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2つのプレゼント

作者: ことり。

私は母の日に月にいつも2つのプレゼントを買っている。



一つは母へ、もう一つは祖母へだ。。。




幼い頃から祖母は私のことをとても可愛がってくれていた。



小学生の頃は私が見えなくなるまで手を振って見送ってくれたりしたのを今でも鮮明に覚えている。

 


祖母はよく近くの駄菓子屋に行くお金を持たせてくれたり、小学校から帰ってきたらお芋を蒸しておやつに食べさせてくれたり、いつもいつも私のことを気にかけて接してくれていた。



私が傷つかないように身を挺して守ってくれたこともあった。今でもよく覚えている。



色々あった幼少期だが、そのお陰で私はとてもおばあちゃん子になっていった。



時々祖父と祖母の間に布団を敷き寝ていた時もあった。


忙しくしている母も大好きだったが、やかり小さい私には寂しさもあったのは確かだ。。。


温かくいつも見守ってくれる祖母のことが、まるでもう1人の母のように思っていた部分があったのかもしれない。





私が大人になり母の日になると母と祖母2人へプレゼントを贈っていた。



それぞれ違うものを贈った時のことだった。



母のプレゼントが大きくて、祖母のプレゼントが小さくなった時がたまたまあった時のこと。


祖母は少し寂しそうに、



「そらそうやなぁー。お母さんの方が大きいよなぁ。」




と分かりやすく少しすねていたのだ。。。




それを見てからと言うもの次の年から私は母と祖母に大差はつけず、できるだけ色違いの一緒のものを贈ることにした。





それからは母も祖母もとても嬉しそうに毎年笑顔で受け取ってくれていた。



祖母も毎年母の日は当たり前かのように孫の私からのプレゼントを受け取ってくれる。なんてかわいい祖母なのだろう。。。




もう1人のお母さんぐらいに思っている心の内は母にも祖母にも決して明かさないが、祖母はそれをきっと感じとってくれているだろう。。。。。


その証拠に「母の日やから!」とわたしも堂々と渡すようになったからだ。




一方母は私にぼそっと言う時があった



「毎年2つもプレゼント良いからなー。一つでいいよ。」


「いいの!おばあちゃんめっちゃ喜んでるから。

前にお母さんに大きいプレゼントあげた時すねてたし、、。」



「あー。それで2つ一緒のくれてるんかぁ。そんなんですねられてもなー。」





本当は私が祖母を母のように慕っていると言うこと、大切に思っているということを言わなかったが、、



これからもずっとずっと母の日は2つの色違いのプレゼントを送り続けようと私は心に決めている。









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