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宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
6章 免罪者編
137/155

No.136 破るためのキソク

更新!



 エレメーは僕が吸血鬼だと信じていないな。

 せめて、簡単に証明出来る方法があればいいのに。


「なら魔法教授らしく魔法で勝負しよ」

「や、やるわけ無いだろ」

「なんで? 魔法教授がイチ学生に勝負を挑まれて受けないなんて、そんな噂が流れたら大変じゃないの?」

「ま、負けるとわかっていて受ける馬鹿はいない」

「ならどっち道、僕の事を、吸血鬼を愚弄したんだから命で償ってね?」

「ま、待て」

「どうしたの?」


 戦えばチャンスだけはあるからね。

 勝てるかは別として。


「やる気になった?」

「あ、あぁ」

「なら賭ける物はお互いの命」

「そんなの聞いてない!」

「だって言ってないもん。それに」


 僕はムウを指さす。

 ムウはスマホで録画中……生配信中だ。

 なんでムウがこんな行動をとったか不思議だろう。

 でも、普通に考えてくれ、ムウは鬼であって人ではない。

 ムウも「下等で卑劣な種族」に当てはまるんだ。


「ムウ、なんだって?」

「魔法教授が逃げるなんてガッカリだとか、アメリカの力を思い知らせてやれとか」

「だそうです。今止めに行こう物なら後で抗議が殺到するだろうね」


 エレメーに小声で耳打ちする。


「ハンデはどうしますか? 特別に決めていいですよ」

「どんなのでもいいのか?」

「はい。どんなのでも……でも動くなは無しですよ?」

「な、なら魔法を使うな」

「決まり。後は相手の命が尽きるか、負けを認めさせるか。あっ、負けを認めても命を取るか取らないかは自由ですから。シャル、スタートの合図をお願い」


 さて、魔法は使うなというハンデがあるけど、基本僕は陰法か宝玉だからな。

 関係ないと言うか、ハンデになってないけどいいよね?


「カズラ、頑張ってね。始め!」


 シャルが応援をくれたから頑張っちゃうぞ!


「宝玉の力よ」

「魔法は使うなと――――」

「――――魔法じゃありませーーん。色欲に魅せられ」

「グァッ」


 重力で地面にひれ伏させる。


「お似合いだよ、人間」

「死、ね!」


 特大の炎の魔法が出来上がって僕を焼ききらんばかりに近づいてくる。


消えろ(・・・)


 大胆に理を変えて、ここに炎は無い事とした。

 お腹が空くけど魅せる戦いならこれが1番と言えるだろう。


「早く立たないんですか? そんなに地面が気に入ったならどうぞ!」


 落とし穴を作って無理矢理落とす。

 深さは死にはしない程度に、それでいて骨が折れてくれるくらいに。


「上がれ」


 地面を元に戻してみると、足は変な方向にへし折れていた。

 あれは痛いそうだな。


「下等で卑劣な種族って撤回して?」

「ふ、ふざけるな」


 弱々しくも反抗の意思は途切れさせてない。

 て言うか、そんなに他種族がそんなに嫌いなのか。

 逆に何をされたのか気になるよ。


「ちなみに言うとね、僕のクラスで人間なのって義宗と文鷹とチルと南条だけだよ?」

「う、嘘をつくな。お前は見た目からして人間だろ! それにあの子供も」


 ムウのことね。


「あの審判も」

「は?」


 シャルの事を指さしたから人差し指は切り落とさせてもらった。


「か、回復魔法」

「乱れろ」

「か、回復魔法……回復魔法…………回復魔法」


 魔法が上手く使えずに血が流れ続ける。


「さて、撤回してくれる気に――――」

「――――何をしている!」


 わぉ!

