No.043 不明なカンケイ
この前このくらいの時間に更新したら結構な人が見てくれたから……
タクシーに乗り40分ほどかけて新座近辺に到着した。
ここから探すと言ってもどうやって探せばいいか一切考えてなかった。
いや、こういう時のSNSだ。
大抵調べれば……あった。
動画や画像がいくつか上がってるが流石に犯人の姿が映ってるのは一切ない。
けどおかげで事件が起きた場所を特定することが出来た。
そこに行くとマスコミや野次馬でごった返していた。
さて、ここら辺に吸血鬼の反応は……3つほどあるな。
1人目、気の弱そうな人なのに髪を茶色に染めている。
「始めまして、僕は第二始祖の鬼灯葛です」
「は、始めまして。わ、私はただのルビー・マルクスです」
「この辺で吸血鬼愉快犯の犯人を探してるんだけど」
「わ、私は知らないです」
「おっけー、ありがと」
2人目、普通に会社帰りな感じの40代くらい。
「始めまして、僕は第二始祖の鬼灯葛です」
「始めまして。私は第五始祖、アル・チェンです。第二始祖さまがなにかご用でしょうか?」
「この辺で吸血鬼愉快犯を探してるんだけど」
「私は特に知りません、申し訳ない」
「ううん。ありがと」
3人目、いかにも怪しいグラサンにマスク。
「始めまして、僕は第二始祖の鬼灯葛です」
「ッ」
その3人目はまず僕の名前を聞いて驚いた。
次に和紗を見てから驚いて、
「ぼ、僕は第三始祖のシリウス・ルマンドです」
「ほぅ、第三始祖。親は誰?」
少し威圧して聞いてみる。
小さな声でボソボソなにか言っていてうまく聞き取れなかった。
辺りは霧に覆われ姿も気配も見失ってしまった。
でも犯人はわかった、と思う。
吸血鬼でそれも第三始祖。
早めに狩らないと大変な事になりかねない。
「和紗、先に帰ってていいよ」
「ううん。一緒に探すよ」
「じゃあ手分けして、何かあったら助けを呼んでね」
「うん」
和紗は北西方向に、僕は北東方向に向かって探していく。
さっき会った時に大体感じを覚えたから近づけばわかるだろう。
それから1時間、家の屋根から屋根へ走って探したが結局見つからなかった。
和紗も見つけられなかったようで、今日は休むことにした。
※
あれから1週間、シリウスは警戒しているのか1日1回あった殺人が鳴りを潜めている。
そのせいで一切の足取りが掴めずここから見つけるのは至難の業だ。
「葛くん、そろそろ富士山ダンジョンに行く?」
「でもパーティーメンバー決めないとだよ」
「後3人か、A組のみんなは個々でパーティー作ってるみたいだし誘えないよね」
なんかいい方法はないだろうか。
信頼できて、それでいて強い仲間。
「葛くんが眷属を作るのは?」
「それって第三始祖を?」
「違う違う。第四始祖になるように眷属を作れば反逆されても弱くて安心だよ」
「なるほど、じゃあその眷属にする子を探さないと」
とは言ったものの国の法律で奴隷は禁止されてるから選べない。
また、信頼できる人、と言われても僕は小中と目立たないように生きてきたからそんな信頼できる友達がいない。
人拐いとかはもっての他だ。
家出した子を拾うとかもアウトだし。
「いっそのことお人形にする?」
「お人形? それを操るってこと?」
「そう。お人形だったら無口な人って設定にもできるし、なにかと楽じゃない?」
「でもダンジョンカードは?」
「それはほら、ローザスさんにお願いすれば」
「なるほど」
僕たちは人目のつかない所からドリーさんの所に移動する。
和紗が少しだけソワソワしているが気付いてない事にしとこう。
「お邪魔しまーす」
「お、お邪魔します」
事の事情を、ダンジョンに潜る定員の説明をしてお願いしてみる。
「鬼灯、眷属を連れのはいかがでしょうか。執事やメイドとしても使えますゆえ」
「一応考えたけど法律的に大丈夫な人がいなくて」
「でしたら私が紹介いたしましょうか?」
「本当に!」
これはいい。
これで安心してダンジョン攻略することが出来る。
「では腕の立つ3人を紹介しましょう。少しお待ちを」
コアルさんは3回ほど電話をかけてから戻ってきた。
腕の立つってどんな人だろう?
