表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
6章 免罪者編
132/155

No.131 言責ショブン

いやったー! ブクマがまた増えたー!

なので更新なのです



 南条は甦らせたが眠ったまま。

 車椅子に乗せて飛行機に乗り込む。

 飛行機は魔法学校の貸切で、A組もB組も同じ機内だ。


「ん? あれ、私は」

「南条、お前面倒な事をしてくれたな」

「な! 鬼灯!」

「いいか? お前は犯人に何をしたんだ? ここに来るまでに何度撃たれたことか」


 本当に大変だった。

 大丈夫そうな人も急に南条の事を殺しにかかってくる。

 て言うか、何度か殺されたから甦らせた。


「あーいうのって粘着してくるよなー。何したの(・・・・)?」

「……」


 威圧をしても答えてはくれない。


「大丈夫だよ。今言っても僕と後ろにいるココナ先生にしか聞こえないから」

「……」

「一応は同じクラスの(よし)みで助けてやってもいいよ? あっ、お金関係は一切助けないから」

「……わ、私が命令しました」

「なんで? どうせ僕たちを殺せば色々と手に入るって思ったんでしょ? 他のクラスはそうだな……財閥が解体されて掌返しされた意趣返しって所かな?」

「なんでわかるのよ!」


 南条は立ち上がり大きな声でそう言った。


『間もなく離陸いたしますのでシートベルトをお締めください』

「座ってシートベルトを締めたら?」

「ふん」


 僕から1つ離れた席でシートベルトを締める。


「あっ、そうだ。普通はテロ行為だから主犯を殺さないとか」

「えっ、まって。それだけは」

「冗談だよ? 先生に確認したけど言責(げんせき)処分らしい。反省文10000文字だって」


 意味がわからない。

 いや、甦らせたのは僕だけど普通は禁固刑とかじゃん?

 なのに、新しく魔法学校となってそこから犯罪者を出したくないから情報規制して言責処分で止めたらしい。


「カズラ」

「なに、ムウ。座らないとだよ」


 南条が座ってた場所に座るように言う。

 あっ、ムウに対して殺気が……シャルからの殺気が。


「コヨミ、ドンマイ」


 ムウは裏切ったというのに言う言葉が。

 しかも無邪気な笑顔だし。


「で、ムウは何用?」

「そうだった。最後の仕上げにこの飛行機を外から狙うのが犯人たちは決めたみたいだよ」

「それでムウは止めた?」

「面倒だからやってない」

「……そっか。はぁーーーーー」


 タメ息は幸せが逃げるというが本当にそうだろうな。


「結界陰法 完全守護の陣」


 飛行機を丸々包み込む結界を張っておく。

 てか、日本は結界系統の魔法が無いに等しいから驚くだろうな。

 初見だと絶対に驚かれるし。


 飛行機が飛んでからある程度して席を変える生徒が出てきた。

 中にはA組の女性陣にナンパをする生徒も出てる。 

 ナンパをされるのは可愛い証拠なのだろうけど、気持ち的に許せない。

 あっ、文鷹は貧乏揺すりを始めて義宗は持っているパンフレットがグシャグシャに。


「葛、殺気の出しすぎだ」

「そうだよ。もう少し抑えて」


 ……あれ?

 1番僕が抑えられてなかったんだ。

 何とも情けない。


「カーズラ」

「な、なに、シャル」

「安心して。私は逃げないから」

「うん」


 あー、もう。

 シャルは凄いニマニマしている。

 嬉しい物とか……主に僕の嬉しい行動に対してニマニマするんだよな。

 それから僕は飛行機の中でシャルと過ごした。



 ※



「やって来ました、アメリカ!」


 僕のテンションは結構上がっている。

 だってアメリカだよ?

 世界の中心と呼ばれるアメリカ……だよね?