 もう戻ってきたのか。


「なに? こっちは侮辱されたからそれを取り消してもらうだけだよ?」

「やり方がおかしいと言っているんだ!」

「どこが?」


 一方的に命を狩り取らずに「戦い」という形をとってるだけでも褒めてほしいよ。


「さ、サリエル、助けてくれ」

「エレメー教授、さっきは言い過ぎました。回復魔法」


 流石に指を治せはしなかったが、止血は出来たようだ。


「サリエル、協力してこの勘違いを直してあげよう」

「勘違い、ですか?」

「そうだ。自分の事を汚れた血と言って他の汚れた血を庇っているんだ」


 そう来るか。

 別に何人増えても僕に被害はないはずだけど……そうだ。


「ムウ、もういいよ。ムウも本気でいこ」

「人間なのに巻き込むな! 汚れた血を庇う必要なんて何処にも無いんだぞ!」

「サリエル、僕は吸血鬼でムウは鬼だからね」


 吸血鬼っぽいこと、吸血鬼っぽいこと、吸血鬼っぽいこと……


「嘘をつくな!」

「まて、僕の証明は難しいけど、ムウは分かりやすいから。ほら」


 ムウは額から角が2本生えている。


「な、人間じゃ、ない!」

「け、汚れた血め」


 そうだ!

 そんなに嫌なら同じ「汚れた血」にしてあげよう。


「眷属陰法 血統(けっとう)血鬼(けっき)


 血をサリエルとエレメー教授に1滴ずつ垂らす。

 と、言っても感じないくらい少量だけどね。

 じゃないと普通に始祖になっちゃうから。

 始祖にはさせる気は更々(さらさら)無い。


「体が熱いっ」

「がぁぁぁあ! 力が溢れてくる」


 そうでしょ?

 凄いでしょ?

 僕は吸血鬼になる時寝てたからね。

 気がついたら後の祭りだったよ……。


「そんなに簡単に吸血鬼って作れるんだ?」

「興味があるって言ってもしないからな」


 天神族であるターニャを吸血鬼には絶対しない。

 テラが自力で吸血鬼になったけど面倒……だった?

 結局は天神族の力ばっかり使ってたな、そういえば。


「はぁ、はぁ、はぁ」

「エレメー教授は終わったみたいですね」

「な、何をした!」

「人間を止めていただきました! これで貴方も吸血鬼です。吸血鬼は上下関係は絶対。そして階級を持たないお前は採取されるだけの存在だ。詳しくはこれを」


 陰法についての本を渡す。


「汚れた血の仲間入りですね?」

「う、嘘だ! 嘘だ! 嘘だと言ってくれ。はっ!」


 何かに気がついたのか、サリエルの持っている剣を奪って自身の心臓に突き刺した。

 そこまで嫌なのか自殺してしまった。


「ココナ先生」

「な、何ですか?」

「他の皆は帰らせてください」

「葛くんはどうするんですか?」

「もう少しだけ遊びます」


 なんだろうね、吸血鬼というのに愛着が沸いてるみたいで、「下等で卑劣な種族」と言われた事がどうしても気に食わないらしい。

 折角、人間よりも強くなれたとに放棄しちゃうのは勿体ない。

 だからこそ、


「嫉妬に狂い」


 紫色の宝玉がフワフワと浮かんでいる。


「輪廻回生」


 エレメーに突き刺さった剣を引っこ抜き、甦らせる。

 もちろんすぐには目を覚ましてくれないから水をかけて無理矢理起こす。


「おはよう。1度死んだ気分はどうだった?」

「クソっ」


 また死のうとするのか。

 なら、


「奴隷陰法 天命の足枷(あしかせ)


 下級の吸血鬼に対して使える「奴隷陰法」の久々の登場だ。

 これで僕の指示無しに動くことは出来ない。


「人間よりも強くなれたんだよ? 何が不満なの。はい、答えて」

「んんんんん、汚れた血として生きるくらいなら死んだ方がマシだ!」


 抵抗はしたけど意味はなかった。

 やっぱり汚れた血は嫌なのか。

 悲しくなっちゃうな。



上手く書けない……

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