No.137 規則タダシク
ファッ! ブクマが増えてる!
使命感(なんの?)で更新しないと……という事で本日2話目です!
吸血鬼という汚れた血がエレメー教授はどうしても受け入れてくれない。
サリエルはまだ馴染んでないのか気を失ってるな。
「なら縛るか。無理にでも生きてもらおう。吸血鬼を馬鹿にした罰だ」
「わ、私に何をさせる気だ!」
「安心して。奴隷陰法 束縛の呪咀」
黒い文字とも読めない文字がエレメー教授の体に纏わり付いていく。
ルールは簡単で、自殺や人に殺させる事の指示が許されない。
自殺しようとしても苦痛だけが襲うという何とも酷い陰法だ。
「さぁ、好きに行っていいよ」
「死なせてもらおう!」
あっ、エレメー教授には説明はしてないから自殺しようとしちゃった。
「がぁぁぁあ、な、なぜ死ねない」
「それはね――――」
きちんと説明してあげる。
もちろんエレメー教授は絶望してくれた。
「さぁ、早くどっか行ってよ。サリエルもやるんだから」
「や、止めろ! それは生徒だぞ」
「……」
「な、何か言ったらどうだ!」
「いや、たまには先生をするんだなーってね」
生徒を守ろうとしたのは評価に値する。
だったら、
「わかった。エレメー教授のその心意気を見込んでサリエルの吸血鬼化は解いてやる」
とは言ってもただ解くだけじゃ面白くも何ともない。
ここは、吸血鬼サービスを堪能してもらわないと。
「まぁ、エレメー教授はこれでも読んで陰法の勉強でもしてください。武器が欲しければ作ってあげますよ?」
「ほ、本当か?」
「お金は取りますが」
エレメー教授は吸血鬼を楽しんで「汚れた血」発言を撤回してくれるといいな。
※
「ここは?」
サリエルがやっと目を覚ましてくれた。
もう太陽も沈んで夜になっちゃったと言うのにね。
「吸血鬼になった気分はどうかな?」
「鬼灯……本当に汚れた血だったんだね」
「今は君も仲間だけどね?」
「俺は違う! 人間だ、断固として人間なんだ!」
「体が軽くなったというのに?」
普通にエレメー教授の比ではないほど、体は軽いと思う。
皆がいなくなってから血を増やしたからサリエルは第三始祖になってる。
「あぁ、体は軽くなった。だが、これは俺の力だ!」
「いや、僕があげた力だからね? そこんとこ勘違いしないでよ」
「これなら鬼灯にも勝てる――――」
「――――待て」
(;-ω-)ノ
「僕はエレメー教授に君にかけた吸血鬼化を解けと言われてるんだ。だから起きるまで待ってたんだよ」
「止めろ! これは俺の力だから鬼灯にとやかく言われる筋合いはない!」
吸血鬼の力をとても気に入ってくれてるみたいでよかった。
これなら面白い事をしてくれるかな?
「眷属陰法」
「や、止めろ!」
サリエルは僕を止めようと攻撃してくるが、距離をとることで対処する。
「血禁離」
サリエルを侵食した血は1滴となって僕の中に戻っていく。
流石に耐えられなかったのかサリエルは気絶してしまった。
サリエルを浮かせてホテルまで戻る。
「お帰りなさい」
「……う、うん」
えっと、気持ち悪い。
エレメー教授はウキウキした様子だけど、汚れた血になったのを忘れたのかな?
