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『異世界で「ツボ」を突いたら神と呼ばれた件 〜指一本で魔王も聖女も救い出す、世界唯一の最強聖鍼術〜  作者: 鍼灸師いのぴー
【第一章:王都の毒を穿つ聖鍼】

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第41話:深淵の往診、見えずとも貫く

お読みいただきありがとうございます!


五感を奪われた状態から、くるるの反撃が始まります。

相手は地下水路に巣食う、王都数千年の腐敗の権化。

「目に見えるものだけが、真実ではない」

鍼師の本能が、闇の中に潜む『神蔵』のツボを射抜く!

1,600文字超、聖鍼術の極致をぜひご覧ください。

 地下水路の奥底から這い出してきたのは、数千年の死骸と腐敗した魔力が混ざり合い、一つの巨大な「臓器」のように脈打つ怪物だった。

 その姿は、王都が長年溜め込んできた「負の遺産」そのもの。導師が操る魔法など比較にならない、圧倒的な質量と邪気が空間を押し潰す。


(……これほど巨大な『腫瘍』だとは。王都の経絡が詰まるのも道理です)


 くるるは五感を取り戻したばかりだが、依然として視界には紫色のノイズが走り、足元の汚泥の感触も遠い。だが、彼の翡翠眼ひすいがんは、怪物の中心部で激しく拍動する「コア」――気の流れがもっとも歪んだ一点を正確に捉えていた。


「グルゥゥゥゥッ……!!」

 怪物の肉塊から、無数の「腐った腕」が、鞭のようにしなって枢を襲う。

 回避は不可能。枢は瞬時にバッグから四本の銀鍼を抜き、自分の左腕にある**『外関がいかん』**というツボへ、浅く、だが鋭く打ち込んだ。


「……ハッ!」

 外関は、外からの邪気を防ぐ「防衛の門」だ。枢がそこに自身の気を集中させると、彼の周囲に翡翠色の薄い膜――気の結界が展開され、襲いかかる腐肉の腕を間一髪で弾き飛ばした。


「枢様!!」

「王女様、動かないで! 奴は音ではなく、生物の『気の揺らぎ』を感知して襲ってきます。……深呼吸をして、心を鎮めるのです!」


 枢は王女に指示を飛ばしながら、怪物の隙を伺う。

 怪物の攻撃は止まらない。今度は天井を這う触手が、死角から枢の頭上へと振り下ろされる。

 視界が霞む枢は、あえて「目」を閉じた。

 鍼師としての十数年、そしてこの異世界で培った「指先の記憶」。それが、空気の振動と気の変化から、敵の攻撃軌道を脳内に描き出す。


(……右三寸、上五寸。……そこだ!)


 枢は身を翻すと同時に、二本の鍼を投擲した。

 狙ったのは怪物の腕ではない。天井の崩れかけた石材の隙間にある、気の「よどみ」だ。

 ――ガツンッ!

 鍼が石材を貫き、気の流れが乱れたことで石像が崩落。怪物の触手を押し潰し、その動きを一瞬だけ止める。


「……チャンスは一度。……王宮の最深部に巣食う癌細胞よ、大人しく摘出されなさい」


 枢は汚泥を蹴り、怪物の巨大な本体へと肉薄した。

 至近距離から放たれる圧倒的な悪臭と熱気。五感が悲鳴を上げる中、枢の指先が、怪物の胸部にあたる一点――気の奔流が渦巻く**『神蔵しんぞう』**というツボを見事に探り当てた。


 神蔵。腎の気が集まり、しんの神を蔵する場所。

 そこを汚されたこの怪物は、いわば「魂を失った暴走細胞」だ。


「聖鍼術、奥義――『極点穿孔きょくてんせんこう』!」


 枢は全体重を乗せ、太い金鍼を『神蔵』へと深々と突き立てた。

 自身の翡翠の気を、高周波の震動に変えて送り込む。

 ドクンッ、と怪物の全身が大きく波打った。


「ガ、アアアアァァァッ!!?」

 怪物の叫びは、物理的な音ではなく、精神を直接揺さぶる震動となって霊廟を揺らす。中心部の核から翡翠色の光が漏れ出し、腐った肉体が内側から浄化の炎に包まれていく。


 だが、その時。

 崩壊していく怪物の影から、導師の「執念」を孕んだ最後の一撃――細く、鋭い魔力の刺が、無防備な枢の背後へと放たれた。


「……枢様、危ないっ!!」


 王女の叫びが響く。

 怪物を仕留めた直後、力が抜けた枢の背中。そこへ、導師の死に際の呪いが迫る――!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


枢さん、ついに奥義『極点穿孔』を繰り出しましたね。

防御に使った『外関』は、実際にも耳鳴りや頭痛、そして「外からの邪気(風邪など)」を防ぐのに非常に役立つツボです。


さて、巨大な怪物を倒したのも束の間、導師の執念が枢さんの背中を狙います……!

果たして枢さんの運命は!?


「枢さんの戦い方が格好良すぎて、脳内再生が止まらない!」

「王女様、頑張って守ってあげてー!」


と思っていただけましたら、ぜひ**【評価(☆☆☆☆☆)】**やブックマークで応援をお願いします!


次回、第42話は本日**【18:00】**に更新予定。

決着、そして霊廟からの脱出。枢が手にする「真実」とは。

夕方の更新も、どうぞお見逃しなく!

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