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『異世界で「ツボ」を突いたら神と呼ばれた件 〜指一本で魔王も聖女も救い出す、世界唯一の最強聖鍼術〜  作者: 鍼灸師いのぴー
【第五章 : 神代再編・枢復活編】

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第456話:オアシスの危機、汚染される水源と枢の放つ清流の穿刺

砂漠の交易都市サジタリアの命の源である中央オアシスが、闇の医療ギルドの刺客たちによって黒く汚染されていきます。

水源を破壊し、さらなる絶望を撒き散らそうとするギルドの非道に対し、一人の鍼灸師としての白銀の聖鍼が、人々の命の水を死守するための決死の穿刺を敢行します。


「おやおや、闇の医療ギルドの装甲兵さん。人々の命を繋ぐ大切なオアシスの水源をそのように汚しては、一人の鍼灸師として絶対に見過ごすわけにはいきません。リナさん、ガストン、シオン、彼らの攻撃から身を守りなさい。ウイルスの熱邪がどれほど激しく水分を奪おうとも、私の銀鍼が今、あなた方の身体に清らかなる命の清流を呼び覚ましてみせましょう」


12時、日曜昼の更新。オアシスの危機、汚染される水源と枢の放つ清流の穿刺。

暗黒の毒素がオアシスを侵食する中、白銀の聖鍼が、絶望の淵で人間の水分循環を完全調律する至高の穿刺を敢行します。

 交易都市サジタリアの中央に位置する広大なオアシスは、かつて美しい琥珀色に輝く清らかな水を湛えていたが、突如として現れた闇の医療ギルドの漆黒の魔導装甲兵たちが不気味なカプセルを投げ入れた瞬間、その様相を一変させた。

 カプセルから溢れ出たのは、ウイルスの毒素を極限まで濃縮したドス黒いヘドロ状の液体であり、それは瞬く間にオアシスの清流を汚染し、周囲の大気へと凄まじい腐食性の熱気となって拡散し始めた。

 装甲兵のリーダーが、重厚な鉄の仮面の奥から冷酷な笑い声を上げる。


「ハハハ! 湧泉と照海の術式とやらで個人の乾燥を食い止めたところで、都市全体の命の源であるこのオアシスが死に絶えれば同じことだ! この『黒砂の熱毒』は、触れた者の体内にある水をまたたく間に沸騰させ、泥水へと変える悪魔のウイルスよ!」


 彼らが構えた魔導銃から、汚染されたオアシスの水を媒介にした黒い水弾が容赦なく撃ち出され、ドックのレンガを激しく溶かしていく。

 リナが短槍を旋回させて水弾を弾き飛ばそうとしたが、その水弾が弾けた瞬間に立ち上った猛烈な熱邪の霧が、彼女たちの肉体を直接包み込んだ。

 ガストンが携帯型の計測器の数値を一瞥し、その顔を驚愕に変えた。


「だめだ……、この熱毒の霧、僕たちの体内にある水分をコントロールする『膀胱ぼうこう』の経絡へとダイレクトに侵入してきている! 体内の熱を外に逃がすための排泄機能が完全にストップして、内臓がどんどん熱で茹で上がっていっちゃうよ……!」


 シオンが足元をふらつかせ、全身から信じられないほどの大量の嫌な汗を噴き出しながらその場に膝をついた。

ウイルスの熱邪が人間の下半身の水分代謝をパニックに陥れ、体内に猛烈な湿気と熱を溜め込ませることで、急激な尿閉状態と内臓の高熱を引き起こしていたのだ。

ハクが焦ってオアシスの水を浄化するための薬草を投入しようとするが、ギルドの装甲兵たちが放つ熱毒の勢いは増すばかりで、水面は不気味な黒い泡を立てて沸騰し続けている。

一行の肉体が内側から熱邪に侵食され、水分の循環機能を失いかけたその時、枢だけは微塵も動じることなく、その白銀の瞳に一人の「鍼灸師しんきゅうし」としての絶対的な誇りを宿した。


