捕獲作戦開始
「よし、戻ってきた…」
魚を抱えて移動したファイとリョージ。
そこには、変わらずドルーナの群れの姿があった。
そして、その外れには…
「よし、ピッチちゃん発見!」
カシカシと草を齧るピッチちゃんの姿があったのだった。
「ファイさん、あれです」
「あの個体がピッチちゃんですか」
「はい、じゃあ、ちょっと捕まえてくるので
ファイさんはここで待っていてください」
そう言うと、リョージは魚を手にピッチちゃんの元へと向かった。
「ピッチちゃ~ん」
リョージは、ゆっくりとピッチちゃんの元へと近づいてく。
「シュー?」
「そうそう、魚だよ?」
いつもと違うリョージの様子に、ピッチちゃんも興味を持った様子である。
何を持ってるの? と言いたげに首を傾げるピッチちゃんに、
リョージもつられて首を傾げる。
「シューッ?」
「ほら、こっちに来たらあげるよ~」
ちょいちょい、と魚を揺らしてアピールするリョージ。
ピッチちゃんは、首を傾げながらも魚の動きを目で追っているようである。
リョージはこれはいけそうだと思った。
その手ごたえが顔に出たのか、またピッチちゃんの動きが止まる。
「ほら、魚だよ」
魚効果なのか、すぐに逃げ出すことはなさそうだ。
だが、リョージに対する警戒はまだ続いているようである。
「んー? どうしたもんかな?」
そもそもピッチちゃんは、魚肉ソーセージが好きなのである。
「とすれば、ミンチか…?」
魚丸々だから、魚肉ソーセージの原料だとは分からないのかもしれない。
そう思ったリョージは、魔法を行使しようとしたのだが。
「シューッ!」
「あっ」
自分が攻撃されると思ったのか、ピッチちゃんはリョージから距離を取ってしまった。




