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宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
6章 免罪者編
133/155

No.132 処分のちがうゴミ

更新! 今日で3月が終わるから毎日更新はストップ



 僕たちが行くと、A組はもう揃っていた。


「では、アメリカに来た理由を話します」


 ココナ先生がいつになく真剣な顔つきだ。


「アメリカは今、紫の太陽の影響を物凄い受けていて、弱っている状態です。ですが、紫の太陽の名残で、力を手に入れた人は他国の比ではないのです」


 力を手に入れたって、僕のような「神の力」の事だよね?

 もし、魔法が使えるって意味なら全然脅威じゃないかな。


「そこで、弱っているアメリカがとった行動は、他国から人を集めて力が通用するかを試す事です」

「もし、葛が勝ったら?」

「そしたら日本事態に脅せばいいと考えてるみたいです」


 うっわ、日本を脅して僕を殺させるなりするつもりかな?

 てか、文鷹ナイス質問!

 ある程度な敵でも、僕の神の力を7つ持ってるから勝てるはずなんだ。

 それに吸血鬼というスペックもあるおかげで百人力だ。


「ココナちゃん先生、その力はどうやって確認するんですか? 大会を開くのか、襲ってくるのかそれとも別ですか?」

「そこまではわからないので、警戒してほしいというお話です。それ以外は特に無いので、基本的には自由行動です」


 自由行動か。

 どうしようかな?

 今いる場所がロサンゼルス。

 で、僕はカジノがしたいからラスベガスに行きたいけど遠いんだよな。

 行けない距離じゃないけど。


「あっ、カジノはダメですからね? いくらお金があるからと言ってもまだ高校生です」


 くっ、先に道を潰されたか。

 しょうがない。

 

「屋上にプールがあるらしいので、遊んできたらどうですか? A組以外は入って来ませんし」

「ココナ先生、それって貸切りって事ですか?」

「そうです。このホテルを貸切りしていて、主な施設は基本的にA組が優先権を持ってます。あっ、皆が使わない場合は連絡ください。他のクラスが使うので」


 に、しても貸切りか。

 そんなに魔法学校がお金を持っているのか?

 それともアメリカの価値が無くなっているのか?

 まぁ、いっか。


「シャル、プールに行こ」

「うん!」


「あっ、やっぱり無しで。待ってください。今からアメリカの人が来るようなので」


 ココナ先生が呼び止める。

 アメリカの人?

