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第1話【合体師、村を出る!】

それは、いつもと変わらぬ朝――

と、思ったら村の井戸にカエルと聖剣が合体した何かが飛び出してきた。


「おいユル!またお前か!」


村の自警団長ゴロスの怒声が、始まりのニルノの空に響いた。


「や、やだなあ団長……ちょっと実験してただけっスよ。うん、カエルの跳躍力と聖剣の斬撃力を足したら、最強の武器になると思って……」


「結果、井戸が吹き飛んでるんだが!?お前、何と何を合体させたんだ!!」


「えーと、聖剣【エクス・スラッシュ】と、魔界産のでっかいアマガエルと、あと村の井戸水少々……」


「井戸水は“合体素材”じゃねえええぇッ!!」


合体師――それはこの世界では**“無職”の一歩手前**に分類される、非常にニッチで、非常にトラブルを引き起こしやすい職業だ。


でも、主人公ユル・ミルトン(17歳・元気)は信じている。

**「この世界、合体でなんとかなる!」**と。

「ふぅ……結局、井戸の修理代は“働いて返せ”になっちまったかぁ……」


ユルは木製のベンチに座りながら、合体リストを眺めていた。


現在の合体素材リスト:

・壊れた聖剣×2

・カエル(全身ぬめぬめ)×3

・村長の湯呑み×1(怒られた)

・モンスターの落とし物:なめくじの殻×5

・未鑑定アイテム:謎の石(“ピカッと光る”)

・イベントNPC:旅の吟遊詩人(今は寝ている)


「……よし!吟遊詩人と石、合体してみよう!」


「何勝手に俺を合体させようとしてんだ君!?」


さっきまで寝ていた吟遊詩人エルリックが飛び起きた。


「大丈夫!合体しても人権はあるって法に書いてあったし!」


「法の適用範囲、せめて読んでからやってくれよ!」


そんなこんなで、村の人々に呆れられながらも、ユルは信じている。

この“合体師”という職が、きっと世界を救うって!


「だから、冒険に出る!まずは隣村の“合体禁止令”を解除するために!」


「余計なことすんなー!!」


こうして始まりの村を飛び出したユル。

彼の手には、**カエルと聖剣が合体した“ゲコスラッシュMkII”**が握られていた。


果たして彼の旅は、世界を救うのか、または村を爆破するのか――

それはまだ、誰も知らない。


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