元々吸血鬼の可能性もあるのか。
まず最初に来たのは男の子だった。
色白の可愛い感じの、それでいてかっこいい、僕が霞むような男の子。
「始めまして、私は第七始祖のセバスチャン・クロードです」
「えっ」
本当にセバスチャンという名前の執事がいるのか。
しかもこんな可愛いなりで。
「えっと、第二始祖の鬼灯葛です。よろしく」
つい見た目が見た目のせいで年下に接する態度をとってしまった。
「これでも700歳を越えてますので」
「あっ、ごめんなさい。そうですよね」
「それと、鬼灯さまは私よりも上なので畏まらなくて結構です」
「わかった。セバスチャン、僕の眷属になってくれない?」
「わかりました。私は鬼灯さまに忠誠を誓いましょう」
その後、眷属陰法を使いセバスは第七始祖から第四始祖まで上がった。
セバスの基本的な武器は暗器で、昔はそれなりに有名な執事をやっていたそうだ。
だから古い吸血鬼にはセバスの事を知っている人がいるかも、らしい。
次に来た人、吸血鬼は面白かった。
「コアルさま!!」
開口一番にそう言った。
見た目は20歳にいってないくらいの女性で普通に美人、和紗の方が可愛いけど。
そして次の瞬間には物凄い勢いでコアルさんに飛びついてたが、頭を押さえられ抱きつく事は叶わなかった。
「それで、私はこの方にご奉仕すればよろしくって?」
「始めまして、第二始祖の鬼灯葛です」
第二始祖、の部分に反応して急に飛び付いてきた。
が、和紗により止められ円刀で拘束された。
「面白い武器を使うのね。あなたは鬼灯さまのパートナーかしら?」
「そ、そんな結婚だなんて。それにいい奥さんとか言いすぎ///」
どうやら和紗は疲れているらしい。
「申し遅れました。私は第十始祖の鳳凰院鈴華です」
「えっと、僕の眷属になってくれるでいいのかな?」
「はい、もちろんです。ちなみになんですがどのくらいの階級でしょうか?」
「四」
「あ、ありがとうございます」
こうして鳳凰院鈴華さんを第四始祖にした。
それにしても鳳凰院って珍しい苗字だな。
鈴華さんの武器はレイピアで、これまた昔は有名な戦闘狂だったらしいけどコアルさんにボコボコにされてコアルの手下になろうとしてたがなれなかったらしい。
年齢は約400歳、吸血鬼はみんな長寿だ。
てか、ドリーさんって2000とか言ってたような。
うん、ドリーさんがこっちを睨んでくるからこれ以上考えるのは止めておこう。
次に来たのは本当に人間だった。
身なりは普通で冴えない男性って感じ。
色々話を聞いてみると、仕事をクビになりたまたま行ったバーでコアルさんと出会い、そこで酔っていて、ネタで「お前吸血鬼だな」と言ったらしい。
そのまま話はトントン拍子で進んでいき、なら吸血鬼にしてくれと懇願するも中々させてもらえないということ。
「なので私を吸血鬼にしてください。お願いします。この通り」
「わかった、わかったから頭をあげてください。龍ヶ崎さん」
龍ヶ崎斗駕さん、30歳。
大手起業をクビになり吸血鬼として生きていく事に。
武器は何がいいか聞くと「銃器でお願いします」との事なのでローザスさんに作ってもらった。
こんな感じでパーティーメンバーをゲットした。
感想、ブクマ、ptぜひぜひくださいまし!
とくにブクマが欲しいんだ!щ(゜▽゜щ)




