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ループラインの軌跡  作者: リノ バークレー
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 さすがに我慢出来ず7時過ぎに退社し電車に乗り込んだ。

 朝と違い帰宅電車はすこぶる気分が良く、真っ暗な窓の外とは

対照的にウキウキする気持ちからこのままずっと電車に乗っていたい

と思えるほどだった。

 だが社員寮に戻る道中、自身の行動がはたして正しかったのか

自問自答し始めた。

 もちろん急ぎの業務であればお手伝いしたいが僕に出来ない高度な

業務の場合残っていても意味がないし、意味なく残って残業代を頂く

のは会社に対して申し訳ない。

 うん! やはり間違ってないと自身納得し寮の扉を開けると 

管理人さんが「おかえり!」と明るく声を掛けて下さった。

 社員寮ゆえ住人はまだ残業中で当然誰も帰宅しておらずこの時間帯 

はいつも寮には僕一人。

 6畳ほどの部屋にベッドと机が置かれたシンプルなつくりにトイレ、

お風呂は共有だが朝夕食事付きという独身男性にとってありがたい

環境ながら家賃は会社の補助でかなり安く設定されていることに

最近いつも戸惑ってしまう。

 会社から恩恵を受けている分出来るだけ貢献しなければならない

立場なのに現実には一人寮にいる。

 部屋の窓に写る自分自身に向かって再び自問自答するかのように  

呟いた。

 会社は僕を必要としているのだろうか? 

 はたして僕は何の役に立っているのか? 

 こんな僕がお給料貰ってホントにいいの? 

 僕だって会社の役に立ちたい。  

 どんな小さな事でもいい……でも僕にはその能力がないのか。 


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