 なんか思ったよりも(すた)れていて、甘いような苦いような、とりあえず良くない匂いがする。


「チッ。大麻か」

「文鷹わかるの?」

「あぁ。組の中に使ったヤツがいたからな。即刻処分したが」


 なるほど、匂いをその時に嗅いでしまったのか。

 何かで聞いたけど、アメリカに住んでた人は麻薬の匂いとか、危険な匂いというのをわかってしまうらしい。

 だから、日本でも麻薬があるって気がつく事があるらしい。


「さて、まずはホテルに行きましょう! ホテルに!」


 ココナ先生が先導してタクシーを捕まえる。

 大きなタクシーで、A組全員が乗れる……少し狭いけどね。

 そのままタクシーでホテルまでやって来た訳だが、


「やっぱり廃れてる」


 ボロい、とまではいかない。

 が、「綺麗か?」と聞かれても「Yes」とは答えられない。


「ココナ先生、アメリカってもっと凄いんじゃ」

「それは紫の太陽が起きる前の話です。どうやら、繋がった国を落とそうと戦争して負けた結果です」

「戦争、ですか」

「はい。軍国ルベルトとアルフターチとの戦争らしいですよ」


 軍国ルベルトか。

 懐かしい名前だな。

 それとアルフターチ……ドワーフのいくつかある大陸の1つだな。


「でもどうして戦争なんか?」

「それは私も知りませんよ。聞いた話じゃ、偉い人が何かにとり憑かれたかのように暴走したらしいですよ」

「そうですか、ありがとです」


 何かにとり憑かれて暴走したって怪しいな。

 宝玉のような力によるものだろう。

 気を引き締めていかないとだな。

 

「はい、チェックインが終わりました。部屋は1人1部屋となってます」


 ココナ先生が鍵を配っていく。

 僕もソレを受け取り、部屋へと向かう。


「49階か、凄いな」

「確かに大きいよな。流石アメリカって感じか?」


 義宗が言った通り「流石アメリカ」だな。

 規模が違う。


 でも落ち着かない。

 部屋に入ってみたけど広いんだよな。

 家を呼び出して、家に居ようかな。

 うん、そうしよう。


「家よ」


 魔道具である鍵を出す。

 これは僕の家に繋がっている鍵で、扉に刺して回せば家に繋げられる。

 シャルにも渡してるから帰りたい時に帰れるようになってる。


「ただいまー、っているわけないよね」

「あっ、お帰り。カズラ」

「シャル! 帰ってたんだ」

「うん。なんか落ち着かなくって」


 慣れてないから、かもしれない。

 いや、シャルは王族だから広い所なんて慣れてるだろうけど。


「カズラは紅茶でいい?」

「うん、ありがと」

「なんでアメリカに来たんだろうね?」

「何かしらがあるんでしょ。ココナ先生か宮内校長に問い詰めれば教えてくれるだろうね」

「なるほど、その手があったか」

「いや、シャルは使わなくていいからね?」


 シャルが淹れ終わった紅茶を持ってきてくれた。

 シャルの淹れてくれる紅茶は1段と美味しく感じてしまう。

 王族だから紅茶くらい淹れられるのが(たしな)みなのかな?


「どうしたの?」

「ん? シャルは紅茶を淹れるのが上手いなーってね」

「ありがと。でもね、チルの方が上手なんだよ」


 従者だから、なのか?

 でも、気持ち的には絶対シャルが淹れてくれた方が美味しいに決まってる。


「でも、カズラは私の淹れた紅茶の方が美味しいって言ってくれそう」

「えっ……う、うん」


 そんなに顔に出ていたのか?

 最近は特にシャルに隠し事が出来なくなったな。

 誕生日を祝おうとしてもバレてサプライズが出来なかったり。

 それでいて、僕はシャルが何を考えてるのか手に取るようにはわからない。

 なんか負けたようで悔しいな。


「あっ、全員集合だってよ」


 シャルの淹れてくれる紅茶を飲み干して家を出る。



感想とかptもくださいまし!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