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宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
6章 免罪者編
134/155

No.133 塵をステヨウ

更新!

本日2話目!



 ジェシカが強力な媚薬により意識を失ったおかげで、気がつくと元のホテルに戻っていた。


「はぁ、縛法(ばっぽう)(調べれば出てきます)」


 背中に腕を回してから、片腕を縛り首に紐を通す。

 次に反対の腕を縛れば拘束技の終了。

 靴紐で出来るから簡単だ。

 あっ、実際にやる場合は喉が絞まるといけないのでハンカチなどを挟むのをオススメします。


「ほら、立て」

「あぁん」

「チッ。回復陰法 解毒」


 解毒をすると、すぐに意識を取り戻した。

 威圧はしてないから喋れると思うけど、


「気分はどうだ?」

「あ、あなたは――――」

「――――おっと、質問は受け付けてないからな。それと、質問をするのはこっちだ。ジェシカと言ったな。あれは危害を加える為の物か?」

「……違う。ここにいる人たちを守ろうと思ったんだ。なのに! なのにお前が」

「へぇ、守ろうとね。で? 僕がなに?」

「1番強い人の所に行ったのに」

「それが僕だったと」


 で、敵だと思って攻撃してきた訳か。

 うん、


「お前はここで待ってろ。ちょっと騒ぎを止めてくる。強欲な願いを」


 周りの全ての時間を止める。


「な、なんだ? 止まった?」

「お前は動けるんだな。」


 ――――キュイン


「それともう1人」


 銃弾が擦れる音が聞こえた。

 多分止まっているのに撃ち続けたからだよな。


「いた」


 さっきの位置からあまり変わってなく、ロビーを見ると1人だけキョロキョロと辺りを見渡し警戒していた。


「よいしょっ」


 手摺(てすり)を乗り越えてロビーまで落ちる。

 下りるじゃないよ、落ちるだよ。

 大体10階分くらいだからね。


「どうも、軍人さん」

「動くな!」

「銃が使えない事わかってるでしょう?」


 あーあ、何人かは死んでるな。

 しかも男子生徒だけ重点的にとか何を考えているのか……そうか、趣味が悪い。


「ほんと胸糞悪いな」

「何者だ? これだけの力なら軍に招待してやろう」

「興味ない。僕の指示なく喋るな」

「ガキが調子に乗るな!」


 銃が使えないとわかって、ナイフに切り替えた。

 ナイフを使う人との戦い方はコアルさんに散々してもらったおかげで余裕だ。

 余裕だからって舐めた事はしないけど。


「ちょこまかと」

「じゃあ動かない」

「はんっ!」


 ナイフは僕の心臓を目掛けて伸びて、そして折れる。

 一次的に僕の服の時間を止めたから、固くて突き通せなかったんだ。


「で、力は使わないの?」

「なら――――」

「――――使わせないけど」


 黒鬼で心臓を一突きする。

 男は力を無くして地面にぶっ倒れる。


「よし、時間よ戻れ」


 時間の流れが再開される。

 まずは、


「怠惰に生きよ」


 世界樹で敵を戦闘不能にさせる。

 次に、


「嫉妬に狂い」


 死んだ人を次々に甦らせていく。


「動ける人は倒れた敵を縛り上げて。負傷者は僕の所に連れてきてくれれば治すから。後は、自分の力に自信がある人は外からまだくるかもしれないから応戦を」


 一応は指示を出してみるけど、動いてくれるのは数十人。

 全員が全員動いてはくれないか。


「お願いします」

「了解」


 連れてこられた怪我人を一瞬で治していく。

 それを見た人は1人、また1人と僕の指示に従ってくれる。

 見た感じ従ってくれてるのはF組とE組と一部のB組だけ。

 他はプライドが許さないのか、足をかけるなどの軽い妨害やら、部屋に戻るという生徒も出てくる。


 色々と邪魔はあった物の、騒ぎは収まってくれた。



「葛くん、お疲れさまです」

「あっ、ココナ先生。大丈夫ですか、色々と」


 軍って名乗ってた訳だから結構ヤバイんじゃないのかな?