「サリエルは吸血鬼化を解いてくれましたか?」
「もちろんですよ。僕やシャルが吸血鬼というのはわかりますよね?」
「はい。私よりも上というのはわかります。その、汚れた血と言って申し訳なかった!」
おぉ、こんなに早く折れてくれるなんて、つまらないな。
「それを聞けて満足です」
まぁ、この後色々と面倒になるだろうけどね。
「そうだ、エレメー教授」
「何ですか?」
「今後の働きによっては階級をあげるから」
何となくだけど、ちゃんと手綱を握ってたら言うことを聞いてくれそうな気がする。
試しに餌を吊るしておくとしよう。
「後、サリエルをお願いします」
「わかりました。部屋でゆっくりと休ませます」
ルンルンと足は軽く行ってしまった。
「そんなに吸血鬼がよかったのか?」
簡単すぎて怖いな。
まぁ、僕には勝てないだろうから問題ないか。
いや、慢心は良くないな。
一応は警戒を怠らないようにしよう。
「カーズラ?」
「うわぁ、シャルか。どうしたの?」
「ううん、見かけたから声かけただけだよ。終わったの?」
「うん。吸血鬼の力を少し堪能させてから人間に戻したよ」
「意地悪だね。吸血鬼の力に魅せられてると思うよ?」
「僕もそう思ってる」
だって自分の力だと過信していたからね。
それに、サリエルの性格上相当魅せられてると思う。
「そうだ、カズラ。A組の皆が凄いんだよ」
「何が?」
「いいから行こ!」
シャルに連れられて来たのは誰かの部屋で、
「なんで?」
皆でトランプを持って歪みあっている。
真ん中にはいくつかのカードが出されている事から「ババ抜き」だろうか?
「これだ!」
義宗は勢いよくドーラからカードを引き抜くが、
「あぁぁぁぁ」
「ありがと、義宗くん」
今の僕はおかしな物を見ているのだろうか?
ドーラは悲しいほどポーカーフェイスが出来てなかった。
それを義宗はわからないほど落ちぶれてないはずなのに、ジョーカーを引いてあげる優しさ。
あっ、エリーにジョーカーが移った。
ってことは、
「……チッ」
「あ、ありがと、文鷹!」
エリーも思いっきり顔に出ていて、渋々といった形文鷹もジョーカーを取ってあげてる。
そして……繰り返し、と。
「私とペトラちゃんは先に終わったんだけどね」
「さっきから4人で繰り返しな訳だ」
「そういう事」
これは大変だな。
てか、よく高確率でエリーとドーラはジョーカーを引けるな。
運がどんだけ良いのか悪いのか。
「で、ペトラは?」
「これが始まった途端逃げるようにして自室に戻っていったよ?」
なるほど、ある意味これは辛いな。
なら、
「ムウの姿も見えないけど」
「あー……南条さんに呼ばれて行ったよ」
「そっか」
まだ何か企んでいるのかな?
まぁ、別にいいけどね、シャルにさえ被害が来なければ。
「これだ! あぁぁぁぁ」
「よ、よかったぁ」
まだ続いてるんだ。
終わる気はしないな。
「じゃあ、僕たちはご飯でも食べに行こ」
「うん! 4人はほっといても?」
「大丈夫でしょ」
僕はシャルと一緒にレストランに行く。
夜ご飯の時間としては少し早いということもあり、生徒の数は少ない。
「でもカズラはお腹でも空いたの?」
「何となく食べたくなっただけだけどね」
お腹が空くという感覚は「暴食の宝玉」を使えば感じることがあるけど、それは血が欲しくなるから何か違う。
こう、お腹が空いたという感覚が懐かしく思うな。
「カズラ、カズラ。あれ!」
「うん、でっかいな」
僕の顔くらいあるステーキだ。
最初の内は美味しいだろうけど、飽きてくるだろうしな。
「……」
「シャルは食べたいの?」
「えっと、うん。美味しそうだけど、こんなにいっぱいは食べれないから」
「なら」
僕はスマホを操作してトランプで遊んでる4人と、いじけているであろうペトラと、書いてる人の推しであろうムウを呼ぶ。
ついでにA組ということで南条にも声はかけておく。
「皆で食べればいいでしょ?」
「うん」
シャルと席をとって皆が来るのを待つ。
さっき更新したばっか……
感想、ブクマ、ptぜひぜひくださいまし!