プロローグ
数年前、 圧倒的な武力で他国を蹂躙し、その名を轟かせた大国『バルハーデン』から戦争が消えた。
バルハーデンに突如として人々を恐怖に染め上げる存在が現れたのだ。
『吸血鬼』 人は彼らをそう呼んだ。
バルハーデンは吸血鬼を駆除することをこの国が最も優先して解決すべき問題と判断した。
しかし、吸血鬼に対する謎は多く、吸血鬼の駆除は困難を極めた。
いつ、どこから現れたのかも不明。決定的な弱点も分かっていない。
分かっていることは、他の生物を遥かに凌駕する身体能力を持っていること。人を襲い、その血を飲み生きること。そして生きたまま吸血された人間もまた吸血鬼となってしまうこと。
最初は吸血鬼の存在さえ都市伝説とされていたが、その独特の繁殖法で少しずつ数を増やしていった。
吸血鬼という存在の台頭によりバルハーデンの人々は狩られる側の立場となった。
強国と謳われたバルハーデンはいつのまにか絶望の国と化していた。
そして、この物語は1人の少年が弟への償いのために、あの日の自分を罰するために、この絶望の国で吸血鬼に抗う物語。
初めて小説を書いたので、意味不明な文章、描写不足、蛇足な文章などがあると思いますが、温かく見守っていただけると幸いです。