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宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
1章 略奪者編
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No.017 答えとキモチ



 さて、仲間になってくれそうなのは。

 と、周りを見てみるとA組の皆はB組からスカウトしている。

 A組でペアを作っているのは僕たちだけか。


「和紗、B組の誰をスカウトする。僕は知り合いがいないんだよね」

「ごめん、葛くん。私も知り合いいないよ」


 どうするべきか。

 和紗に知らない男子を近づけたくない。

 けど女の子を誘うのはなんか違う。

 いや、オカマならいいって訳じゃないよ。


「ココネ先生、僕たち2人じゃダメですか?」

「はぁ? ちょっとなに言ってるかわかんない」

「ココネ先生、私たち2人じゃダメですか?」

「ダメね。認められないは」

「どうしてもダメですか」

「えぇ、ダメね」


 ならココネ先生を落とす方法を探さないと。

 1つだけ、ココネ先生に許されて落とさない方法がある。


「ならB組のカップルと組めばいいんだよ」

「それだよ」


 と、言うことで探してみると一組だけ見つかったのが幸だった。

 他のA組の子たちはハーレム、逆ハーレムを作ったり、百合百合していたり、バランスがとれていたりと様々なパーティーだ。


「僕はA組9番の鬼灯(ほおずき)(かずら)

「私はA組10番の八乙女(やおとめ)和紗(かずさ)

「俺はB組12番の斎藤(さいとう)竜介(りゅうすけ)

「私はB組10番のローヌ・サザン」


 この4人でダンジョンに挑む事になった。

 ココネ先生から許可が出て、ダンジョンに入る。

 このダンジョンの説明としてはレベルDでとにかく広い。

 まだ突破はされていなくて何階層まであるのか不明。

 到達点は495階層で、迷路ばかりの敵はなかなか出ない。

 間違った道には煽り看板があり、とにかくイライラするダンジョンって感じだ。


「どの階層からいく? いきなり495階層まで行っちゃう?」

「敵が出てきても大丈夫でしょ、葛くん」

「うん」

「じゃあ守ってね」


「むぅぅ。竜介、私の事を守ってよね」

「おい、俺の方が順位下なんだけど?」

守ってね(・・・・)

「はい、守ります」


 あっちもおんなじような事をしている。

 と言うより和紗にローヌが対抗しているって感じの方が強い。


「じゃあ495階層まで」


 ダンジョンテレポートと呼ばれる好きな階層に行ける魔法陣があると思ったら無かった。


「なになに。このダンジョンは戻るのはテレポートで戻れるが、行くなら突き進んでいくしかない。だって」

「じゃあ495階層まで頑張って行こっか」


 そうしてとぼとぼと迷路を進んでいく。

 迷路は1週間に1回自動リセットされるというから厄介極まりない。

 運よく抜け道を見つけられたおかげで、1時間もしない内に400階まで来ることが出来た。


 毎回毎回階層を上がると安全地帯と呼ばれる少し広い場所に出る。

 そこでは飲食店があり、ダン高の生徒は無償で食事や休憩、治療が出来るようになっている。

 また、そこなら電波が届くのでココネ先生に今早い子だと何階層まで行っているか聞くと100階層と帰ってきた。

 そして、「まだ1階層をウロウロしてるの?」と聞かれた。

 なんと、階層を移動するごとに連絡をしなくてはいけなかったらしい。

 結果として怒られなかったからよかったと言えよう。


「ならこのまま495層まで頑張ろう」

「「「おーー」」」


 そうして、たまに隠された道を見つけては近道をして、とうとう495層までやってこれた。

 なんでそんなに抜け道を見つけられたかって?

