姉妹坂 vol.099 「期末、終わったらで、良いんだけど…。」
可南子、少し恥ずかしそうに…。
隣りで歩いている可羊子、
「ん~~???」
「期末、終わったらで、良いんだけど…。」
そこで、一呼吸置く可南子。
航、
「う…、うん。」
「…一度、生の…、演奏…。聞かせてくれたら…、ありがたい…んだけど。」
その可南子の声に航、
「あ、あ~~。」
上目使いで航を見ている敦司。
少し間を置いて航、
「うん。その方が…、先輩にも…良いかも…。」
後ろをチラリと振り返る史江。
そんな史江に気付いて紗枝、史江の左肘を突っつき、
「ふ~み…。」
口に人差し指一本。
史江、
「お、おぅ…。くっ。」
航、
「うん。メンバーみんなに話して置くよ。…後で、連絡…します。」
航を黙って見ている敦司。
「矢島…。可羊子…さんに…、で、いいかな…???」
何故かしら照れながら航。
その声を聞いていきなり、
「ぷっ。」
可羊子。
可南子、そんな可羊子を見て、思わず、クスクスと…。
「うん。お願い。」
航、
「な…んか…、可笑しい事…、言ったか…な…???」
照れながら…。
そんな航に可南子、クスクスと笑いながら首を振って、
「んんん…。」
すかさず可羊子、
「かかかか。だって、海野君、教室で、可羊子さん…なんて言った事ないじゃん。いつも、矢島、矢島…だし。」
航、首の後ろを掻きながら、
「いや…、だってさ…。」
その時、園加、
「矢っ島~~、ごめん、私とアズ、これからバドの子たちと会う約束してるから…。」
愛寿美、スマホで電話しながら…、
「うんうん。これから…。」
園加、
「じゃね。史江、紗枝、茉優、弓香、摩耶、菜穂子、じゃ。」
そしてまた後ろを向いて、
「憲~~。信一~~。バ~イ。」
憲央、
「おぅ~~。」
「それにしても、1年坊、あんだけギター、上手いんだな~~。」
信一。
「ふん。大したもんだ。それに、野球も四番でピッチャーだって~~。」
可南子と可羊子に近づきながら…。
「でも、定岡先輩だって、弓道の腕、凄いですよ~~。」
可羊子。
そんな自分の隣にいる可羊子の声に赤くなる信一。
自然に憲央、信一、可羊子、可南子の列になる。
赤くなった信一の顔を見て憲央、
「ぷっ。信一~~、赤くなってるぞ~~。」
その声に可羊子、可南子、
「へっ…???」
「へっ…???今…、だって、カヨ、定岡君の事…???」
信一、
「うるせぇやい。」
怒ったような信一。
可羊子、可南子、
「えっ…???えぇぇぇぇ…???」
可羊子、
「せ…ん…ぱ…い…???」
可南子、顔は動かさずに、瞳だけ右左…、
「…ん…???」
そして、信一の方に顔を向けて…、
「松…森…君、だっけ…???…妹の事…、よろしく。」
ペコリとお辞儀をして…。
その瞬間、憲央、
「かっかかかか。」
可羊子、可南子の左腕をバン、
「お姉ぇ!!!!」




