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『異世界で「ツボ」を突いたら神と呼ばれた件 〜指一本で魔王も聖女も救い出す、世界唯一の最強聖鍼術〜  作者: 鍼灸師いのぴー
【第二章:鋼鉄の帝国と腐敗の科学】

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第48話:歪んだ設計図、黒幕の往診票

お読みいただきありがとうございます!


動力炉に仕掛けられていたのは、あまりにも歪な「呪いの設計図」。

ついに姿を現した黒幕・ヘイズ博士により、街全体が実験場へと変貌します。

苦しむ数万の市民を救うため、くるるが選んだのは、前代未聞の「街への往診」。

湧泉、霊台……己の命を削り、大地の経絡を書き換える聖鍼師の咆哮が響く!

1,700文字超の超絶展開、どうぞお楽しみください!

 暴走を停止し、黄金の輝きを取り戻した魔導動力炉『ガレリアコア』。

 静寂が戻った炉の基部で、くるるは一箇所、異様に気がよどんだ回路の接合部を指先でなぞった。


「……やはり、これは『故障』ではありませんね。……意図的に気の巡りを逆流させるよう、設計段階から仕込まれた『呪印』です」


 枢が指摘した場所には、肉眼では見えないほど微細な、だが確実に周囲のエネルギーを汚染する黒い文様が刻まれていた。

 制御室から駆け下りてきたカシム将軍が、その言葉に顔を険しくさせる。


「設計段階だと? ……この炉は帝国最高軍事顧問、ヘイズ博士の直轄プロジェクトだぞ。……彼が自国の心臓部を破壊しようとしたというのか?」


「破壊、ではありません。……不純な魔力をあえて街に漏らし、市民や兵士を『実験体』として変化させるための、巨大な苗床なえどこにしようとしたのでしょう」

 枢は往診バッグを肩にかけ、鋭い眼差しを将軍に向けた。


「……将軍。あなたが救いたいと言ったあの野戦病院の兵士たちも、この炉の暴走が生み出した『副産物』に過ぎない。……この街全体が、一人の狂った学者の診察台にされているのです」


 その時、制御室の巨大モニターがノイズと共に切り替わった。

 映し出されたのは、冷徹な銀縁眼鏡をかけ、白衣を纏った男。帝国最高軍事顧問、ヘイズ博士だ。


『……素晴らしい。まさか、東洋の古臭い医術で、私の傑作である「魔導炉の不完全性」を補完する者が現れるとは。……聖鍼師・枢殿、と言いましたか』


「……不衛生な画面越しに、勝手に患者の容態を語らないでいただきたい」

 枢はモニターを見上げ、吐き捨てるように言った。


『ククク、手厳しい。……だが君の技は、私の研究を完成させるための最後の一欠片ピースだ。……君が施した「気の調整」のおかげで、この炉はもはやただの動力源ではない。……神を創り出すための「子宮」へと進化した』


 モニターの中のヘイズが指を鳴らすと、アイアンロックの街全域に、不気味な重低音のチャイムが鳴り響いた。

 それは、市民たちに埋め込まれた「未登録の魔導チップ」を強制起動させる信号だった。


「なっ……! 街の人たちが、苦しみ始めています!」

 リナが窓の外を見て叫ぶ。街中で人々が胸を押さえ、その体からどす黒い魔力が漏れ出し始めていた。


「……なるほど。炉を安定させた直後の、最も澄んだ気が流れるタイミングを狙いましたか。……悪趣味な外科手術ですね」


 枢は再び、バッグから三本の銀鍼――**『万霊鍼ばんれいしん』**を抜き放った。

 今回の患者は、目の前の機械でも、一人の兵士でもない。

 この「街全体」の気の流れだ。


「将軍。……私はこれから、街の経絡を強引に書き換えます。……あなたの部下たちに命じて、街の四方にある『鐘楼』を同時に鳴らさせなさい。……音の震動を、私の気の媒介にします」


「……無茶だ! そんな広範囲の気を一人で制御するなど……!」


「……できますよ。……私は聖鍼師ですから」

 枢は自身の足元――大地そのものにあるツボ、**『湧泉ゆうせん』**へと、一本の鍼を深く突き立てた。


 湧泉は足の裏、エネルギーが泉のように湧き出る場所。

 そこから枢の純粋な翡翠の気が、大地の経絡(龍脈)を通じて街全体へと広がっていく。


「リナ! 私の背中にある**『霊台れいだい』**を、この鍼で突きなさい! 躊躇はいりません、一寸五分、真っ直ぐに!」


「は、はいっ! ……えいっ!!」

 リナが震える手で、枢の背中の中央、魂の宿る場所とされる『霊台』に鍼を刺す。

 枢の意識が拡張され、街を歩く数万人の鼓動と気の揺らぎが、一本の糸のように指先に伝わってきた。


「……繋がりました。……さあ、ヘイズ博士。……あなたの汚い設計図、私が全て『書き換え(リライト)』てあげましょう」


 枢の全身から、街一つを包み込むほどの巨大な翡翠の光が溢れ出す。

 それは、帝国の鉄の街を包み込む、世界で最も贅沢な「往診」の始まりだった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


枢さん、ついに自分の体まで使って「街全体」を治そうとしています……!

今回登場した『湧泉ゆうせん』は、実際にも「元気の源」とされるツボで、ここを刺激すると疲労回復や足の冷えに抜群の効果があります。

そして『霊台れいだい』は、精神を落ち着かせ、集中力を高める要所。リナちゃん、よく頑張って刺しましたね……!


ついに宿敵ヘイズとの戦いが始まりましたが、枢さんの銀鍼は彼の歪んだ野望を貫けるのか!?


「街全体を診察対象にするなんて、スケールが違いすぎる!」

「リナちゃんとの師弟連携、熱い展開になってきた!」


と思っていただけましたら、ぜひ**【評価(☆☆☆☆☆)】**やブックマークをお願いします!


次回、第49話は本日**【21:00】**に更新予定。

日曜ブースト、ラストを飾る衝撃の結末。

枢の翡翠の光が、鉄の街に奇跡を起こす――。

最後まで、どうぞお付き合いください!

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