第9話:王女様の「アフターケア」は、密室で行われる
昨夜は一挙投稿にお付き合いいただきありがとうございました!
本日も日曜日ということで、気合の5本連投でお届けします!
第9話は、元気になりすぎた王女様との再会。
枢のクールな対応に、王女様の反応は……?
魔族たちとの密会を終え、枢が自室に戻ると、そこには意外な人物が待っていた。
「枢様! お帰りをお待ちしておりましたわ!」
この国の第一王女、セレスティアラである。
昨日の土気色の顔が嘘のように、頬は薔薇色に染まり、瞳は爛々と輝いている。
「……王女様。夜分にどうされましたか。もう体調に異変が?」
「いえ! むしろ逆ですの。あまりに体が軽くて、じっとしていられなくて……。ベッドに入っても目が冴えてしまい、気づけばこちらへ足が向いておりました。これはいわゆる『好転反応』というものでしょうか?」
「よくご存知ですね。ですが、元気すぎて眠れないのも困りものです。今のあなたは、気が昂りすぎて『交感神経』が過剰に働いている状態。……いわば、体が戦闘モードのままなのです」
枢は彼女を椅子に座らせ、その細い手首に触れた。
(……脈が速い。だが、これは気の昂りだけではないな)
指先から伝わる鼓動は、治療への期待か、あるいは彼という男への緊張か。
「少し、落ち着くツボを刺激しましょう。……失礼しますよ」
枢の指が、手首から肘に向かって三寸、二本の筋の間にあるツボ『内関』に触れる。
「ひゃっ!? ……あ、あの、枢様……手が、とても温かいですわ……」
「……全神経を指先に集中させているからです。深く、鼻から吸って口から吐いてください」
枢が親指でじわりと圧を加える。
「っ……! 痛い、ですけれど、なんだか胸のあたりがスーッとしていくような……」
「心痛や動悸を鎮めるツボです。……あなたは王女として、常に気を張っていた。体が治ったことで、その反動が一気に来ているんですよ。もう少し自分を甘やかしなさい」
枢の低く落ち着いた声と、正確な指圧。
王女の荒かった呼吸は次第に穏やかになり、気づけばその瞳はトロンと潤んでいた。
「……なんだか、とても安心いたします。枢様……次は、いつ診てくださいますか?」
「体調に問題がなければ、次は必要ありませんよ」
「……そんな! それでは、私が困りますわ!」
不満げに頬を膨らませる王女。どうやら彼女は、病ではなく、別の「熱」に浮かされ始めていた。
王女様、完全に「枢信者」の仲間入りですね。
本日はこの後、20時に本日最後の第10話を更新します!
ついに「あの男」が再び現れ、物語は急展開を迎えます。お見逃しなく!




