第7話《ベルナークの依頼掲示板》
ベルナークの広場横、雑貨屋兼カフェ《トキワ屋》の壁に設置された【冒険者依頼掲示板】。
掲示されている依頼は日々更新され、「合体師向け」に分類された特別カテゴリが存在する。
依頼にはランク(★1~★5)や報酬、依頼主のコメント、備考欄(「爆発NG」「笑いあり希望」など)もあり、ユルたちは滞在中好きな時に受け取れる。
掲示板に近づくたびに、ねむもがピーピーと反応するのがかわいい(※個人差あり)
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【本日の掲示】──(定期更新:昼12時&深夜3時)
□ ★★ 《薬草より回復するスイーツを!》
⇒ 教会にいる子どもたちに“心と体が元気になるお菓子”を合体で作ってください!
依頼主:修道女クローバ
□ ★★★ 《帰ってこない魔法道具》
⇒ 洞窟に落とした魔法式おしゃべりフライパンを回収しつつ、合体してもっとマシな口調に直してほしい。
依頼主:トキワ屋の老婆店主
□ ★ 《笑える靴下がほしいんです》
⇒ 相方の誕生日に「履くと笑う靴下」をプレゼントしたい。
依頼主:街芸人マゴロー(報酬:小金貨3枚)
□ ★★★★★ 《誰にも言えない依頼》
⇒ 詳細は会ってから。※“ユル”指名。破損率高し。
依頼主:ノワール(!?)
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依頼実例①:
《笑える靴下がほしいんです》
(★1・コメディ枠)
目的:依頼人の相方に「履くと笑ってしまう靴下」を作ってプレゼントする。
素材例:わらい茸、パフ布、ポタージュのスパイス粉末(謎調味料)
合体結果:《ぷぷふっとソックス》
⇒ 履くたびに「変な擬音」と「かすかな笑い声」が鳴る。
備考:依頼人も履いて吹き出して失神。サブイベント「相方と再会」発生。
依頼実例②:
《薬草より回復するスイーツを!》
(★2・癒し&グルメ)
内容:病院の子どもたちに笑顔を届ける“スイーツ合体”を頼まれる。
ヒント:「苦い薬より“ほっとする味”が一番の薬」
素材:あまふわ苺/カカオの樹液/ねむも毛(※味変素材)
結果:《いちごのもふぷりん》(回復量:中+癒し効果)
ミニイベント:子どもたちがねむもと遊ぶ → スチルイベント発生。
依頼実例③(スペシャル指名)
《誰にも言えない依頼》
(★5・ノワール指名)
内容:ベルナークの地下道にて、未解明の古代装置が発見される。
それは“合体の神”と呼ばれる古代術式の断片らしく――
「ユル。お前だけがあれを……壊すか、あるいは……融合できる」
「それってつまり、“合体か爆発か”の二択……?」
進行ルート分岐:
①合体して力を得る(→特殊スキル《古代合体式・カオスver》取得)
②破壊して封印(→ノワール好感度+大、町の安全度UP)
システム特典:掲示板ランクUP報酬
ユルが依頼をこなすと、掲示板右下に「ちいさな鐘」が鳴り、ランクが上がる。
【RANK E】(初期):★1~★2の依頼出現
【RANK D】:★3依頼が解放/ねむも用のペット防具解禁
【RANK C】:★4以上の依頼出現+依頼主からの手紙が届く
【RANK B】:専用合体パーツがもらえる+掲示板裏の“隠し依頼”解放
【RANK A】:町長から“名誉合体市民”の称号授与
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午後の陽ざしが斜めに差す、ベルナーク中央広場。
町の人々が行き交う中、ユルたちは《冒険者依頼掲示板》の前に集まっていた。
「うーん……今日はどの依頼にしよっか」
ユルが掲示板を眺める横で、ポタージュが頬に指を当てながらうなる。
「ねえ、これ見てよ。《料理中に逃げる魚を止めてほしい》”これ絶対なんか逃げ方おかしいわよね?」
「“物理的に”止めるんじゃなくて、“心理的に”止められたら報酬2倍って書いてあるな」
と、ボルトが笑う。
「心理的魚ストッパーってなんだよ……メンタルカウンセリングか? 魚に?」
そのとき、ねむもがピッと鳴いて、ある依頼を指し示す。
「ん、どれどれ……?」
《依頼:★★★「鍋に入らない伝説の野菜」》
内容:山奥で採れた《でかまる根菜・ドガーン芋》があまりにも硬すぎて、
料理長が鍋に入れられずに困っています。
魔法も通らず、斧も折れたらしい。
“何かと合体して、鍋に“収めて”ください!
備考:「まるごと入れたい!」という料理長の願いは固い。
傷つけたり刻んだりすると報酬半減。
報酬:伝説のスープ×3/料理長の裏レシピ帳(ユル専用)
「え、これ面白そうじゃない? 刻まずに鍋に入れろって無茶すぎるけど」
「つまり、“でかいまま”“無傷で”調理に成功させろってことよね? 合体向きよこれ」
「ドガーン芋……確かに見たことあるぜ。跳ねる岩みたいなヤツだったな」
「そのまま鍋に入れたら、鍋の方が跳ねそうなんだけど……」
「でもよく見て、これ報酬の“裏レシピ帳”……! ユルくん、スープ合体ができるようになるかもよ?」
「おお……スープ合体……!! やってみたくなってきた!」
ユルは笑いながら、依頼札を掲示板から外す。
「よし、今日はこれだ。“跳ねる芋を、まるごと鍋にぶちこむ大作戦”!」
「いろいろ間違ってる気がするけど、いってらっしゃいユルさん」
「死なない程度にがんばれー」
「おいっ!? そんなサラッと!? えっ、これオレ単独!?」
「……私は鍋の方、準備しておくから」
ノワールが背中で言いながら去っていく。
「あ、もう完全に鍋役になってるじゃん!? ボルト、ポタージュ、ついてきて!?ねぇ!!」
ーサブクエスト開始ー
《でかまる根菜・ドガーン芋と、伝説の鍋と、すこしの友情》
――次回、合体で料理は世界を救う(かもしれない)!