第4話【ベルナークの悪ガキ】
町の広場にたむろする子どもたち――通称《ベルナークの悪ガキ団》。
近頃、謎の“モンスター風オモチャ”を暴走させているとの情報あり。
町の大人たちは困り果て、誰も彼らに近づけずにいる。
ーサブクエスト発生ー
《悪ガキ団を何とかして!!》
依頼主:パン屋のおばあちゃん(報酬:巨大チョコパン×3)
難易度:★☆☆☆☆(※実際の難易度は素材次第)
「うおっ!?今のなんだ!?」
ユルたちが町の広場に来た時、ちょうど小さな爆発音とともにモンスター風の紙人形が跳ね回っていた。
子どもたちは大笑いしながらそれを操作している。
「やっべー!今日のは3回転ジャンプできたぜ!」
「次は火を吹かせよーぜ!」
「どっかの合体師が落としてった素材、使ったらすげぇことになったんだよ!」
「…………あ、オレだね素材の出処」
ポタージュは半笑いで苦笑し、ノワールは額を押さえた。
「この子たち、勝手に素材を拾って《オモチャ合体》してるわね……」
「なにそれめっちゃ楽しそう!いやでも危ないか!」
ユルは子どもたちの輪に入って、あっさり溶け込む。
「よぉみんな、合体って楽しいよな!でも、安全にやろうぜ!」
「おじさん、合体師?マジ!?」
「やっぱ大人は文句言うだけだろー」
「この前も騎士に怒られたし、爆発オジサンとか言われたし」
「……それオレや!!」
だが話すうち、ユルは気づく。
彼らは本気で合体に興味を持っていた。オモチャを工夫して、仲間と組み立てて、夢中になって“創造”していたのだ。
ーユル流“安全合体”講座ー
ユルは子どもたちに提案する。
「じゃあさ、オレが“ちゃんとした合体素材”と“安全なスキル”教えてやるよ。一緒に合体して、町のイベントで発表しようぜ!」
「えっ……ほんとに?教えてくれるのか?」
「オレだって最初は井戸吹き飛ばして怒られたクチだしな!」
こうして始まった、“合体オモチャ開発ワークショップ”。
ユル&悪ガキたちは、段ボール、マジック、音の出る素材、魔導石の欠片などを合体し、**《からくり音楽モンスターパレード》**を完成させる!
イベント当日、広場にて子どもたちが自分たちの作品を動かし、観客は大喝采。
「あのガキどもが……!礼儀正しく発表してる……!」
「爆発しない……!感動だ……!」
ポタージュ「ちょっと感動しちゃったわ……チョコパン、泣きながら食べてる人いる」
ノワール「……不思議ね。合体って、ちゃんとした知識があれば、人を笑顔にできるのね」
・クリア報酬:
【巨大チョコパン×3】(全回復・防御UP)
【合体スキル:ちびクラフト合体】
⇒ 子ども向け素材を使って安全な小型合体が可能に。戦闘中に“ちびモンスター”を召喚可能。
【称号:《町の兄ちゃん》】
⇒ 子ども系NPCとの交渉が有利に。
町を去る直前、子どもたちが手紙をくれる。
「また遊ぼうぜ!オレたちもいつか、合体師になるからなー!!」
ユルは笑って手を振った。
その背中を見ながら、ノワールはふと呟く。
「……本当に、“災害”とは無縁の合体も、あるのかもしれないわね」