第22話《マルダ=カオス“観測できない合体”》
第五の封印島――それは、地図にも言語にも存在しない島。
航話艇ルグナヴィアが突然“視界の裂け目”に飲み込まれ、気づけば着陸していた。
ユル:「……え? 今、着いたの? ていうか、ここどこ?」
ルガス(地図):「私の地図に“島の名前”が表示されません! 名前を観測できない!? なにそれ!?」
ポタージュ:「というか、自分が今何を持ってるか分からないんだけど……合体済み?未合体?」
ねむも:「さっきから自分の手が……手じゃない気がしてきた……」
【島の特性:観測不能の空間】
《マルダ=カオス》は“合体”を含む一切の物理・精神的構造が観測者によって揺らぐ領域。
この島においては――
合体しても【見えない】【聞こえない】【記録されない】
アイテムやスキルの効果が【観測者の認識】で変化
「自分が何を合体したか」すら、忘れる。
【島に残された謎の碑文】
ユルたちは、島の中心に浮かぶ《言葉の抜け殻》と呼ばれる石碑を見つける。
そこには不可思議な文が刻まれていた。
【???】「合体は…○○である。だがそれを□□することは許されない。
なぜなら“真に存在するもの”は、見られた瞬間に…壊れるからだ」
【実験パート:合体しても何もわからない】
ユルたちは、「合体素材:リンゴ×火の結晶」を使用。
だが――
成果物:見えない
使っても:効果が分からない
なのに:なぜか「食べた気になる」「暖かくなる」
ユル:「…観測できないけど“ある”ってことだよな」
ポタージュ:「哲学だなコレは…」
【出会い:観測を拒絶する少年・ジーア】
島の廃村で出会ったのは、観測拒絶症を抱えた少年・ジーア。
ジーア:「俺は“合体を見てしまった”から、家族を忘れた。
合体は“完成”を見た瞬間に、別の何かに変わるんだ…だから見たくない」
ユル:「…なら、一緒に“見ずに作る”方法を探そう!」
ジーアは、目隠しをしながらも物事の“匂い”や“感触”で世界を把握する特異な感性を持っていた。
【ボス:不可視融合獣】
・姿を観測すると即死する
・音も、匂いも、記憶も“近づくほど”曖昧に
・ただし「合体した記憶」には反応し、干渉してくる
【戦法:合体を“感じて”使う!】
素材:
・ジーアの記憶に残る家族の気配
・ユルが「一度だけ合体した気がする」木片
・ねむもの夢に出てきた“何か”
【記憶の気配】×【不確定物体】×【夢の余白】=
《非観測型合体装具:シュレディン・ハンド》完成!
→ これを装備することで「見ないまま、合体の結果だけを使える」
【決戦:見えない敵との共鳴合体】
ウロバスの攻撃は視線・意識を“見た瞬間”に突き刺してくる。
だが、ユルは目を閉じて合体!
ユル:「見えないけど、君がいたことは忘れない!」
発動:《無観測合体奥義:メモリーリンク・ゼロ》
→ ウロバスは、誰にも観測されないまま、静かに崩れ落ちた。
ただ、風の中に「ありがとう」という気配だけが残った――
【報酬】
・スキル【非観測合体】:不明な素材を使った“感覚合体”が可能に
・アイテム《シュレディン・ハンド》:観測せずに合体を扱う特殊装備
・サブスキル:素材の気配を読む(匂い・感触・共鳴反応で素材を判断)
ジーア:「“見ない”ってことは、“壊さない”ってことかもしれない。
……だから僕も、もう一度、家族を探してみるよ」
ユルはジーアに“観測できない花”を手渡す。
それは誰も知らない名を持つ、でも確かに“合体で生まれた”花だった。
【次回予告】
《第六の島:アストロニア=エターナ“終わらない合体”》
→ 合体を止められない!? 合体し続ける“永遠連鎖”にユルたちはどう立ち向かう!
暴走合体世界の果てに、“合体師の起源”がついに明かされる!