「おやおや、闇の医療ギルドの皆さん。水を汚し、人間の体内の水門を塞いで命を弄ぶとは、実に行儀が悪いですね。一人の鍼灸師として、私の目の前でこれ以上の汚染を許すわけにはいきません」


 枢は流れるような所作で往診鞄から、氷のような冷涼な輝きを放つ「氷晶白銀鍼ひょうしょうはくぎんしん」を二本、電光石火の速度で指の隙間へと挟み込んだ。

 まず彼が向かったのは、熱邪の霧を浴びて下腹部に激痛を訴えていたガストンの元であった。

枢の指先が、ガストンの足の外くるぶしの後ろ、アキレス腱との間にある、全身の水分代謝と熱の排泄を司る最大の要穴へと触れた。


「足の太陽膀胱経の、崑崙こんろんを穿ちます。ここは体内の異常な熱を引き下げ、ウイルスによって下半身に滞っていた『湿熱(濁った水分)』を一気に下へと押し流して排泄させる、無上の名穴です」


 枢の氷晶白銀鍼が、ガストンの足の崑崙へと、衣服の上から完璧な角度と深度で刺入された。

氷のように清らかな気が彼の膀胱経へと直接注入され、内臓を焼き焦がそうとしていた強烈な熱気が、足元からアースされるようにスーッと抜けていく。

さらに枢は即座に、ガストンの膝の真後ろ、関節の横しわの中央にある、全身の血流と水分の濁りを完璧にろ過する究極の関門へと、二の刺しを神速で穿ち込んだ。


「続けて、同じく膀胱経の合穴、委中いちゅうを刺激します。崑崙の熱引きと、委中の利尿排毒ルートを完璧に同期させることで、体内に溜まったウイルスの毒素を清らかな水分循環へと調律しなさい!」


 崑崙と委中という、東洋の医術における最高の利水排毒の連携が施された次の瞬間、ガストンの全身から「はぁぁっ!」と、肉体を蝕んでいた禍々しい熱の蒸気が、皮膚の毛穴から一気に排出された。

下腹部を襲っていた激しい激痛と内臓のほてりは一瞬にして完全に消失し、それどころか、彼の身体の周囲には、熱毒の霧を一切寄せ付けない、冷涼で瑞々しい生命のオーラが立ち上り始めたのだ。


「あ……、身体の中が、すごく涼しくなってきた! 喉の焼けるような痛みが消えて、お腹の底から綺麗な水が巡っていくのがわかるよ! 先生、僕、もうあの熱い霧なんて全然平気だ!」


 ガストンが元気よく立ち上がる中、枢はその神速の身のこなしを維持したまま、倒れかけていたシオンとリナに対しても、崑崙と委中への完璧な連続穿刺を完了させていった。

三人の周囲に展開された冷涼な水分の防壁は、装甲兵が撒き散らす熱毒の霧を完全にシャットアウトし、逆にその邪気をおぞましい装甲兵たちへと激しく押し戻していく。

リーダーは手にした魔導銃を激しく震わせ、信じられないという絶望の声を上げた。


「バカな……! オアシスの水源ごと汚染した我がギルドの熱毒が、ただの数本の銀鍼によって、完全に無害化されていくだと……!? 貴様、一体どのような術式を使った……!」


「特別なことは何もしていませんよ。私はただの鍼灸師です。あなた方が汚した体内の水門を開き、人間が本来持っている『水を巡らせ、濁りを排泄する』という健やかな循環を取り戻したに過ぎません。さあ、命の防衛線は整いました。今度は、その汚されたオアシスの水源を、本来の美しい姿に戻す番です」


