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強羅ウサギとの攻防

俺は、冒険者だ。


冒険者は、冒険者ギルドに登録する。


登録すると、ギルドが発行するクエストを受けることができるのだ。



******


「またお前か・・・」


「ブモォ・・・(モグモグ)」


 本日3回目の強羅ウサギとの邂逅。


 リョージは心が折れかけていた。


「うーん、やっぱりその辺の果物じゃだめなのか・・・?」


「ブッモ・・・?」


 捕獲対象のドルーナである、ピッチちゃんの好物。


 それは、高級食材『ロウメの実』だった。


 好物で釣ろうと作戦を立てたリョージだったが。


 ロウメの実を用意することは無理なので、


 その辺の木に生っている果実で代用したものの、


 罠にかかるのは強羅ウサギばかり。


 それでも一度だけ、ドルーナがかかったこともあったのだ。


(対象でない野生のドルーナだったが)


 だから、方向性は間違ってないと思うのだが・・・。



 何かヒントはないかと、再びクエストの依頼書を見るリョージ。


「えーと・・・、『ピッチちゃんは、美人が好き』・・・。


 だめだ、これじゃないな・・・。


 他には・・・何か・・・、ああ、これか・・・」


 『ピッチちゃんの大好物』の欄には、続きがあった。


「『魚肉ソーセージ』、ねえ・・・」


 街でこれを読んでいれば、買ってこられたのだが、


 それを今言っても仕方がない。


 リョージが持っている食料は、携帯食料と水だけだ。


 ソーセージなんて持ち合わせてはいない。


 だから、最初から無視していた情報だったのだが。


「・・・ん? 待てよ・・・。肉・・・」


 リョージの目の前には、


 モシャモシャと果実をむさぼるモンスターがいる。


 こちらのことを気にするでもなく、のんきに咀嚼している強羅うさぎ。


(・・・ゴクリ)


 

 ここは、ドルーナの生息地で、強羅ウサギの巣もある。


 もしかして、ドルーナって強羅ウサギを食べてるんじゃないか・・・?



 そんな結論に至ったリョージ。


 ぎらついた目で獲物を見つめる。



 ふと、何かを感じたのか、頭を上げた強羅ウサギ。


「・・・・・・」


「・・・・・・」


 両者の視線が交錯する。


 見つめ合う人とモンスター。


「(・・・じりっ)」


 にじり寄るリョージ。


「ウ゛・・・?」


 後退する強羅ウサギ。





【戦闘BGM開始♪】



 野生の強羅うさぎが飛び出してきた!



「と、とりゃぁーーーーー!!!」


 リョージは強羅ウサギに飛びかかった。


「ブモォーーーーーーーー!!!」


 強羅うさぎは、回転しながらそれを避ける。


「べふっ」


 リョージは地面に激突!


 顔面に10のダメージ!


「ヴモー・・・w」


 強羅ウサギは、ニヒルな笑みを浮かべ、


 その場を立ち去った・・・


~~~~~~~~~【戦闘BGM終了】




「くっそぉ!」


 地面を叩いて悔しがるリョージ。


「い、生け捕りにしようと思うから難しいんだよなっ。


 そうだ、俺が欲しいのは・・・・・・フフ、アハハハ!!!」


 リョージは、空に向かって吼える。


「見てろよ!


 次は仕留めてやるからな!」


 

 疲れのせいでテンションがおかしくなっているリョージ。


「待ってろよ! 強羅うさぎ!!!」


 すっかり本来の目的を忘れていたのだった。

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