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開廷
迷いなく進むその先には、弁護士席に1番近い傍聴席がある。
記者であるわたし、相良透はいつもこの席で裁判の様子を書き留めている。
いつもならガラガラの傍聴席が、今日はやけに狭いのは被害者の人柄ゆえか、それとも……。
とにかく、この事件に皆が注目していることは分かりきっていた。
天野ひなた__それが今回の被害者にして、日本の誇るトップアイドル。
『太陽』という代名詞の似合う彼女は、奇しくも夜に殺害されたらしい。
「極夜事件」なんて言って、数々の報道陣に取り上げられて、死しても尚神のように扱われている。
(ほんと、くだらない。)
そして静寂の音を切り裂き、小槌が場内に力強く響く。
わたしはこの音が大好きだ。 いつものように証書の読み上げを聞きながら、わたしはメモ帳を取り出した。
____今日は、書くべき言葉がたくさんある。




