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宝玉の吸血鬼。~人間を辞めきれない大罪人~  作者: ホタル。
4章 遊戯者編
102/155

No.101 左回りの時計

更新!



「ただいま帰りました」

「ただいまー」


 僕とムウがワンダーランド城についた頃、1人足りないのに気がついた。


アイリスは(・・・・・)?」


 殺気と言霊でドミニカを威圧する。

 ヤードはドミニカを殺そうとした過去があったのをすっかり失念していた。


「怖い顔をするな。今、ハーデスがアイリスについた虚ろナル者を祓っているから」

「まだ憑いていたんですか?」

「あぁ、いつから()いたかわからないがな」

「ありがとうございます。えっと、この城にはいるんですよね?」

「あぁ、その辺は問題ない」

「なら」


 なら、この城ごと飛ばしても大丈夫だな。

 いや、城ごと飛ばすのは色々大変だし、急に襲われでもしたら面倒だから人だけを飛ばす方がいいな。


「ドミニカさん。みんなを呼んでください」

「まぁ、待て。アイリスのがまだ時間かかるからこの城でも堪能してろ」

「わ、わかりました」


 まだこの城を楽しんでないし探検してみたいとは思っていた所だ。

 おかしな空間がいくつかあったからな。


「ムウ、案内してやれ」

「わかった! 行こ、カズラ」


 ムウに手を引かれて移動する。

 最初に案内されたのは、THE和なお風呂だった。


「これはハセ(波瀬)家の最初の人が作ったお風呂。確か……そう、(ひのき)風呂ってやつ」

「凄いな。最初の波瀬って、ドリーさんの言ってた無礼な人だよな」

「そう……みたいですね。なんか、逆怨みで吸血鬼を嫌ってたって考えると今まで殺してきて申し訳ないです」

「えっ、殺したの?」

「はい。ちょくちょく新しい吸血鬼が沸いてきてたので、戦いの練習に」

「なるほど」


 アーサーとメリダが吸血鬼にした子たちは全員ムウに殺されたのか。

 そういえば、アーサーとメリダは大丈夫かな?

 ユリエーエにいただろうけど、あそこも被害は相当な物になっているはずだ。


「次はこっち」


 次に連れてこられたのは、ムウの部屋。

 そこの空間は少し歪んでいて、普通よりも広くなっていた。

 畳の部屋とフローリングの部屋が繋がっていて、大体30(じょう)くらいだ。


「そして、案の定人形がいっぱいなのか」


 畳の部屋には和の人形が。

 フローリングの部屋には洋な人形や、ぬいぐるみがたくさん。

 ベッドは大きな人形で、ト◯ロ型のベッド。

 あの、「あなたトト◯って言うのね」のシーンが再現できる感じだ。


「フローリングはベッドで埋まってるんだね」

「そうなんだよ。もう少し部屋を広くしたいんだけど、中々難しくて」


 空間を、か。

 そういえば、透の宝玉がソレだよな。


「ん? ムウ、これは?」

「これは時計です」

「いや、それは見ればわかるよ。そうじゃなくて、なんで左回りなの?」


 それは一見すると普通の時計だ。

 が、1つおかしなのは、時計の針が左回りに動いてるんだ。

 まるで、過去に戻っていくかのように。


「これは魔道具ってやつらしいです」

「魔道具、ね」


 どんな効果があるのかわからないけど、相当な物だとわかる。

 何となくだけど。


「欲しいの?」

「えっ、なんで?」

「だってカズラが魅せられてたから」

「あぁ、ちょっと欲しいな、とは思うけど魔道具だからね」

「使い方わからないし、あげるよ」

「いいの?」

「うん」

「なら、ありがと」


 ありがたく貰うとしよう。

 「左回りの時計」を貰ったが、どんな効果を有しているのか凄い気になってきた。


「さぁ、次に」


 また手を引かれて移動する。

 カラオケボックス、プール、サウナ、ボーリング場、キッチン、運動場、人工芝生(しばふ)と人工太陽、釣り堀、などなど色々あった。


「全部、古代遺産が使われてるんだよ」

「そ、そうだね」


 さっき行ってた日本にこんなのいくらでもあるなんて言えない。

 けど、1ヶ所にギュッと集まってるのは凄いな。

 流石は残された人たちで作られた城なだけある。


「あっ、カズラ」

「シャ……ル」

「どう? 似合ってる?」


 そこには、和な着物に身を包んだシャルがいた。

 金髪に淡いピンクの着物がよく似合っている。

 てか、誰に着付けしてもらったんだ?

