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宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
4章 遊戯者編
111/155

No.110 未来のハナヨメ

更新!



 いくつもの銃弾が僕を穿(うが)とうとしてくる。

 それだけならまだいい。

 が、ここは校庭で結界の類いの魔法は無い。

 それが意味するのは、僕の後ろにいる人に被害が及ぶという事。


「陽法 朱の太刀 乱舞」


 魅せる為に撃たれた銃弾の全てを斬って斬って斬る。

 すると、南条は勝てないと思ったのだろう。

 あえて動きながら手元が狂ったフリをしてシャルたちを狙うように銃を撃った。


「シャル」

「はい」


 シャルは大きな鎌を出して飛んでくる銃弾を全て腐らせる。

 少し力が制御出来てなく地面が少し腐ってしまったのは減点ポイントだな。


「て、手元が狂っただけだから」

「そっか手元が狂っただけ、ね。陽法 翠の太刀 飛雲……あっ、手元が狂った」


 不可視の斬撃は南条の左足を捉えて斬り落とす。


「あぁぁぁぁあ。足、足がぁ。痛い痛い痛い痛い痛いぃぃぃ」

「手元が狂ったんだよね」

『はぁ、そこまで。鬼灯葛の勝ち』

「ま、まだ。まだ戦える。私はまだ戦え……がぁぁぁぁ」


 まだ戦えるようなので一瞬で距離をつめて右腕を斬り飛ばす。

 次に左の手の指だけを斬り落とす。


「まだやる?」

「あぁぁ、痛い! 痛いよぉぉぉぉ」

「はぁ。回復陰法 世界樹の雫」


 南条の体が光に包まれて完全回復する。

 首に刀をつけて、いつでも斬れる状態で質問する。


「まだやる? なら首を落として僕の勝ちだけど」

「そ、そしたら犯罪になるわよ」

「覚えてる? 皆が僕の事を忘れてたのを」

「はっ! わ、私の負けです」

『次こそ、鬼灯葛の勝利』


 これで僕はA組の1位に返り咲いた。

 次は2位がわからなかったから、僕が指定していいという事になり、ムウに行かせた。


 結果は酷いものだった。

 ムウ・ハセ対クリス・シュトールでムウの圧勝。

 と、言うよりクリスが遊ばれてた。


 それからは一方的だった。

 今のA組の実力が低いのか、皆が強くなっているのか?

 いや、両方だろうな。

 今のA組の実力は低い。

 よくこんな強さで大丈夫だな、と思えるくらい。

 後、皆は1年グロンダントで過ごしたんだ。

 だから、ある意味2年生(今のA組)3年生(みんな)な戦いだったのか。


『それでは決闘を終わります。A組はこちらで順位をつけときます』


 無事に決闘が終わって誰1人として欠ける事なくってひと安心だな。

 さーて、明日明後日は丁度土日で休みな訳だが、


「カズラ、明日だからね」「葛くん、明日デートね」

「わかったよ」


 シャルと桜から念押しされる。

 別にすっぽかしたりはしないのに、多分。


「葛。俺も連れてってほしかったな」

「クリス」


 そういえば、あの逃げるときにクリスはいなかったからな。

 でも、なんでいなかったんだろう?


「ごめん、あの時いなかったから」

「そうだよね。ちょっとあの時は用事があったから。それで文句言うのはお門違いだよね」


 置いていかれた事を少し根に持ってるんだな。

 なんか申し訳ない。


「俺は行くよ。じゃ」


 と言って、行ってしまった。

 はぁ、とりあえずこれでA組の皆も大丈夫だし、ココナ先生にも仕事を与えたから大丈夫だな。

 後は、エクスターチに行って、まだ行ってないギャンに行くだけだな。



 ※



 デート当日。


「カズラ!」「葛くん!」


 シャルと桜は2人一緒に来たようだな。


「2人は昨日はどうしたの?」

「桜ちゃんの家にお邪魔してました」


 桜は親からあまり良く思われてなかったらしいけど大丈夫なのかな?

