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でんでん

 巨大な蜘蛛型モンスターとの攻防?で糸を手に入れたリョージとファイ。


「さて、次は餌ですね」


「はい」


 リョージは、河原の石をひっくり返す。


 こういう湿った石の裏には、線虫がいる。


 その線虫を餌にするといいというのは、前世の友達から教わった方法だ。


「? リョージさん、こっちですよ」


 しかし、ファイが指さしたのは茂みがある方角だった。


 リョージは、ああ、湿った土にいるミミズの方を狙うのかと思ってついていく。



******

 

 茂みの中には、背の低い木が生えていた。


 ハート形の葉っぱが特徴的な木である。


 その木の周りを、ファイは何かを探すように歩き回る。


「あっ、いましたね」


 やがて、何かを見つけたのか、ファイはちょいちょいとリョージを手招きする。


「リョージさんっ、こちらです」


 リョージは首を傾げつつも、ファイの方へと歩いていく。


 しっとりと濡れた土を踏みしめ、ファイがいる木の裏へとたどり着いた。


「あ・・・これは・・・」


 リョージはそれを見てデジャブを覚えた。


 前世の記憶にあるその形と寸分違わぬ形状。


「・・・かたつむり・・・」


******


 かたつむりと言えど、その形状が一緒と言えど、違う点はある。


「きれいだな・・・」


 かたつむりの殻は、ピカピカと光っていた。


 よく見ると、木のいたるところに光が見える。


 赤や黄色、青にピンクと様々に光っているかたつむりたち。


「これを使うと魚がかかりやすいそうです」


「そうなんですか・・・」


 リョージは、メタリックに光るボディを見て思った。


 カタツムリで釣りをするというのは、あまり想像できないが、


 まあ、ルアーだと思えばおかしくないのかな、と。


「では、いくつかとったら行きましょうか」


「はい」


 こうしてリョージとファイはしばらく虫取りを楽しんだ後、


 再び河原へと移動したのだった。

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