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釣れました

 ぶよんと膨らんだキシャーを見て、ファイさんは言った。


「こういう状態になったら、


 属性魔法をかけます」


「ぞくせい…?」


 ファイさんの言うことがよく分からないが、見ていれば分かるだろうか。


 ファイさんは、スパイダーの糸を通して魔力を注いでいく。


 それまでの微量のものとは違う。


 もっと濃くて発動力の高いものだ。


 すると、それまで激しい動きをしていたキシャーがみるみる大人しくなる。


「あとは、糸が切れないように気をつけながら引き上げます」


 そう言って、ファイさんは糸を縮ませていく。


 やがて、水中に現れた糸の先には…


「あ…釣れてますね」


 くったりと力を失った魚と、それを分かれた脚?で掴んでいる


 タルグルがあったのだった。



「すごい、どうして魚が大人しくなってるんですか?」


 さっきまで川を泳いでいたのであろう魚は、


 今はその動きを止めている。


 外傷などはなさそうだ。


「これは、凍結の魔法で動きを止めたのです」


「へえ、そうなんですか…」


 確かに、魚に触れてみると随分と冷たくなっているようだった。


 凍っているとまではいかないけれど、


 魚の体温よりは確実に低くなっていると思われた。


「このタルグルは、水につけると動く生き物に掴みかかる性質があるのです。


 それで、魔力耐性も高いので少々の魔法では影響を受けないというわけです」


「なるほど…」


 つまり、あのキシャーが魚を捕まえたところを


 魔法で動きを止めて引き上げるということだろうか。


「魔法は何でもいいんですか?」


「はい、魚の今後の使い道と、水の中であることを考慮した方がいいとは思いますが。

 糸とタルグルを通してダイレクトに効果を当てられますからね。


 あまり神経質になる必要もないですよ」


「そうですか…」


 凍結というのは、それでも加減が難しそうである。


「まあ、何とかなるかな」


 ようやく釣りの仕組みを理解した俺は、


 早速自分でも魚釣りに挑戦することにしたのだった。

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