 抽象的だな。


「今からアメリカの偉い人が、日本は力を持っているのか確かめに来ます。プールで武装を解いた状態だと色々と大変なので」


 おい、いきなり襲ってくる訳でもないんだから、


 ――――ドゴーーンッ


 急な爆発音と強い揺れが僕たちを襲う。


「ココナ先生、遊んできまーす」

「あっ、僕もー」


 僕とムウが最初に走りだし、他の皆は呆れた顔をしていた。

 て言うか、そうだよね。

 A組の1番と2番が出るんだから。


 ホテルのロービーを見れる場所に行くと、武装した人たちが魔法学校の生徒たちを拘束している。

 更には、弱い人の体に爆弾を取り付けて人質としている。


「敵を一気に殲滅しないとだよ、ムウ」

「大丈夫じゃない、カズラなら」

「その無償の信頼ありがと」


 敵を一気に殲滅って言っても、もしホテルの従業員に扮している敵がいたら気がつけない。

 よし、


「ムウは爆弾を付けられた生徒の救出ね」

「わかった。いつやればいい?」

「うーん、10秒後で、スタート」


 時計を合わせてからスタートさせる。


「宝玉の力よ。嫉妬に狂い」


 まずは、「嫉妬の宝玉」の力でどこに敵がいるのかを把握する(5秒)。


「怠惰に生きよ」


 世界樹の力で敵の気力やその他諸々の「気」を吸い取り行動不能にする(10秒)。


「トランプカッター」


 爆弾を不発になるように斬っていく。

 これで全て鎮圧出来ただろう。

 近くの武装した人から無線を奪って耳につける。


『大丈夫か? 応答せよ、応答せよ!』

「こちらAの45番」


 武装した人の番号を確認して声をかける。


『おぉ、大丈夫か?』

「報告します。急に味方がバタバタと倒れ出して」

『残ってるのは?』

「1人もいません」

『よ、よし! 突撃だー!』


 マジかよ、突撃するんだ。


「皆ー、今すぐ逃げて-。屋上のプールに向かうように」


 僕は陰法で声を拡張して指示を出す。

 F組や、B組の中には僕の事を知ってる人がいたため、上手く指示に従ってくれた。


「さて」


 グニャンと一瞬視界がブレた。

 そして数秒しない内にもう1度グニャンと視界がブレる。


「ムウ、幸運を」

「うん。カズラもね」


 次の瞬間にはトイレを流れて下水道を通る汚物の気分になるくらい、グニャングニャンと視界がブレて、


「一応はホテルの中なのか」


 宝玉の力は使える。

 そしていくつもの部屋の扉がある廊下。


「嫉妬に狂い」


 空間を狂わせて外に出ようとするが、意味がない。

 同じ神の力なのだろうな。


「さて」


 手っ取り早く近くにある扉を開ける。



 ※



 気がつくと、お花畑の中心にいた。

 赤や黄、白などの色とりどりな花が咲き誇っている。


「見つけた。あれ? 言葉はわかるかな?」


 その人は迷彩柄の軍服に身を包んだ女性だった。


「私はジェシカ。言葉は通じてないかな?」

「大丈夫ですよ。わかります」

「おぉ、それは良かった」


 それから数分、睨み合うだけで静寂が辺りを包む。

 風の音から、花の香り、それから


 ――――バキュン


 火薬の匂いも。

 銃弾は僕の額に当たって地面に落っこちる。

 10mは離れてるのに狙いが正確なんだな。


「あれ? やっぱりダメか。ねぇ、どうやって力を手に入れた?」

「それは秘密です……と言いたいけど、調べればすぐにわかる事なので。紫の太陽時代にダンジョンの報酬で」

「やっぱりか。ねぇ、軍に入る気はない?」


 銃口をこっちに向けたまま聞いてくる。


流石にそっちの方が(・・・・・・・・・)歳上だろうけどさ(・・・・・・・・)それが会話をすると(・・・・・・・・・)きの態度じゃないん(・・・・・・・・・)じゃない(・・・・)?」


 殺気と言霊の2段構えで脅してみると、相手は慣れてなかったのか尻餅をついてしまった。

 そのまま腰を抜かしているのか、立てない様子。


「そうだよね。普通は銃口を向けてなんて会話はしないよね? それとも……黒鬼(・・)


 近づいてから喉元の触れるか触れないかの所に刃を持っていく。

 ついでに魔力でも威圧をかけておけば大丈夫だろう。


「ねぇ、これがそっちの話し方なんでしょ? これが会話をするときの態度なんでしょ? なんか答えたら?」


 涙ながらにコクリコクリと音が出そうなくらいに何度も何度も頷いている。

 こんなにも呆気ないのか?

 それともこのジェシカだけが弱くて、他は強い可能性もある。


「で、答えないの? その口についてる物は飾りかな?」

「……」

「飾りなら斬り落とすよ?」

「……」


 ブルブルブルと首を横に振るだけで一切言葉を発しなくなった。

 これも、フリ……弱そうなフリの可能性も捨てきれないんだよな。

 心を完全に折るか。


「錬金術 獄門の媚薬」


 適当に思い付いただけだ。

 別に変な事は考えてない……訳ではないけど。


「ほら」


 ソレをジェシカの目の前に投げると、ガラスは消えて液体が一瞬にして気化する。

 顔が赤くなり虚ろな瞳になる。

 そして、ビクンッビクンッと痙攣しながら意識を失った。



嬉しい事にブクマが2件増えてたから、今日は3話更新になる予定(減らなかったら)。

何曜日に定期更新すれば伸びやすいだろう?

感想とか★とか待ってます!

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