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宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
6章 免罪者編
130/155

No.129 星にカガヤケ

更新!



 学年が上がり3年になった。

 ギャンのある獣族の世界に行くための素材が見つけられないまま月日は流れてしまったんだ。


「皆、揃ってるね」

「今日はなんですか、ココナちゃん先生」

「エリーちゃん、今説明しますから。皆にコレを」


 そう言って配られたのは「しおり」。

 よく修学旅行とかで配られるしおりだ。


「修学旅行ですか?」

「そうです! 全て学校側負担ですので安心……って、なんやかんや私より稼ぎありますよね」


 僕の質問に答えてくれた、と思ったらテンションが下がってしまった。

 実際、ココナ先生が言った事は正しく、僕は武器を生成して売っている。

 物が最高品質だから言い値で売れるんだ。

 後、鉛筆の芯を錬金術でダイヤに変えて売ったり。


 義宗はドーラと一緒にドワーフの世界から色々な素材を日本に売り付けている。

 今は絶対に仕入れられない代物で、市場を独占している。

 そのせいもあってか、色々な方面から怪訝されている。


 文鷹はエリーと一緒にエルフの世界から色々な素材を日本に売り付けている。

 こちらも、今は絶対に仕入れられない代物で、市場を独占しているから、怪訝されている。


 ペトラ……うん。

 特にない。

 普通に貯蓄があるからどうにか事足りている。


「えっと、修学旅行に行きます。場所はアメリカです!」


 そこに行くのに学校からお金が出るなんて凄いな。

 しおりを見てみると1ヶ月となってるし凄いな。


「更に、A組からF組まで合同ですよ! 凄いですよね、学校がお金を出すなんて。3日後ですからね、皆さんちゃんと用意してください。それと、私が報告し忘れた訳では決してないから勘違いしないでくださいね」

「ココナ先生ー、バナナはおやつに入りますか?」

「300円までなら大丈夫だよ、義宗くん」

「はーい」


 そんなジョークを交わしながら解散となった。

 ココナ先生はもっと早くに知らせるべき事だったんだよね、これを。


「ねぇ、エリーさん」

「……なに? 南条さん」


 エリーは僕の方を伺うように話ている。

 別に僕の事は気にしなくていいのに。

 友達が嫌いな人と話してるからって怒ったりしないのにね。


「その、エルフの素材ってどこで手に入れてるの?」

「えっ? なんで?」

「いや、どこで手に入れてるのかなって思って」


 そりゃ気になるよな。

 今はエルフの素材はエリー文鷹からしか買えない。

 そうなると、必然的に値段は跳ね上がるという物だから。


「えっと」


 「言っていい?」って感じでこっちをチラチラ見てくるけど、その行動でバレちゃうよね?

 あっ、南条はエリーしか見てないし、こっちには気にも止めてないから大丈夫そうだ。


「グロンダントに行ってるから」

「ど、どうやって! ズルい、そんな事が出来るならお金をもっと稼げるじゃん。グロンダントの観光とか」


 あっ、南条はお金が危ないんだな。

 だから金の匂いに誘われて聞いてきたって訳ね。


「ズルいって言われても葛が連れてってくれるから」

「チッ……あ、ありがとう」


 舌打ちをして、次はドーラに話を聞きに行った。

 いや、ドーラに確認に行った。


「ドーラさん」

「な、なにかな? 南条さん」

「ドーラさんもドワーフの素材は鬼灯経由なの?」

「うん。葛くんのおかげだね」

「そ」


 それだけ聞いて満足したのか教室から出ていった。

 不穏な空気だけを残している。


「カズラ、修学旅行ってなに?」

「あっ、僕も気になる!」


 シャルは空気を変えようと僕に聞いてきた。

 それにムウも乗ってきたが、天然だろう。


「修学旅行は……学校の外で色々な体験をすること、だよね?」

「「「……」」」

「ちょっと!」


 皆に聞いたが、目を逸らされた。

 でも考えた事ってなかったな。


「でもさ、基本的に私たちって自由じゃん? 授業は無いし、町のパトロールだけでオッケーでしょ?」

「うん」

「それって修学旅行と何が違うの?」

「それは旅行じゃないじゃん。それに行くのはアメリカだよ? ユリエーエから軍国ルベルトに旅行に行くような物」

「なるほど」


 でも、言われてみればそうだ。

 僕たちは勉強を基本的にはしてない。

 将来ってどうするんだろう?

 心夜先輩はこの学校の専属職員になったけど。


「せめてダンジョンが残ってたらなー」


 そんな独り言を漏らす。

 せめてダンジョンがあれば、仕事も困らないんだけどな。


「葛は知らないのか?」

「ん、なにが?」

「ハワイ事態がダンジョンになったの」

「……えっ?」


 義宗がおかしな事を言った。

 ハワイ事態がダンジョンになったって、そのままの意味だよな。

 絶対に安全な大陸だったのに一気に危険になったのか?


「知らないみたいだな」

「……他の皆も?」


 それを皆は無言で頷いた。

 そういう事だ。


「ちなみにどこ情報?」

「ココナちゃん先生だよ」

「なるほど」


 僕が行ってダンジョンを消さないようにか。

 うーん、どうするか。

 出来たら独り占めしたいんだけど。


「カズラ、独り占めとかダメだからね。ココナ先生がカズラは独り占めしそうだから言わないでって」

「そこまでバレてるのか」

「カズラ?」

「なに、シャル」

「独り占めしようとしてたんだ」

「あっ」


 鎌をかけられた。

 いや、意地の悪い考えをしてた僕が悪いんだけどさ。

 ここはシャルをこっち側に引き込もう。


「でもシャル。僕たちは吸血鬼で、人間よりも寿命が長いんだよ」

「うん。それが?」

「だからね、シャルと今後一緒に過ごすためにもお金は大事なの。わかる?」

「そ、それはわかるけど」

「僕はシャルが生きている間はずっと楽しませたいの。その為にはお金は凄い大切なんだよ」

「う、うん」


 よし、もう一息だな。


「シャルちゃん、葛の囁きに惑わされちゃダメ」

「エリー、てめぇ」

「なに? 葛が独り占めはよくないでしょ? 私だって文鷹と一緒に長生きするもん」


 いや、文鷹は人間だよ?

 どうやって長生きするつもりなんだろう?


「わ、私も義宗くんと一緒に長生きするもん!」

「ドーラまで」


 まぁ、いっか。


「A組でうまーーく占領しちゃえば……」


 待て待て待て、なんで今になってダンジョンが現れたんだ?

 今は神を決めるとか一切関係ないはずだ。

 なら神が何かしら干渉してきたのか?

 でもなんの為に?

 そもそもの理由がない。


「義宗、難しさはどのくらいなんだ?」

「それが凄い難しいらしい。富士山の時と同等かそれ以上だって」

「ありがと」


 神には1発喰らわせたいって思ってたから、会えるチャンスがあるかもしれないな。


「カズラ、まずは修学旅行があるからね?」

「わかってる。それが終わって……」


 ペトラが、僕の事を射止めんばかりの視線で睨んでくる。

 そういえば、まだ獣族の世界には繋がってないから、急がないとだな。


「ペトラ、獣族の世界に行けるようになってからにします」

「よろしい! それとお金貸して」

「うん、いいよ」


 僕が早く解決出来ないのが悪いから普通にお金を貸す。


 よし、楽しみだな、修学旅行。



ブクマが減るのマジで萎える

感想とかptもくださいまし!

感想は誰かわかるけどptがわからないの不便……お礼したい

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