 枢が静かに二本の銀鍼を抜き取り、往診鞄へと収めたその時、彼の白銀の瞳が、オアシスの最深部へと向けられた。

ウイルスの本体が、オアシスの底にある古代の魔導湧水コアと融合し、周囲の全水源を完全に腐食させるための「暗黒の毒液」を大量に噴出し始めたというのだ。

一人の誇り高き鍼灸師としての技が、今度は大自然の水源そのものを治療し、都市の命の灯火を死守するための、さらなる決死の治療劇の幕を上げようとしていた。


 つづく。


 5月24日(日)12:00、オアシスの危機。

 鍼灸師・枢。崑崙と委中の術式で熱毒のウイルスの暴走を完全に防御し、汚染された水源の核心へと迫る。

 本日21時、日曜夜の定期更新は、第457話「水源の調律、魔導湧水コアの覚醒とハクの放つ奇跡の清流」へと突入します!

 第456話「オアシスの危機、汚染される水源と枢の放つ清流の穿刺」を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。


 砂漠の交易都市サジタリアの命の源である中央オアシスを舞台に、人間の水分代謝を内側から焼き切る恐怖の「黒砂の熱毒」を撒き散らす闇の医療ギルドの刺客たちとの、一瞬の油断も許されない最前線での激闘描写、お楽しみいただけましたでしょうか!


 最新の魔導銃による攻撃や、広大な水源そのものを汚染する絶望的な状況に対し、一切臆することなく真っ向から立ち向かい、人間の肉体が持つ本来の強さを証明してみせる枢先生の姿は、まさに一人の「鍼灸師」としてのプライドと美学が最高潮に達した瞬間でしたね。


 そして何より、ウイルスの熱毒によって水分代謝の経絡を完全にロックされ、急激な高熱と排泄機能の麻痺を起こしかけていたガストンくんたちを救うため、枢先生が繰り出した、体内の余分な熱と水分を劇的に調律する素晴らしい黄金の術式。


 今回は、東洋医学において身体に溜まった悪質な「湿熱(濁った水分と熱)」を強力に引き下げ、外部からのあらゆる邪気の侵入を完璧にシャットアウトする、非常に実践的な二つの経穴ツボの流れを解説させていただきます。


 まず、足の外くるぶしの後ろにある膀胱経の要、崑崙こんろんを穿つことで、体内の上部や内臓に上りきっていた悪質な熱邪をその場で劇的に引き下げ、ガストンくんたちを襲っていた猛烈なほてりや痛みを瞬時に緩和しました。


さらに続けて、膝の真後ろのシワの中央にある同じく膀胱経の合穴、委中いちゅうを刺激し、東洋の医術において「全身の水分代謝の濁りをろ過し、尿として体外へと排泄する最大の関門」とされる場所を完璧に開放アースすることで、体内に侵入しかけていたウイルスの毒素を清らかな水分の流れへと一気に変え、リナさんたちの持つ本来の健やかな躍動感を取り戻させました。


この崑崙と委中の組み合わせは、現代における急な腰痛や足のむくみ、排尿のトラブル、自律神経の乱れによる身体のほてり、夏バテのような熱の籠もりの緩和などにも非常に効果的な素晴らしい経穴であり、組織の肩書や薬の力に一切頼らず、ただ「鍼灸師」としての職人の指先だけで未知の変異ウイルスの呪縛すら調律してみせる枢先生のプロとしての説得力には、読んでいて本当に胸が熱くなりましたね。


 枢先生の圧倒的な利水術式によって熱毒を完全に克服し、反撃の狼煙を上げた一行。しかし、オアシスの底にある古代の魔導湧水コアがウイルスと融合し、絶対的な汚染を広げ始めたという、これまた息をもつかせぬ衝撃の引きとなりました。


次なる舞台は、黒い邪気の核心たる中央オアシスの最深部。大切な水源を救い、ウイルスを根絶するために、枢先生の白銀の銀鍼はどのような「水源の経絡への穿刺」を魅せるのでしょうか。


次回の第457話は、本日【21:00】に更新予定です。

お休みの終わりを迎える静かな夜のひとときに、さらにスケールアップしていく「聖鍼師・枢」の決死の治療劇の行方を、ぜひお楽しみに!

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