第9話《黒い鍋と、笑わない調味料泥棒》
ドガーン芋鍋で町に感動の余韻が残る中――
今度は「調味料が盗まれる」という不可解な事件が、ベルナークで頻発していた。
しかも、盗まれるのはどれも“笑顔”や“幸福感”を引き出す特別な調味料ばかり。
笑塩
太陽ハーブ
月涙蜜
料理人たちは困惑し、町の食堂には笑顔が消え始める。
そして、とある夜。
ユルたちのもとに現れたのは、無言で黒鍋を抱えた謎のフード男だった――。
フードの料理人
・黒い鍋を背負った無口な男。
・合体料理師ギルド“影膳”の元構成員らしい。
・調味料を盗んでいるという噂があるが、その目的は不明。
・ノワールとは過去に接点があるようで――?
ポタージュ「……また、笑塩が無くなってるわね」
ボルト「くっそー!オレが夜中までスープ作ってたのに気づかなかった!」
ユル「犯人、もしかして――この前の合体鍋の反動で、味に取り憑かれたんじゃ……?」
その時、ねむもが「ぴっ」と鳴き、広場の向こうを指差す。
そこには――フードの男が、黒い鍋を手にひとり立っていた。
ー緊急サブクエ発生ー
《影の調味料泥棒を追え!》(★★★)
内容:盗まれた調味料の行方と、黒い鍋の正体を突き止める。
条件:戦闘禁止。合体と会話でのみ解決せよ。
報酬:調味料セット、クロカゲのレシピ断章(ノワール専用)
ユルたちは彼を尾行し、町外れの廃屋で、彼が誰もいない空間で料理をしている姿を目撃する。
鍋の中には、笑塩も、太陽ハーブも使われていた。
しかし――
「……これは……味が、しない」
ユルが恐る恐る一口すすると、まるで**“失われた何か”の味**が口に広がる。
ノワール「……これは、記憶の味よ。あの男、自分がかつて作った料理の記憶を……もう一度取り戻そうとしてるの」
ユルたちは、盗まれた調味料に、“あるもの”を加えて合体させる。
合体素材:
失われたレシピ帳の切れ端
ノワールの「昔の味」を記憶する花の蜜
ねむもの分泌液(万能癒しエキス)
合体結果:《なつかしき影膳スープ》
⇒ 味覚と心に“記憶”を届ける料理。涙腺にダイレクトイン。
クロカゲはそれをひとくち啜り――
「……ああ……そうだった……あの子の、笑顔を……取り戻したくて……」
そして、黙って全ての調味料を返却して去っていった。
【クリア報酬】
【特製スパイス3種】:笑塩(幸運UP)/太陽ハーブ(体力小回復)/月涙蜜(感情イベント解放)
【影膳の断章】:ノワール専用スキル《思念調理・影の手》習得可
【称号】《味を奪う者、味を返す者》
⇒ 特定イベントで選択肢が増える(料理関連)
【後日談】
夜、ユルがスープを作っていると、そっとねむもが香草を届けてくれた。
ユルは小さく笑う。
「……料理って、すごいな。合体するのは、味だけじゃないんだな」
ー次回予告ー
《クレーム対応!合体したら歌いだす看板》
町の看板とスピーカーを合体したら止まらなくなった!?
朝から晩まで歌い続ける「自我持ち看板」を黙らせろ!