 うーん、桜の顔色があまり良くないから何かあったのか。


「桜、大丈夫か」

「うん、ありがとう。ごめんね」

「うぐっ」


 桜は謝罪を入れてから僕を人形のように抱きついた。

 いや、ね。

 背が桜の方が少し大きいから抱きつく人形としては丁度いいだろうけど周りの視線とか気にしないの?


「さ、桜ちゃん。その辺に」


 おぉ、シャルが止めてくれてる。

 優しいな。


「ズルいからソロソロ止めて」

「わかった」


 おぉ、やっぱりそういう事だと思ってましたよ。

 まぁ、気持ち的には悪くないけどね。


「じゃあ行こっか」

「ね」


 右手をシャルに、左手を桜に引かれて歩き始める。


 最初の目的地は水族館になった。

 シャルは水族館事態が始めてで、ペンギンとかを見たことが無くて楽しみにしている。

 てか、


「周りの視線が僕を殺さんとしてる鋭いのばっかなんだけど」

「そりゃあ両手に華じゃん」


 そう、そこなんだ。

 2人は可愛い。

 そうなると周りの、特に男からの視線には殺意が込められているんだ。


 そしてついたのが「すみだ水族館」。

 海月やら小さな魚が光に照らされている。

 そして、


「あれが、あれがペンギンですか?」

「そうだよ」

「か、可愛いです。ペンギン可愛いです!」


 シャルはペンギンを見つけるとテンションが物凄い上がった。

 僕にはペンギンのどこが可愛いのかわからないな。


 その後も色々な魚を見て周り、お土産コーナーではシャルが皆の分としてチンアナゴのキーホルダーを買った。

 チンアナゴは白に黒い点々でなんか可愛いと思ってしまったから僕は抱き枕を買ったりした。


「次はどこに行くの?」

「お昼時だね」

「どこも混み始めてるよね」


 時刻は11:30。

 時間的に混み始めだ。

 まぁ、吸血鬼だから、


「お昼はとらないでいいよね」

「うん」


 味覚はあるから美味しいもの食べると美味しいって感じるからね。

 でも血の方が何千倍も美味しいけど。


「次は洋服見に行こ!」

「いいね!」


 2人は意気投合して行き先が決定した。

 近くにあったデパートで色々な洋服を見て回る。

 シャルは始めて見る洋服にテンションが上がっている。

 流石にもう、エスカレーターは馴れたのか驚く事もなく、いい感じに回れた。


「結局何も買わなかったんだね、2人とも」

「うん、カズラに貰ったこのワンピースが汚れないし可愛いから」


 あー、僕があげたワンピースを気に入ってくれるのは嬉しいけど、ちゃんと洗ってよ?


「葛くん、安心して。シャルちゃんのも洗ってるから」

「うん、それは良かった」


 まぁ、流石にそうだよね。

 洗わないなんて事はあり得ないよ。


「で、2人はなんで同時にデートに誘ったの? 目的はこれ?」

「うーん、こうなってくれればカッコいいカズラが見れるかなーって」

「守ってくれる葛くんを見たいなーってね」


 シャルと桜はとりあえず、僕のカッコいい所が見たいのか。

 まぁ、現状を見ればそうならざるを得ないよね。


 僕たちを取り囲むように元ダンジョン攻略者らしき人たちが囲んでる。

 全員何かしらの武器を持っているが、どれもガラクタばかりで、脅威になりそうな物は無い。


「可愛い子たちを連れて王子さま気取りか?」

「そうよ! カズラは王子さまだもん」

「お、おう……って違ーーーう。そこのガキに聞いてるんだ」


 シャルよ、話をややこしくしないでくれ。


「王子さまとかそんなつもりは無いよ」

「でもそこの嬢ちゃんが認めてたぞ?」

「葛くんが王子さまで何か文句でもあるの?」

「えっ? いや……って違うの! そこのガキに聞いてるんだってば」


 桜もさ、話をややこしくしないでよ。

 2人して話をかき混ぜたから相手のリーダーめっちゃ怒ってるよ。



感想、ブクマ、ptぜひぜひくださいまし!

ブクマ増えてました、ありがとなのです!

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