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平凡希望しかし現実苦し  作者: 澤木弘志
序章
10/56

一晩明かしてみよう 3

果物のなる木と言えば思いつくのがリンゴ、ブドウ、イチジク、梨、柿、桃あとは栗で松とかサクランボの桜くらいかな。他にもあると思うが今は思いつかない。

成る季節も成長具合もばらばらだし原種のままだとまずくて食べられないモノもあったはず。

適度に美味しく大きなものが良い。腹も膨れるしね。あと、気付いたけど果物って大体水分過多なモノばかりだけど、これって水飲んでんのと大して変わらない気もする。まぁ味があるだけましと思うとしよう。

で、この能力なんだけど元素を操る能力と違って微調整とかの制御がうまくいかない気がするんだ。

つまり、毎回大規模になる可能性が大ってこと。

そうなると大木どころではなく天まで届かんばかりの巨木になる可能性が…

めいいっぱい抑え込んで制御するけどうまくいくかな?

失敗したら…高すぎて果物取れなくない?


本末転倒だ…




なんだか落ち込んだり慌てたり、項垂れて焦ったり…ここに来てから慌ただしいなぁ。

昔から友人にどんな状況でも落ち着いてるねと言われ続けたけどここではその言葉を返上することになりそうだ。

さて…やるか!


かがみこんで小さく両手を地面に押し付け念じる。イメージは芽が生えたばかりの木だ。たぶんそれ以上はヤバい気がする。

果物は分かってもその成る木の選別ははっきり言って分からんので、もう果物が成っている想像も加える。

どうなるかはやるだけやってみないと分からないが保険として背丈ぐらいの高さのイメージを強く思い描いて実践開始!


結果…

大木になった。

もうね、状況を語ろうと云う気が起きないって言う疲労感。特に精神面で。

なんであんなに強く低い高さを想像してもその5、6倍の高さが生まれるんだろう?

裏切られて凹むよ。私の想像力が駄目なんだろうか…

とにかく肝心の果物だ。これが無かったら無駄な精神疲労をしただけになる。

本当は一本ずつを想像していてリンゴの木だけだった。伏線的に他の果物の種類を考えてはいたけど後でしようと思っていたんだ。

なのに、現実では九本の大木が囲むように立っている。多少周りの木も成長して高くなっているせいもあるが圧巻の一言。

まるで自分が小人になった気分だよ。

たぶん九本全部種類が違うはずだ。若干違いが見れるし枝の先に果物が成っているのが見えた。

手前のリンゴを筆頭にブドウ、イチジク、梨、柿、桃、栗、サクランボがたわわになっているのを発見。良く見たら大木の果樹の周りの木が変化していた。

背が高くなっていただけかと思ったらそれぞれの果樹に変化していたのだ。

はあぁ!?

ってなった。本気に意味が分からない。

まだ九本は理解できる。少しだが種類の果物を考えていたから。でも周りの木まで果樹に変えるとは思わなかった。

全部見ないと分からないがこの中心にある九本の大木果樹の周り一帯が変化したのだろう。全部が全部果物が成っているのが見えるし…

水源樹林全体がそうなったとは思えないけど…まんま果樹園の出来上がりだな…




本来の果樹とは違うだろう木だ。気候も土地も全く異なる場所で栽培される果樹を同時にイメージだけで創りだしたのだから。

だからこの果樹はもうここにあるだけで新たなオリジナル果樹になってしまっている。

だって、果物の大きさも桁違いだ。

なんでサクランボがスイカ大の大きさになるんだ?

本来なら一番小さいサイズであるサクランボがその大きさなのだからほかは云わずもが特大サイズ。

はっきり言って持てない。

その規格外サイズのものは目の前にある基になった九本だけのようで、その後ろに並び立つ果樹は多少本来より大きめながらあり得ないほどの大きさではない。

木の大きさからして果物も大きいのはまぁ仕方ないにせよ、大きすぎるだろう…

これ、果実が落ちていたら事故にならないか…?



木も高いし果実はでかくて重いので採取するのが困難を極めた最初の九本を除いた、まだましな高さの他の果樹の果実をどうにか採取して異世界に来て初めての食事を開始した。








月は真上に位置していて爛々と森を照らしている。








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