表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
3章 独裁者編
64/155

No.063 歯車のカタチ

ブクマが増えたので更新!




『和紗って誰?』


 その瞬間、僕は目の前が真っ暗になる感覚に陥る。


 和紗は忘れられた。

 僕が暴走したせいで。

 僕が未熟だったせいで。

 僕が情けなかったせいで。

 僕が助けられなかったせいで。


 僕が―――


『鬼灯くん。鬼灯くん。鬼灯くん!』

「ご、ごめん」


 僕はスマホの電源を落として、


「黒夜叉」


 スマホを真っ二つに斬る。

 それと同時に黒夜叉に限界が訪れたのか罅から亀裂が広がっていき砕け散った。


「家族を失った」


「大事な人を失った」


「強い武器を失った」


 失った物が、者が多すぎる。

 決して元には戻らない。

 お母さんも、お父さんも、一応の(とおる)も。

 透はなんだかんだ僕の事を嫌ってた節があるからな。

 まぁ、それでも家族だ、家族を奪われた。。

 なら、

 

北星(ほくせい)(なぎさ)。君の命を奪ってやる!」



 ※



 僕は宮野たちがいる所に移動する。

 そこはこのユリエーエにやって来て船を停めた所で、ここからどうやって移動するか。


「みんな、これからどこで暮らす? 石上やエリーは、ペトラは帰る場所があるから送るよ。義宗はハワイに親がいるからそこでいいよね?」


 文鷹と宮野は僕についてくるらしい。

 特にどこか行きたい所が無いから、と。


「最初はドワーフの国、エクスターチに行こうと思う。僕の武器が壊れちゃったからドワーフに造ってもらいたいから」


 みんなは特に異論は無く賛成してくれた。

 さて、船がないこの状態でどうやってエクスターチまで行こうか。


「誰か船持ってない? って聞いても持ってないよね」

「俺は持ってないよ」

「私も」


 もちろん全員持っていなかった。

 こんな事なら乗ってきた船を売らなければよかったな。


「そうだ!」

「どうした、宮野?」

「鬼灯くんは知ってるかわからないけど暴走したドワーフたちが攻めてきたのね」

「あぁ、知ってるよ。磔にされてたから」

「そ、そう。そのドワーフたちが乗ってた船がこの海に沈んでいるはずだよ」

「な、なるほど」


 それを使うのはいい案だけど問題は動くかどうかだな。

 それと燃料があるかどうか。

 いや、いざとなったら色欲でどうにかなるか。


「ほ、鬼灯くんは、何でな、悩んでる、の?」

「いや、操縦出来るかな? って」

「そ、それなら、わ、私が出来ると、思うよ」

「本当か、石上! なら早速船を引き上げてくるからみんなはここで待っててくれ」


 よかった、これで色々な問題が解決して、次に進む事が出来る。


 (「混沌陰法 ) (水中呼吸」)