 もしかして、着物を着ていた将龍人のドラコかな?

 許せん。


「カズラ、安心しなよ。流石にドラコじゃないと思うよ。多分、ヤードじゃない?」

「そ、そうだよな、ムウ。流石にドラコさんな訳ないよね」


 そ、そうだよ。

 ヤードじゃなかったら絶対に許さない。


「おう、ホーズキ。お前も着てみるか?」

「シャルに着付けをしたのは?」

「安心しろ。流石に俺もそこまで落ちてないから。ヤードに頼んだよ」

「その言葉を聞けて安心しました」


 よかった。

 また、つまらぬものを殺してしまう所だった。


「で、どうする?」

「悪くなさそうなのでお願いします」

「よし、きた」


 ドラコさんに連れられてドラコさんの部屋に来た。

 1面畳の部屋で、THE和だ。

 なんか、外国人が日本をリスペクトしてる感が半端ない。

 だって、ドラコさんの見た目が逆立った茶髪で、顔立ちはヨーロッパ系。


「これかな? いや、こっちか?」


 着せ替え人形のように一瞬にして着付けをしてくれる。

 もうよくわからないし、諦めよう。


 そのまま着せ替え人形されること1時間。


「これでいいな。うん、流石元が元なだけある」

「おぉ」


 鏡を見せてもらい声が漏れる。

 だって、僕が僕じゃないくらいカッコいいんだもん。

 紺を貴重とした着物に、帯は金の刺繍が綺麗だ。


「か、カズラ! カッコいいね!」

「ありがと///」


 僕が照れてるとドラコさんが、


「ムウ、あの2人はそういう?」

「カズラがタラシってムウが言ってた」

「ほう、でもホーズキの方も惚れてるように見えるが?」

「僕が思うにカズラは一目惚れ症候群だと」

「それは面白い。今度、妹でも紹介してみるか」

「妹いたの?」

「あぁ、獣族の世界に繋がったら行けるようになったらいる」

「それは期待。ドラコの妹」


 葛は、ムウとドラコがそんな会話をしているとは露知らずに、シャルに見惚れてた。



 ※



「終わったぞー」

「お待たせしました」


 約1日、ワンダーランド城を堪能した頃、アイリスに憑いてた「虚ろナル者」を祓い終わったようだ。


「大丈夫ですか?」

「あぁ、大丈夫だ」


 それでも心配だ。

 だって、考えてもみてくれ。

 死の勇者と名乗った人が祓ったんだよ?


「アイリス、本当に大丈夫? 変な事されてない?」

「カズラ、私は大丈夫です」

「ほんとにほんと? 本当になにもされてない?」

「だ、大丈夫だって」

「もしあれば言っていいからね。今すぐぶった斬るから」


 すると呆れた声で、


「流石にそこまで信用されてないとこっちも凹むな」

「ご、ごめんなさい。名乗りの時に“死の勇者”と言っていた物で」

「あー、あれは絶対に殺すマンだからな、俺」

「な、なるほど?」


 まぁ、信用しても大丈夫かな?


「話はそれくらいで」


 これで次の世界に行ける。


「始めます。傲慢に。錬金術 世界を渡る鍵・改」


 今ある、ドリーさんに貰った全ての魔石から1つの鍵が作られる。

 これで、どこかに繋がって行き来が出来るようになる。

 出来たらエルフのグロンダントに繋がってください。

 否、グロンダントに絶対繋げてください。


「開け、世界を繋げろ」


 僕を中心として世界が変わっていく。



このサブタイトルさ、某にゃんこな先生のアニメの歌詞の1部なんだけどさ、本当によきなんだよ

感想、ブクマ、ptぜひぜひくださいまし!

今日はpvの伸びが悪い……

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