1:玄関前の約束
・駄文の可能性あり
・初心者
・誤字の可能性あり
以上のことがあっても「おk☆」な方はどうぞ。
——関東地区某所鳥見町
何処にでもあるごく一般的な町のごく一般的な住宅街にその家はあった。
「………」
しかし、この物語の主人公である少年の部屋からは物音一つ聞こえて来ない。
強いて言うならば、寝息ぐらいだろう。
『秋兄ぃぃいい!!早く起きないと遅刻するんだからね!!』
と言って勢いよく主人公よりも先に現れたのは、綺麗に結われた黒髪のツインテールにそれと同色の瞳の少女…もとい、妹である旋定 美奈《センジョウ ミナ》と、その双子の兄弟である短髪の少年、旋定 未来《センジョウ ミキ》だ。
「だあ〜っ!!毎日毎日朝から煩ぇんだよ!!」
と、双子に負けず劣らず喚いているこの少年こそが主人公こと旋定 秋《センジョウ アキ》である。
こちらも双子と同じ同色の短い髪と瞳。そして、まだ目が覚めきっていないのか、少し気怠げなオーラを醸し出している。
そんな様子の秋に双子はきゃ〜、とわざとらしく叫びながら部屋を飛び出していく。
はぁ、とため息をつき、部屋のカレンダーに目を向けると、今日の日付にはしっかりと【祝日】の文字が
書かれている。
「…はぁ、昨日あんだけ言ってたってのに……」
本日二度目の溜息を漏らすと、ふらふらと居間向かった。
扉を開けると、そこには案の定。弁当の用意をしている祖母と母にスーツを着込んだ父、その脇には
いつものようにはしゃいでいる双子の姿—もちろん二人ともランドセルを背負っている—。
やっぱりこうなるとは思ってたけどさ、何で家の連中は、
「まともな人間が一人も居ないのかね?」
「あら、起きてたの?朝ご飯の用意はそこに…」
「今日、祝日だけど」
『………』
その場にいる秋以外の人間が一斉に固まる。
そんな重い空気の中、秋だけは黙々と朝ご飯を食べている。
秋はご飯を食べ終えると、沈黙など完全にスルーして新聞を取りに玄関へと向かった。
——とある学校での失敗
「な、なぁ。これ…どうするんだ……!?」
「そ、そんな事言われたって…ねぇ?ミール?」
「えっ?あ、うん。そうだけど…さすがにこれはヤバいんじゃ…?」
絶望した顔の男女三人が訓練室の片隅で溜息をついていた。
上から、ユキ、エレナ、ミールの順である。
今彼らがこの人気の無い訓練室に集まっているのは、とある無断訓練の失敗についてであった。
こんな事がもしも上層部にでも知れたとすれば退学なんて軽い処罰ではすまないだろう。
彼らはそれほど重大な罪を犯したのだ。
「でもさ、こんな事が誰かにバレたら…ヘタしたら地獄行きも考えられ…」
「そんなネガティブな事ばっか言わないの!!」
『エレナ、声押さえて』
「ご、ごめん…」
「でも、SEを無許可で勝手に操作した時点で結構重罪なんじゃないのか?」
「もっと緊張感持ちなさいよ」
「緊張感なんて持ったところで今更どうにもならないだろ?」
「何よその言い方!?私は真剣に考えて…」
「ふ、二人とも…」
「そんな風に真剣に考えているからお前の考えには柔軟性ってものが…」
「二人とも…!」
『煩い!!』
二人は振り向いたが、そこにはミールの姿がなかった。というわけではない。
それよりももっと残酷な…
「せ、先生…どうしてここに…?」
ユキが恐る恐る見上げた先には朗らかな笑みで二人を睨みつけている彼らの担任教師と、
その隣に居る青褪めた表情のミールがいて、だから言ったのに…、と言いたそうな顔をして怯えている。
「さて、さっきの話、詳しく聞かせていただきましょうか?」
そして、悪魔が微笑んだ。
——in 玄関
「…、……。………っっ!?」
秋は扉を開けたまま固まっていた。
ありえない、いや、これは絶対にあってはならない事だろ?それに何で今俺ん家でなんだ?
次々と浮かび上がってくる疑問に自問してみるが、自分自身その問いに答えられそうになかった。
もちろん、答えが分からなかったというのが一番の理由ではあるが、それ以前に秋はちょっとした恐怖心を感じていた。
少しではあるが確実に目の前の存在に恐怖していた。
この14年間生きてきて全く関心を持たず信じていなかった存在である幽霊が目の前にいるのだ。
始めはただの人だと思っていたが、うっすらと透けた身体に生気の感じられない病的な白い肌を見て確信した。この世の存在ではない、と。
その幽霊は、日の光に当たって茶色気を増したセミロングの黒髪に、それと同色の黒い瞳の秋と同じか一つ下くらいの年齢の少女だった。
彼女は秋の存在に気づくと、彼女の口はうっすらと弧を描いて悲しげに笑った。
ぐだぐだ過ぎて終わってますが、最後まで読んでくれてありがとうございます!
今のところあまり話の発展はありませんが、これからどんどん進めていくつもりなので、
次話も読んでいただけると嬉しいです。