 海の中へと足を踏み入れていく。



 海の中は下に行けば行くほど光は届かなくなり暗く暗くなっていく。

 これじゃあ何処にあるかわかんないからもう少し聞いてくればよかったな。


「混沌陰法 水紋」


 海の中を波紋が伝わっていき地形を把握する。

 すると、


「デカすぎないかな?」


 船の反応がちゃんとあった。

 それも漁船のような大きさじゃなく、豪華客船並の大きさだ。

 いや、それ以上だろう。


「宝玉の力よ」


 豪華客船並の船の重力を弱めて水の浮力で浮かんでいく。

 少しずつ、少しずつ海水を揺らしながら上へ上へと動いていく。


 約1時間かかり海の上へと出ることが出来た。

 疲れなのか、上手く力が使えなくてこんなにかかってしまった。


「お待たせ。先に石上だけ」

「う、うん」


 石上をお姫さま抱っこの形で持ち上げ船の上に移動する。


「石上、みんなを乗せる為の梯子(はしご)の場所わかる?」

「うん。ちょっと、待って」


 てきぱきと動いて梯子を皆の所に落とす。

 次に操縦席に移動して損傷がないか、燃料が足りるかなどを確認してから船のエンジンを起動する。


 ――――ザァァァァァッ


 と、水の落ちる音と共に少しの揺れを感じる。

 これってまさか、


「浮いてる?」

「う、うん。浮いてる、よ」


 ま、マジか。

 船って言ったから普通の船だと思ったらまさかの飛行船だったとは。

 しかも船の形の。


「流石はドワーフの技術力だな」


 僕は呆れたような笑みを浮かべて腰をおろす。


 少しすると皆が登ってきて集合する。


「この船凄いな! しかも色々な施設が詰まってるし」


 義宗は関心していて、色々な所を見ている。

 他の皆も興味深そうに色々見て回っている、もちろん僕もだ。


「ここは治療室か」


 そこには輸血パックもあり、


「ジュルリ」


 お腹が空いてしまって辛かったんだ。

 適当に選んでチュウチュウと栄養ゼリーみたいに吸い上げる。

 どれもこれも新鮮で、ここでもドワーフたちの技術力が見え隠れしている。


「鬼灯、くん?」

「しまっ……(た)」


 見られてしまった。

 これは完全にアウトだ。

 いや、アウト以上だろうな。


「ご、ごめん。覗くつもりはなかったんだけど」

「い、いいよ。宮野」

「その、鬼灯くんはお腹が空いてるの?」

「どうして?」

「だ、だって鬼灯くんって吸血鬼なんでしょ?」

「グッ。なんでわかったか聞いても?」


 血を吸ってるだけならまだ頭のおかしな人、という可能性があるんだ。

 なのに吸血鬼と言い当てたのは何か理由があるはずだ。


「謁見の間に行ったでしょ?」

「……」

「その時に敵が鬼灯くんに対して吸血鬼って言ってたから」

「あーーー。その時か、そっか。他の誰かには?」

「誰にも言ってないし、言うつもりもないよ」

「それはありがと。でも宮野は怖がらないんだね?」

「う、うん。鬼灯くんは鬼灯くんだから」


 僕は僕か、どういう意味だ?

 まぁ、いっか。


「お願いだらか誰にも言わないでね?」

「別に驚かれたりはするだろうけど避けられたりはしないと思うよ?」

「その心は?」

「だってドワーフとかエルフとかよくわかんない天神族とかいるんだから吸血鬼がいてもおかしくないじゃん」

「まぁそれもそうだね」


 そんな考え方があったか。


「それで鬼灯くん。お腹空いてるの?」

「うん。宝玉の力を使ったからちょっとね」


 そして僕は辺りを見渡して、


「うん、ちょっとじゃないな」


 散らかっている空の輸血パックたち。

 これではちょっとじゃない。


「な、なら私の吸う?」

「えっと、いいかな」


 流石にそれは避けたい所だ。

 だって終わってから色んな意味で言い訳出来なくなる。


「こ、これでも?」


 宮野は近くにあったメスで軽く指を切り血を出す。


「回復陰法 血界輪(けっかいりん)


 一定時間の回復技を宮野にかける。

 それにより切った手の傷は一瞬にして治る。


「そ、そんなに嫌なの?」


 逆になんで僕にそんなに吸われたいの?

 それが謎過ぎて怖いよ。


「嫌って訳じゃないけど……」

「じゃあなんで?」

「宮野、おかしいよ。どうしたの、急に?」

「え、えっと///」


 もしかしなくても色欲のせいだよな。

 失敗したな、あの時使わなければよかったな。

 って思っても遅いしなぁ。


「なんかごめん」

「べ、別にいいよ。宮野は何も悪くないし」

 

 僕が色欲を使わなければよかったんだ。

 ダメだ、今優しくされると寄りかかっちゃいそうになるから止めてほしい。


「宮野はさ」


 やめろ、それは言うな。

 言っちゃダメだ。


「吸血鬼になりたいって思う?」


 巻き込む事になるからやめろ。

 頼む、興味ないって言ってくれ。

 拒絶してくれ。


「興味はあるかな、少し」



ブクマしてくれた方、マジありがとうございます!


ブクマ、pt、感想ぜひぜひくださいまし!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