表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界で「ツボ」を突いたら神と呼ばれた件 〜最強の聖鍼師・連城枢は、経絡を正して魔王を懐かせ、聖女の呪いも指一本で完治させる〜』  作者: 鍼灸師いのぴー
【第一章:王都の毒を穿つ聖鍼】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/65

第20話:聖鍼師の休日と、王女様の隠し味

お読みいただきありがとうございます!


魔王城から生還したくるるを待っていたのは、王女様の猛烈な説教と……手作りのお菓子!?

殺気立った空気から一転、今回は甘い「休日」のエピソードをお届けします。


聖鍼師、ついに胃袋を掴まれる……?

魔王城から無事(?)に帰還したくるるを待っていたのは、王宮を揺るがすような盛大な歓迎……ではなく、膨れっ面をした一人の王女だった。


「枢様! 無茶が過ぎますわ! あんな恐ろしい場所へ一人で行って、もし何かあったら……!」

 セレスティアラ王女は、枢の無事を確認するなり、その胸板をポカポカと叩いた。だが、その瞳にはうっすらと涙が浮かんでいる。


「……王女様、叩く場所が『中府ちゅうふ』です。肺の経絡を刺激されると咳が出ますよ」

「そんなことはどうでもよろしいのです! ……もう、本当にお疲れ様でした。今日はもう、治療院はお休みです。わたくしが、枢様を『癒やす』番ですから!」


 そう言って彼女に連れ出されたのは、王都の喧騒から少し離れた、緑豊かな王宮の庭園だった。

 白いテーブルの上には、王女が自ら用意したという色鮮やかな茶菓子が並んでいる。


「さあ、召し上がれ。枢様に教わった『健康に良い茶葉』を特別にブレンドしたのですわ」

 王女は甲斐甲斐しく茶を淹れる。その手つきは少しぎこちないが、枢を見つめる瞳には、隠しきれない敬愛の情が溢れていた。


「……ふむ。香りは悪くない。ですが王女様、このお菓子……少し砂糖を控えすぎではありませんか? 健康を意識するのは良いですが、脳の疲れには適度な糖分も必要です」

「……っ。もう、一口目からダメ出しですの!? せっかく枢様のために、専属の料理人と朝から喧嘩してまで作ったのに……」


 シュンと肩を落とす王女。枢はそんな彼女を眺めながら、ふと、彼女の手元に目をやった。

 白い指先に、小さな火傷の跡。慣れない厨房で苦戦した証拠だ。


「……王女様。手を出しなさい」

「えっ? は、はい……きゃっ!?」

 枢は王女の手首を優しく掴むと、火傷の周囲にある『陽池ようち』のツボを親指でそっと撫でた。


「……熱を逃がしました。すぐ引くでしょう。……それと」

 枢は、不格好な形のクッキーを一つつまみ、口に運んだ。

「……味は、悪くないですよ。あなたの『気』がこもっているのが分かります。疲れた体に、一番効く薬かもしれませんね」


「~~っ! そ、そういうことを、平然とおっしゃる……!」

 セレスティアラ王女の顔が、湯気を出しそうなほど赤く染まる。彼女は照れ隠しに、自分の茶を一気に飲み干した。


「……枢様。わたくし、決めましたわ」

「何をです?」

「わたくし、もっと勉強します。枢様の助手として、あなたの隣にいても恥ずかしくないくらいに。……ですから、勝手に一人で危ないところへ行かないと、約束してくださいませ」


 真剣な眼差しで指を差し出す王女。枢は苦笑しながら、その小指に自分の指を絡めた。

「……善処しましょう。助手が寝不足で倒れては、元も子もありませんからね。……ほら、座りなさい。お礼に、肩のコリを取ってあげますよ」


 午後の柔らかな光の中、王女の嬉しそうな声が庭園に響く。

 魔王を黙らせた聖鍼師も、この可愛らしい「助手」の熱意には、どうやら一本取られたようだった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


普段は冷静な枢も、一生懸命な王女様には少し甘くなってしまうようです。

今回登場した『陽池ようち』は、実際に手の冷えや、炎症の熱を抑えるのに使われるツボです。


「王女様のデレが可愛すぎる!」

「枢先生、そこはもう恋ですよ!」


と思っていただけましたら、ぜひ**【ブックマーク】や、下の【☆☆☆☆☆】をポチポチッと**お願いします!


次回、第21話は本日**【12:00】**に更新予定。

平穏な王宮に、今度は「海」を越えた場所から、巨大な影が忍び寄る……!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