今日は言葉が途切れることが多い...
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「やぁ!いい目覚めだね!」
妙に明るい声だ。うるさいので黙ってくれと願いつつ俺はもう一度先ほどと同じように眠りにつこうとする...が、また先ほど聞いた妙に明るい声で目を覚まさざるを得なくなり悪態をつきながら体を起こす。すると、目の前には見たこともない白いワンピースを着た幼女がいるわけもなく、我が愛しの中学3年生の妹が下半身に馬乗りになっており、上半身を起こしたことによりちょっと顔を近づければ唇が当たりそうなまでの距離間で俺は欠伸をする。いきなり起こされ少しイライラしながらも「おはよう」と言い下半身に馬乗りになっている妹に問いかける。
「何をやっているんですか?我が愛しの妹さん」
そういうと少しスカートをめくりパンツが見えるか否かのギリギリの所でとめウフンと妖艶に笑い唇に手を当てながら俺に向かってこう言う。
「何って...我が人生における障害でありなぜ生きているのか疑問に思うほどに軽蔑はしてはいるけど、貞○くらいはもらってあげようと思って?」
そう言うと俺ににじり寄ってくるが俺は面倒くさいとばかりに自分の妹が乗っている布団を自分の方から翻し「きゃあっ?!」といかにも女の子っていう風な声をあげゴロゴロと転げ落ちて行く妹を見ながら言う。
「そこまで嫌われている相手に貞○などやらんわ!」
盛大なツッコミである。転げ落ちて地面に女の子座りで座り目の端に涙を浮かべ、ぷくぅと頰を膨らませてジト目でこちらを見る妹はそのドMにとってはたまらないであろう最高級のジト目を俺に向ける。そのあと開口一番こう言った。
「お兄ちゃんの童○イ○ポ...」
妹はそういうとプイッと顔を背ける。そして俺が「フハハハハハハ...お前は俺の琴」まで言ったところで俺は吹き飛んだ。
「おいバカ息子...我が愛しの愛娘になにしとんじゃーあーーーーー!!!!!」
この声は毎日聞いている。そしてよく吹き飛ばされている。そう思って吹っ飛んでいると窓はいつの間にかオープンしており、吹き飛ばされた勢いのまま窓から、あーーーれーーーと言いながら畑の土に突っ込んだ。
窓をいつの間にか開け窓の外まで飛ばしたのは母である。俺は顔面からべチャッと畑の土に突っ込み倒れ臥す。後ろで怒鳴っているのは今年35を迎える母である。モデルをしていたためスタイルは良く美人である。
そしてそんなモデルがなぜ高校生にもなる息子を吹き飛ばせるのかというと元空手家であり相当な実力を持っているからであろう。殺人系の流派なので一歩間違えればお陀仏であるが、さすがとしか言いようがない技術で吹き飛ばされたため痛くはない。俺もかじっているので受け身くらいは取れるため母も母で最近手加減が無いのは気のせいだろうか?うん、気のせいだ。気のせいだよね?そう思いつつ立ち上がるとそのまま玄関から家に入り汚れた顔を洗い、服を着替え自分の部屋に戻る。
「なんでまだいんだよ...」
帰って来たはいいもののまだ居座っている母と妹である。この母にしてこの娘ありと言うべきか母は美しく妹は可愛いと美しいの中間くらいだろうかあと3年後には美しいと言えるであろう顔である。胸は相反する二人ではあるが、妹には今後の頑張りに期待しよう。
「お兄ちゃん。殺されるのとKILLされるのどっちがい?」
可愛く小首を傾げながら聞く妹に危機感を覚えどっちも変わらんわと内心ツッコミつつ妹をなだめる。
「いきなり何言ってんだよ。俺がなんかしたか?」
俺は冷や汗を背に掻きながらそう言い放つと踵を返し何かに聞かれる前にリビングに行き、急いで自分の分の朝食を食べると母さんから「あの人にご飯よっていってねぇ」と言う伝言をもらいながら外に出る。半袖に半ズボンだがどうせ田舎なので変わらんだろ。
「おぉ、起きたか。おはよう」
そう言ったのはジィちゃんだ。鍬を持って歩いてきたので挨拶を返しながら聞く。
「なぁ、親父は?」
そう聞くとジィちゃんは「あっちにおるよ」と言い俺の隣を通り過ぎた。ジィちゃんに教えてもらった通りに行くと親父は居らず血がその場に残っていた。血痕は森に続いている。俺はその血痕を頼りに歩いて行くと鹿が吊るされており、血抜きが行われていた。そして背後に気配を感じ振り返る。
「お?よう気づいたなぁ。さすが俺の息子だ」
そう言ってニヒルに笑ったのは親父である。血痕は鹿のものだったらしい。
「勘違いする人もいるんだから表の血痕は消しとけよ...あぁ、そうそう、もう飯だから帰ってこいって母さんが言ってたぞ」
「あぁ、分かったよ」
そう言うと鹿をそのままに家に帰る。親父も母と同じ流派なのでそれなりに強いのだが、母の方が強かったりする。まぁ、俺は親父にも勝てないのだが...
親父は帰るが俺は表の道に出ると親父と別れ俺は年季の入った駄菓子屋さんへ向かう。目的はアイスだ。駄菓子屋が見えてくると俺より少し小さいくらいの身長の女の子がシスを選んでいる。近づくのが躊躇われたが、アイスのために近づく。
「すいません。少しどいてもらって良いですか?」
そう話しかけると相手はびっくりしたのかこちらを向いて驚きの顔をする。そしてこんなことを言い始めた。
「この限界集落にこんなに若い人が居たのね〜」
そう言うと少し横にジャンプしてどき「どうぞ〜」と言った。そこで最初から決まっていた昔ながらのアイスキャンデーを取りレジに行く。味はソーダだ。レジにはいつもいるおばぁちゃんが居らず空っぽだった。あれっと思い周りを見回すと先ほどの女の子がこちらに来てレジをしてくれた。
「毎度アリー♪」
と言うとアイスキャンデーを俺に手渡し自分は椅子に座ってレジ台の下から出したポテチを食べ始めた。俺はレジ横のいつもの席に座るとゴミ箱にアイスキャンデーを包装してあったものを投げ込み、アイスキャンデーを口にくわえぼーっとしながらなめていたら、女の子が声をかけて来た。
「ねね、なんでここにいるの?」
「んーとね。俺の母さんの実家に帰って来てんだ」
そう言うとふーんと言い、欠伸をした。そしてアイスキャンデーのボックスの前に行き俺と同じアイスキャンデーのバニラを出し食べ始めた。これも駄菓子屋の娘?孫?の特権だろうか?そう思いながら見ていると良いでしょーとばかりに胸を張る。俺はフンッと鼻を鳴らしまたぼーっとし始めた。すると女の子が俺に向かって言った。
「あー!!バカにしたぁ!!」
そう言うとこちらに詰め寄る。
「もう!!人をバカにしてはいけません!!」
おーおー猛ってる猛ってる。そう思いながら見るが俺がまだバカにしているように見えたのかまた言い出した。
「だぁーかぁーらぁー!!人を」
女の子が最後まで言うことができずに光の包まれ消えて行った。俺はとっさに駄菓子屋から飛び出し屋根に登る。
「ふぅ、よくパルクールみたいなことを友達とやっていたのでよか」
俺はそこまで言いかけ俺の意識は途絶えた。
この日、日本から、いくつかの、限界集落が消えた。