 それは本当に運がよかっただけだ。

 誰かが蹴った小石が壁をすり抜けて気がついた時もあれば、和紗が疲れて寄りかかったら壁が忍者屋敷みたいに回転したり様々だ。



 ※



 ~~495階層~~


 流石にここからはマッピングが必要だろうと思い、頭に直接メモをしていく(覚える)。

 少ししていくと大きな扉が現れた。


「ボス部屋だね。ここを通れば496階層だよ」


 ボス部屋の扉を開けて中に入る。

 中にいるのは赤いミノタウロスと青いミノタウロス。

 有名なボスの形だ。

 片方ずつしか動かず、それでいて片方は物理完全耐性でもう片方が魔法完全耐性というおかしな能力持ちだ。


「誰がやる?」

「葛くんが私の事を守ってくれるんだよね?」

「はい、僕がやります」


「竜介も頑張って」

「俺も? 葛が出てるから大丈夫でしょ。それより足手纏いになっちゃうでしょ」


「竜介は見てて。A組の9番の力見せてあげる」

「9番だから下の方だけどな」

「言ってろ。黒夜叉。陽法 黒の太刀 断絶」


 物理耐性がどっちか忘れたから手前の青い方から首を落とす。

 そのまま、


「もういっちょ」


 赤い方の首も斬り落とす。


「A組って化け物なのか? 普通に赤い方って物理完全耐性のはずじゃん」

「竜介、あなたには無理よ」

「わかってるわ、やかましぃ」


 たまにこの2人はコントをしてくれるから見ていて楽しいし、和やかにここまでこれた。


「「コントちゃうから」」


 綺麗に心の中を読んだツッコミ。

 じゃなくて、


「魔石片方いる? ここのパーティーに入ってくれたお礼に」

「いいのか?」

「うん。次の階層からはあげるつもりないから」

「なるほどな。安く済むと」

「正解」

「でもいいや。持てないから」

「……わかった」


 言われてみればミノタウロスから落ちた魔石は直径10cmで重さが2~3kgぐらいだから持つのは苦労するな。

 僕は魔法収納袋に2つの魔石を容れてから立ち上がる。

 よし、次に行こう。



 ~~496階層~~


 まず最初に言える事。


「最悪だ。竜介、君は彼女を守ってね。それでここの目標は敵の殲滅」

「りょ、了解」

「落ちた魔石は使っていいから」

「ありがとう」


「さて、和紗。やろっか」

「守ってね」

「あっ、はい。黒夜叉」


 ここの階層はモンスターハウスだった。

 広大なフィールド全体に魔物が溢れかえっているが、どれもレベルの低い魔物なので問題ないだろう。


「陽法 (むらさき)の太刀 冥灰導(めいかいどう)


 紫色に輝く刀で空間その物を削りとり、一気に敵を葬っていく。

 流石に魔石が勿体無いが死ぬよりはましだ……うん、死なないな。

 一体一体丁寧に一撃で仕留めていく。



 1時間かそこらで、最後の1匹となった。

 竜介は疲れて動かなくなってしまっている。


「陽法 翠の太刀 飛雲」


 斬撃でスライムを仕留める。

 うん、こんな技を使う必要はなかったな。


「竜介終わったね。お疲れさま」


 そうしてローヌは竜介の頬にキスをした。

 それを見た和紗はもちろん対抗心を燃やして、


「お、お疲れ、葛くん。はい、いつもみたいにしていいよ」


 首を傾げて手を広げている。


「いや、和紗。いつもみたいにっていつもしてないよ?」

「ならいいよ?」

「いや、対抗心燃やしてるのはわかったから。魔石集めて次の階層に行くよ」



 ~~497階層~~


 マッピングをして1時間。

 やっとの思いで次の階層へのボス部屋を見つけた。

 が、なんの嫌がらせか1人で入らないといけないようだ。


「じゃあ僕が行ってくるから」

「行ってらっしゃい」

「頼んだ」

「頑張って」


 僕は1人でボス部屋へと入る。

 この感覚、入試の最下層でも1人だったな。


「来たようだな」

「僕がいるんだ」

「そう、僕がいる」

「ドッペルゲンガーってやつ?」

「違うよ。僕は君だ」


 うん、5割ドッペルゲンガーで、もう5割が相手の姿を真似できる魔物だろう。



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