冒険者一行
ファイさんと食事の約束をした日。
俺はだいぶ早くから街へと出かけていた。
「ちょっと早く来すぎたかな…」
でも、ファイさんを待たせてしまったら悪いと思う。
ここは飲み屋街で、少し入り組んでいる。
もし迷ってしまったらと思うと
いても経ってもいられなかったのだ。
待ち合わせの場所近くで時間を潰す。
何気なく周りを見ると、
まだ日は高いが、酒を煽っている人たちもいる。
そんななかで、俺はある団体が目にとまった。
「アハハ、さすがサイモンさんっ」
「俺、サイモンさんについてきてよかったっす!」
屋外のテーブルで賑やかにしている一行。
恰好からすると、冒険者だろうか。
一仕事終えたという感じで、皆いい感じに汚れている。
俺は見たことのない人たちだけど、
もとより他の冒険者と交流のない俺が
知らなくてもおかしくはないだろう。
それに、よそから来る冒険者だっていてもおかしくないのだ。
何か大きな仕事が成功したのだろうか。
テーブルには様々な料理が運ばれ、
彼らはジョッキで酒を煽っていた。
そんななかで、一人もそもそと食事をとっている人がいるのが目についた。
皆が大騒ぎしている中、一人暗い顔をしている。
周りの人たちは酒が入っているし気づいていないかもしれない。
俺は何となくその人のことが気になって見ていた。
まだ少年と言ってもおかしくないだろう。
年のころからして、何だかクロル君を思い出す。
俺が見ていると、メンバーの一人がその子に話しかけた。
「おいロビン。何遠慮してんだ?」
「え、いや…」
その子はロビンと言うらしい。
恐縮した様子のロビンに、他のメンバーも声をかける。
「ほら、お前の手柄でもあるんだぞ。
もっと食え食え!」
そう言って、料理が山盛りになった皿を差し出すメンバー。
「あ、ありがとうございます!
いただきます!」
ロビンは、その皿の中身をがつがつと腹へとおさめ始める。
「ガハハ、そうだ。サイモンさんのおごりだからなー。
たんと食えよ~」
「はいっ」
さっきまでの暗い感じは、嘘のように
ロビンは笑顔で食事を続ける。
満足そうな顔をしたメンバーたちは、またすぐに気が逸れて
他のメンバーと騒ぎ始める。
それをちらりとみやったロビンは、匙を置いて息をついた。
そして、隣の人に何やら耳打ちすると
そのまま席を立つ。
そうして、裏路地の方へと歩いて行った。
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その子はなかなか帰ってこなかった。
それでも、酒が回っているからなのか、
他のメンバーは気にした様子がない。
俺は、何となく心配になって様子を見に行くことにしたのだった。