 もし、ヤバければ日本に皆を逃がすくらいはするよ?


「大丈夫ですよ。あれは軍の暴走として片付けられたそうなので」

「軍の暴走、ですか」


 もしかしたら、僕たちが強くて無駄に怒らせたくないから、暴走って事にして逃れようとしてるのかな?

 そうだとしたら許せない。


「あっ、ジェシカさんはどうなってますか?」

「あの人は基本的に害は無さそうです。教師陣が色々と確認してますので大丈夫です」

「そうですか。で、ココナ先生はなんで僕の部屋に入って来てるの?」


 ツッコまないように我慢していたが無理だ。


「なんで、と言われましても」

「機嫌取り? 大丈夫だから。ココナ先生は信頼してるし、敵にならない限り僕も味方です。あっ、不正教師(ココネ先生)は別ですけど」


 一切絡まれなくなったからな。

 てか、ココナ先生も縁を切ればいいのに。


「お昼の準備が出来たそうですよ。では、他の皆の所も回るので」

「電話でいいんじゃ」


 そう思ったけど、先生として直接顔を会わせた方がいいのかな?

 まぁ、移動するか。


「ココナ先生」

「はい」

「シャルの所は僕が行くので」

「わかりました。でも旅行だからと言って襲っちゃダメですからね」

「しませんよ、多分」


 一応は否定をしておく。

 さて、シャルの部屋にレッツゴーだ。


 ――――トントントンッ


「はーい」

「シャル、迎えに来たよ」

「開いてるよー」

「不用心な」


 そう言いながらも、扉を開けて中に入る。

 うん、シャワーの音がするからそういう事だろ……う?


「動くな」

「……」


 軍服を着た人がシャルの部屋を漁っていた。


「取り逃していたのか」

「だ、誰だ。それに武器も無しに動くなって笑わせてくれる」


 銃口をこっちに向けてトリガーを引く。


「黒鬼」


 部屋を傷つけないように銃弾を全て斬り落とす。

 まぁ、僕を狙ってくれてるおかげで斬りやすかったけどね。


「さて、よく言うじゃん? 殺していいのは殺される覚悟がある人のみって」

「な、なにを?」

「だけど僕は思うんだよ」

「ま、まて。俺には家族が。娘と嫁がいるんだよ」

「それは生ぬるいって。殺したら誰かしら残る訳だよ。例えば」


 僕と敵の会話は成立していない。

 でも、そんなことはどうでもいいんだ。

 僕は空間を繋げて、敵の家族を写し出す。


「これは君の家族だよね?」

「な、なんで」


 まぁ、バレないように上から空間を繋げてるんだけどね。


「ここに銃を撃てば確実に死ぬ。さて、もう1度言おう。殺していいのは殺される覚悟がある人のみって生ぬるいよね」

「何が言いたい?」

「殺していいのは、大事な者が壊される覚悟がある人のみだと思うんだ」

「やめろーーー!」


 銃だと危ないと思ったのか僕にナイフ突き刺してくる。

 もちろん僕は刺さる場所に娘の方と空間を……場所ごと変える。


「お父さん」

「な、な、な!」


 急に現れた家族。

 勢いは止めることが出来ずに娘にナイフを突き刺した。

 殺す姿を娘本人と嫁に見られているという最悪の状態。


「混沌陰法 眠りのカノン」


 全員を眠らせる。


「輪廻転生」


 娘さんは甦らせてあげる。


「大丈夫?」

「キャッ」


 近くに自分を殺した父がいたことに驚いて逃げるように距離を取る。


「帰るか」



 その後どうなったかなんて僕は知らないし興味もない。

 が、大事な者は壊れただろうな。


「カズラ、また何かしたの?」

「なんで?」

「火薬と血の匂いがするから」

「ちょっとね。シャル、鍵の開けっ放しは危ないよ。それで変な人が入ってたんだから」


 まぁ、流石にやり過ぎたかな?



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