ、みんなゆっくり使っていいから」


 僕は無理矢理話をそらしてこの場を後にする。



 さて、軍人が警備しているから服をコピーするのは簡単だな。

 錬金術で服を軍服に変えて、基地と呼ばれる軍の施設に侵入する。

 警備が甘いのか、人数が多いという理由からか軍服を着ていれば普通に侵入できた。

 こんなんで、国の重要機密とか大丈夫か心配になってくるよ。


「さーて、古代遺産置場はこっちか」


 入ってすぐに地図があり、古代遺産置場と書かれた場所があり、分かりやすい……分かりやすすぎる。

 まぁ、書かれてるんだから信じて言ってみようじゃないか。

 僕の顔は今、陰法のおかげで何処にでもいる冴えない男の子って感じだから大丈夫だろう。


 古代遺産置場に近づけば近づくほど人の数が減っていく。

 やっぱり、剣舞祭なんていうお祭りがやってるから警備をそっちに()かないといけないんだろうな。


「この服気持ち悪いよ?」

「我慢してください、ムウ」

「ヤードは似合ってるからいいけどさ」


 後ろから声が聞こえたから軽く見ると、僕が言えないけど、どう見ても子供な男の子と軍服が似合ってる女性。

 明らかに軍人じゃないよな、男の子の方は。

 ならヤードと呼ばれた軍服が似合う女性も仲間と考えるのが1番いいな。

 てか、変な結界が2人の周りに貼ってあるな。


 (「結界陰法 ) (結界破り」)

 結界がパリンッという軽快な音と共に破れる。


「ん?」

「どうしたの、ムウ」

「守り、破られた」

「守り?」

「そこの」


 後ろから殺気を感じだから横に避ける。

 それが功を奏してトランプを避けることに繋がった。


「いきなり襲うなんて。仲間、だよな?」

「ムウは守りの魔法をもう1度お願い」


 ヤードの方が前に出る。

 そして、腰にいくつものレイピアをつけた。

 そんなに使えるのか?という疑問しかない。


「戦うって言うの?」

「仕掛けてきたのはそっちのじゃないの?」

「結界が貼られてたんだ。そりゃ怪しむだろ?」

「……それもそうね」


 あれ?

 あっさりと認めちゃったな。

 さぁ、どう出る?

 てか、守りの魔法という結界が貼り直したようで子供も参戦するのか。


「WonderLand.五帝神(ごていこう)、串刺し候のヤード」

「WonderLand.五帝神(ごていこう)、不思議の魔導師のムウ」


 2人が名乗りを上げる。

 これってこっちも上げるべきだよね?

 なんかカッコいいの……思いつかない。


「私は吸血鬼の第二始祖、鬼灯葛です。以後、お見知りおきを」


 華麗な一礼で顔を上げた頃には攻撃を仕掛けられていた。

 ムウは何かを詠唱してて大きな魔法が来るだろう。

 ヤードは体から4本の手を生やして、6のレイピアが僕を串刺しにしようと襲いかかる。


「宝玉の力よ。怠惰に、反転」


 僕とヤードの場所を向きはそのまま入れ替える事によりレイピアをかわす。

 次は魔法、か。


「結界陰法 世界樹の箱庭」


 3人を包み込む結界を貼って、ムウは魔法を使えなくなる。

 と、言うのも「世界樹の箱庭」が魔力を吸うから使えなくなるだけという魔法使い殺しの結界だ。


「魔術 星天」

「チッ」


 ムウの指が光輝き、中空に星を描く。

 そこから無属性の光線が打ち出されるのを避けるが、避けた先にはヤードがレイピアを突き出してくる。


「色欲に、傲慢に、怠惰に、暴食に」


 重力で動きを鈍らせて、地面で足を止めて、世界樹で体を縛り、魔力や気力といった障害になりそうな力を吸いとる。


「あ、危ない。舐めすぎた」

「力が出ない」

「ま、魔力が吸われて」


 どうにか勝てたな。

 ここで殺さないのが僕の甘い所だと思うけど。


「えーっと、ムウ、だよね?」

「ムウに手を出すな」


 火事場の馬鹿力というヤツか、ヤードは持っていたレイピアを全て投げてきて、その全てが正確だったが、重力の前になす統べなく地面に突き刺さる。


「その、魔術? それを教えてくれない?」

「……お兄さんは使えなくても強いじゃん」

「えー、いいじゃん。例えば、今君が断ったら」


 チラッとヤードを見る。

 そして少しだけ世界樹の締め付けを強めると「グァ」と苦痛を声に出す。


「ね?」


 魔術は興味深い。

 魔法と違い魔力を使わないでいいみたいだし、それこそ陰法に似ている所がある。


「……トランプ」

「トランプ?」

「の兵隊!」


 急に「不思議の国のアリス」に出てくるようなトランプの兵隊が現れて世界樹を斬ろうとしたが、


「意味無いね。燃えろ」


 血を媒体にしてトランプの兵隊を燃やす。

 元が紙という事もあり簡単に燃えて崩れ去る。


「もういいや。道徳的にやらなかったけど、錬金術 世界を渡る鍵」


 鍵を作るためにヤードに手を当てる。



おい、葛! 人殺した事あるんだから道徳的とか関係ないだろ!

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